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犬はドッグフードに入っている穀類を消化できますか?

ドッグフードの主原料に、小麦や米、トウモロコシや大豆などの穀類を使っているフードがあります。犬は自分から穀物を食べる動物でありませんが、果たして、ドッグフードの中の穀物を消化できているのでしょうか。

徳本 一義 先生

 獣医師
 有限会社ハーモニー代表取締役
 日本ペット栄養学会理事
 ペットフード協会新資格検定制度実行委員会委員長
 日本獣医生命科学大学非常勤講師
 帝京科学大学非常勤講師
 など

●資格:獣医師 経営学修士(MBA)

●所属:日本ペット栄養学会

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加熱調理すれば、消化できる!

 じつは、人も穀物をそのままでは消化できません。人が穀物を主食にしているのは、火を利用することを覚え、食料を加熱する技術を手に入れたからです。

 穀物にふくまれる主な栄養素は炭水化物で、そのほとんどはでんぷんです。でんぷんは、消化・吸収されやすい糖とは違い、生の原材料のままでは多くの動物にとって消化性が悪い栄養素です。でんぷんは、水とともに加熱することによって結晶構造が溶解して水に溶けます。これを糊化(アルファ化)といいます。私たち人は、米に水を加えて加熱してご飯をたいたり、小麦粉に水を加えて練って焼き、パンなどにしたりすることで、でんぷんを消化しやすく糊化させて食べているのです。
 犬も、糊化したでんぷんなら消化する能力があります。人のように唾液の中にでんぷんを消化するアミラーゼをもたないため、小腸で消化が始まるといった違いはありますが、糊化されていれば問題なく腸内で消化・吸収されることが確認されています。

 私たちは、愛犬に生の穀類を食べさせているわけではありません。ペットフードの原材料に使われている穀類は、水を加え、加熱されて、糊化された状態になっています。とくにドライフードは原材料を粉にして加熱・加圧してフードの形につくりあげますから、でんぷんの消化性が高められています。ウエットフードに使用されるでんぷんも、加熱されて糊化されています。

 私たち人は、火を使うことを覚えたことで、穀物から効率的にエネルギーを得ることができるようになり、それを大量に栽培して食糧を安定的に得、人口を増やし、寿命を延ばしてきました。
 野生のオオカミは穀物を食べません。人といっしょに暮らす愛犬は、人と同様に、加熱調理した穀物もふくめたさまざまな原材料からバランスよく栄養を得る術を手に入れたともいえるのです。
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監修/徳本一義先生(へリックス株式会社代表取締役社長)
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