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愛犬ががんと診断されたら……充実した最期を過ごすためにできること

愛犬ががんとわかると、多くの飼い主さんは肩を落としてしまいます。しかし、犬も長寿になったいま、死因のトップはがんであり、どの犬もかかる可能性のある病気です。充実した最期を過ごすために、飼い主さんにできることはあるのでしょうか? 犬のがん治療に力を入れる獣医師の堀川歴央先生にお話を伺いました。
■監修:堀川歴央先生
レオどうぶつ病院院長。日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医Ⅱ種をもつ、がんのスペシャリストとして犬がなるべく苦しまないやさしい治療をめざす

犬のがん治療に力を入れる堀川先生が語る、愛犬のがんとの向き合い方

悲しげな表情の犬
Chalabala/gettyimages
がんは、長生きすればどの犬でもかかる可能性がある身近な病気です。「完治が見込めるがんは別として、がんになった犬は、遅かれ早かれ亡くなっていきます。ただ、すぐに亡くなってしまうことは少なく、“さよなら”までに比較的時間がある病気なのです」と堀川先生。

病名を伝えられるとショックを受けるのは当然ですが、まずは愛犬ががんになったことを受け入れて、がんと向き合うことが大切です。

完治が難しい場合は、がんとの共存を考える

眠るジャック・ラッセル・テリア
undefined undefined/gettyimages
愛犬のがんを治したい前向きな気持ちは大事ですが、積極的な治療がかえって愛犬を弱らせ、死期を早めてしまうこともあります。大切なのはがんの進行度を見極め、適切な治療を行うこと。


「完治が見込めない進行度なら、抗がん剤治療も無理をせず、副作用が出ない範囲で弱く使い、がんの進行をゆるやかにする方法もあります。痛みが出れば、緩和療法で痛みを和らげる……。犬の症状に合わせて対処しながら、できるだけ穏やかに愛犬を見送るのもいいことです。その時間で、愛犬との“さよなら”に向き合えるように」(堀川先生)。

愛犬が旅立つ前にしている・伝えていること

嬉しそうな犬
Nataba/gettyimages
愛犬が旅立つ前に、堀川先生がしていること、飼い主さんに伝えていることとは。

緩和治療にも力を入れる

愛犬の最期が穏やかだと、飼い主さんも“さよなら”を受け入れやすくなります。がんが進行すると、ほとんどの場合は痛みが出てくるため、先生は緩和治療にも力を入れています。
「愛犬が苦しむ様子を見ると、飼い主さんが自分を責めて後悔が残ることも。医療用麻薬を含む痛み止めを数多く準備して、犬の痛みを緩和し、できるだけ穏やかに過ごせるようにしています」と堀川先生は語ります。

何かできることを共に考える

堀川先生のもとには、末期がんの犬に何かできることはないかと相談に来る飼い主さんも多いそうです。「末期だから何もできないわけではありません。末期に多い肺がんが引き起こす肺炎を治療すれば、犬を楽にできますし、痛みを医療用麻薬でやわらげることも。最期まで愛犬とがんばれたと感じられると、愛犬の死を納得できるように」といいます。
堀川先生は何かできることを飼い主さんと共に考えています。

飼い主さんが愛犬の病気を受け入れて前を向けるように

愛犬の闘病中、飼い主さんがくよくよしていると、犬の調子が上向かないこともあるそうです。「飼い主さんが、愛犬のがんを受け入れて気持ちを切り替え、よしがんばろうと元気になってくると、犬もがんばれるようになります。飼い主さんには、最期までどんと構えて、愛犬にとって頼れる存在でいてほしいですね」(堀川先生)
大切な愛犬との”さよなら”に向き合うべきか、心の隅に留めておくといいかもしれません。
お話を伺った先生/堀川歴央先生(レオどうぶつ病院院長)
参考/「いぬのきもち」2022年3月号『さまざまな犬との別れを経験してきた獣医師さんだからわかる “さよなら”との向き合い方』
文/小崎華
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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