「いぬのきもち」読者アンケートによると、愛犬のケガは、部屋の中、散歩道、ドッグランなど、身近な場所で起きていることがわかりました。今回は「愛犬のやけど」の体験談とともに、動物救命救急のスペシャリスト、サニーカミヤ先生に応急処置の仕方を教えていただきました。
犬に多いケガベスト 4
1位 骨折・ねんざ・脱臼……38%
2位 切り傷・すり傷……31%
3位 噛み傷……10%
4位 やけど……2.5%
※データは「いぬのきもち作り隊」の読者260名にアンケートをとったものを集計した結果です。いぬのきもち作り隊アンケートは、2021年11月に実施しています。アンケートには複数回答も含まれます。
夏場は散歩の時間帯によって、肉球にやけどを負う危険も
「いぬのきもち」読者アンケートによると、やけどの部位はすべて肉球で、夏の散歩が原因でした。夏場はとくに、散歩の時間帯に注意しましょう。また、「熱い鍋を運んでいるときに、愛犬が足にまとわりついてつまづき、愛犬に鍋の熱い液体がかかってやけどするケースなども」(サニーカミヤ先生)
【体験談】真夏の夕方、涼しくなって散歩に出たが、肉球をやけどしてしまった
「夏の夕方、17時ごろだったと思います。風が涼しくなったので、アスファルトを触って温度を確かめてから散歩に出かけました。帰ってくると、愛犬が異常なほど後ろ足の肉球をなめるので受診すると、やけどと診断されました。マンホールなど場所によって、熱いところがあったのかも。」
【先生からのアドバイス】
「アスファルトを触って熱さを確認したのはいいですね。ただ、やけどや熱中症のリスクを考えると、夏の散歩は早朝か夜がおすすめです。」(サニーカミヤ先生)
やけどの応急処置
1.すぐに水で冷やす
やけどは、冷やさないとどんどん進行していきます。やけどの疑いがあれば、すぐに水で冷やしましょう。
2.ワセリンを塗り、ガーゼと包帯で処置後、動物病院へ
ワセリンを肉球全体に塗って保護。ガーゼなどで足先全体をおおい、伸縮性か粘着性の包帯で固定。血が止まらないよう締めつけすぎに注意。その後すぐに受診を。
暑さが厳しくなるこれからの季節、アスファルトやマンホールでのやけどに注意して、愛犬との散歩を楽しんでくださいね。
お話を伺った先生/日本国際動物救命救急協会・代表理事、日本防災教育訓練センター・代表理事 サニーカミヤ先生
参考/「いぬのきもち」2022年4月号『まさか!のケガ体験エピソード』
イラスト/福田玲子
写真/尾﨑たまき
文/伊藤亜希子