少しずつ気温が上昇し、湿度も高くなる梅雨の時季。高温多湿のジメジメした環境は、犬にも悪影響を与えやすいといわれています。雨の日の滑りやすい屋外でのケガ、植物の誤食、熱中症など、このシーズンならではのトラブルには、とくに注意が必要です。
ここでは、雨の日のお出かけ先で起こりがちなトラブルとその対策を、東京動物医療センター副院長の南直秀先生に伺いました。
梅雨時のお出かけ先トラブル1:滑りやすい路面でのケガ
イラスト/石山綾子 「いぬのきもち」2018年6月号『ジメジメした季節に起こりやすい体調変化に気をつけて 梅雨の不調から愛犬を守ろう!』
御影石やアーチ形の橋などの路面は、雨で濡れると滑りやすくなります。滑って傷めやすいのは、ひざの十字靱帯(じゅうじじんたい)。とくに膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)を患っている犬は悪化しかねないので、注意しましょう。
対策
・ツルツルした路面を避ける
・抱っこやカート、滑りにくい靴を利用する など
梅雨時のお出かけ先トラブル2:見ごろの花や果実の誤食
イラスト/石山綾子 「いぬのきもち」2018年6月号『ジメジメした季節に起こりやすい体調変化に気をつけて 梅雨の不調から愛犬を守ろう!』雨の不調から愛犬を守ろう!』
梅雨どきはアジサイ祭りなどのイベントが催されていたり、旬のサクランボの実や種が落ちていたりすることも。中毒を起こす危険があるので、花をバックに写真を撮る際などは、愛犬が花や果実を誤食しないように気をつけましょう。
中毒を起こすもの
・アジサイ
誤食した量によっては吐き気や下痢を引き起こす
・花菖蒲などのアヤメ科の植物
口にするとヨダレが出て、嘔吐や下痢の症状が見られる
・サクランボ
種に毒性があるほか、種が腸に詰まったり、軸部分の誤食で腸管を傷つけたりすることもある
対策
・景色だけに気を取られず、愛犬をよく見ながら歩く
・日ごろから横について歩く練習をしておく など
梅雨時のお出かけ先トラブル3:熱中症
イラスト/石山綾子 「いぬのきもち」2018年6月号『ジメジメした季節に起こりやすい体調変化に気をつけて 梅雨の不調から愛犬を守ろう!』
暑さを感じる温度は犬種ごとにさまざま。移動する車内と室内では湿度の変化も異なります。温度・湿度の設定は、愛犬がパンティングしないで過ごせることを目安にすると◎
対策
・緊急時にすぐに使用できる保冷グッズを持参する
・車内に置きざりにしない
おでかけ先で起きがちなトラブルは、上手に予防や対策をして愛犬が元気に過ごせるようにしましょう。
お話を伺った先生/南直秀先生(東京動物医療センター副院長)
参考/「いぬのきもち」2018年6月号『ジメジメした季節に起こりやすい体調変化に気をつけて 梅雨の不調から愛犬を守ろう!』
イラスト/石山綾子
文/東みお