地震や台風など突然の災害に遭ったそのとき、愛犬とどのように行動するのがよいのでしょうか。
防災士・動物福祉活動家の成田司先生に、災害時に取るべき行動について教えていただきました。
【想定1:自宅で地震発生】まずは飼い主さん自身の安全確保を
愛犬と自宅にいるときに、地震が発生した場合、「愛犬を第一に守らなければ」と思う飼い主さんも多いと思いますが、災害時は飼い主さん主導で身の安全を守ることが大切です。飼い主さんが頑丈なテーブルの下などで安全を確保し、そのあと愛犬を呼び寄せましょう。
揺れが大きい場合ではドアや窓を開けて避難経路を確保する必要がありますが、愛犬が外に飛び出していかないよう、必ず先にリードをつけておくことも忘れずに。
【想定2:愛犬と外出中に地震発生】耐震性が高い新しいビルや公共施設、ガソリンスタンドを目指そう
お散歩など、愛犬と一緒に外出中、地震が発生した場合はどこに避難すべきでしょうか。
屋外では建物の倒壊や、ガラスが散乱する危険性があります。そのため、新しく建設されたビルや市民館をはじめとする公共施設など、耐震性の高い建物に避難するのが適切です。避難場所の表示がある広場などもよいでしょう。
また、一見危険と思いがちなガソリンスタンドは、危険物を扱っているため消防法の厳しい建築基準をクリアしているので、一般の建物より耐震性・耐火性に優れています。
【想定3:台風で大雨・洪水注意報】一般より早めに避難を開始する
台風により、住んでいる地域に浸水の危険性があることから、「警戒レベル2」が発表された場合はどのように行動すればよいでしょうか。レベル2は大雨・洪水注意報が発表される段階で、本来は「避難ルートや避難場所を確認しておく」が正解ですが、愛犬を連れて避難する必要がある飼い主さんは、一般の方よりも時間がかかることを考慮しなくてはいけません。よって、ひとつ上のレベル3に当てはまると判断し、この時点で避難を開始するべき。愛犬の命を守るためにも、早めの避難行動をとることが大切です。
突然の災害時、愛犬の命を守れるのは飼い主さんだけです。いざというときのために防災袋を準備したり、日頃のお出かけ時に避難できそうな場所を確認したりと、普段からできる備えを整えておきたいですね。
お話を伺った先生/成田司先生(防災士 動物福祉活動家)
参考/「いぬのきもち」2020年9月号『地震、台風、ウイルスに備え、ドリル形式でおさらいしよう! 防災ドリル'20→'21』
イラスト/ぷーたく
文/緒方るりこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。