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ドッグフードの原材料に穀類が使われている理由は?

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犬は、獲物をとらえて食べるオオカミの仲間です。それなのに、ペットフードの主原料(原材料表記のはじめのほうに書いてある原材料)に、小麦や米、トウモロコシや大豆などの穀類を使っているフードがあるのはなぜなのでしょう。

犬は雑食性の動物

 現在、人と一緒に暮らして人からゴハンをもらっている犬ですが、オオカミの近縁、あるいはその亜種ともいわれています。そのオオカミを代表とするイヌ科の動物は、肉食性が強いものの、雑食性の性質をもつ動物です。狩りの能力の高い肉食性のネコ科の動物と違って、食べられるものならいろいろなものを食べます。狩った草食動物の内臓や消化途中の内容物も好んで食べるほか、果物やキノコなどでもお腹を満たしていることが報告されています。つまり、犬は雑食動物なのです。

必要な3大栄養素のバランスは、猫よりも人に近い

 犬に必要な栄養素の割合を、完全な肉食動物である猫、そして雑食動物である私たち人と比較して見てみましょう。

 肉食動物である猫と比べると、犬は、必要とする脂肪やたんぱく質の割合が小さく、炭水化物の割合が大きくて、むしろ人に近いことがわかります。とはいえ、たんぱく質の割合は人よりは大きいです。
 ちなみに、肉食の猫には糖の甘さを舌で感じる能力がありません(アイスや生クリームなどに関心を示す場合もありますが、アミノ酸や脂肪などの糖以外の栄養素を好んでいると考えられます)。しかし、雑食の犬は、舌で糖の甘さを感じることができるばかりか、その味を好みます。犬が、フルーツや茹でたサツマイモ、カボチャなどを喜んで食べるのは、それらが犬にとって食べ物のひとつだからです。
 逆に、犬の健康を維持するために必要な栄養バランスから考えたとき、肉だけのゴハンで必要なエネルギーをまかなうと、たんぱく質や脂肪が過剰になるなど、栄養素の過不足が生じます。このため、ドッグフードは、さまざまな原材料を加えて栄養バランスを整えているのです。

穀類は良質なたんぱく源

 小麦や米、トウモロコシや大豆などの穀類には、炭水化物だけでなく、たんぱく質、繊維質、ビタミン、ミネラルといった、さまざまな栄養素が含まれています。一方で、「小麦グルテン」「コーングルテン」といった、穀物からたんぱく質を取り出した原材料などもあります。

 愛犬の健康のためには、ゴハンから得られるエネルギーと栄養バランスが適切であることが大切です。ドッグフードは、同じものをずっと食べ続けても健康が維持できるように、さまざまな特性をもった原材料を組み合わせて栄養バランスをとる工夫がされています。また、それらのコストパフォーマンスがよくその質や供給が安定していることも、商品がより多くの飼い主さんにいきわたってより多くの愛犬の健康を支えるうえで大切なことです。これらの面で、穀物は原材料として利点が多いのです。

 飼い主さんの中には、コストパフォーマンスがよいというと、粗悪であるととらえるかたもいるようですが、そのようなことではありません。安価でありながら良質であるなら、それは優れたものであるととらえるべきでしょう。大切なのは愛犬にあった品質、栄養バランスです。
 そのほか、ドッグフードの原材料に穀類を使う理由には、ドライフードの形を整えたり、ウエットフードにとろみをつけたりする目的もあります。とくに、ドライフードを製造する過程で、粒の形を保ち、砕けないようにするために欠かせません。

※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」に投稿されたものです。

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監修/徳本一義(獣医師)

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