暮らしのいろいろな場面で、私たちのために働いてくれる犬たち。そんな犬たちにも一生懸命働くオンの時間だけでなく、ゆったり過ごすオフタイムがあります。今回は、NPO法人 災害救助犬ネットワークご協力のもとで、災害救助犬のオフをのぞいてみました。
すぐれた嗅覚で行方不明者やガレキに埋もれた人を捜し出す
【ON/現場のお仕事】ハンドラーとの二人三脚で災害現場で活躍
崩れた建物の下に埋もれてしまった人や、山で遭難した登山者などを、犬特有のすぐれた嗅覚で捜し出し、救助につなげます。災害救助犬が単独で捜索をすることはなく、犬に指示を与えるハンドラーのコントロールのもとで的確な捜索を行います。要救助者を発見したら吠え続けてハンドラーに知らせます。
多くの家が倒壊した、2016年に発生した熊本地震。このときにも災害救助犬が出動し、捜索活動にあたりました
登山やハイキングで行方不明になった人を捜索することも。雪山の捜索も行います
人が犬を抱えなければ登れない高い場所や足場が不安定な場所では小型犬が活躍
足元が悪いところの捜索が多いため、出動後は、木片やクギなどで犬が足をケガしていないか、入念にチェック
【ON/人と犬を守るための厳しいトレーニング】重要なのは人の強い気持ちと、犬との信頼関係
捜索にあたって重要なのは「人を救いたい」というハンドラーの気持ちと、犬を指示に従わせるための信頼関係です。その関係構築のために、まずはコミュニケーションを密にとり、指示に従わせる「服従訓練」、かくれんぼ遊びなどを使った「創作訓練」、さまざまな状況で活動するための「環境訓練」を行います。
あらゆる状況下で働くため、場所慣れ、人慣れが必要な災害救助犬。人とふれあうことも、トレーニングのひとつ
災害救助犬ロデムくんのオフタイム
お話を伺ったIさん。ロデムくん(オス・4才/ジャーマン・シェパード・ドッグ)と同居犬のポテくん(中央)、シナモンちゃん(左)が朝夕いっしょに散歩する姿は地元の名物。たくさん声がかかります
指示に従うことがうれしい、災害救助犬は究極の家庭犬
Iさんご夫妻と、もう2頭の犬と暮らすロデムくん。「ロデムは人の指示に従うことに喜びを感じています。ロデムを楽しませ、かつ訓練にもつながるので、日々の生活の中でもたくさん指示を出しています。『人の指示に従いたい』そういう意味では災害救助犬は究極の家庭犬かもしれません」(Iさん)。
ボール遊びが大好きなロデムくん。全速力でのボール遊びが筋力アップにつながります
散歩や遊びの途中でも細かく指示を与えることが災害救助犬としての訓練にも
「犬たちを第一に考えて選んだ」という山中湖にある別荘で、のんびり休日を過ごす3頭
ほかに場所があいていても、上に乗ったりくっついたり、いっしょに眠ることが多い3頭
災害救助犬シエラちゃんのオフタイム
お話を伺ったOさんの愛犬シエラちゃん(メス・9才/ジャーマン・シェパード・ドッグ)。広々とした自然の中で、思いっきり遊んでのんびり過ごす、シエラちゃんにも最高のひととき
キャンプが大好き! 今は家でのんびり過ごしてます
何度も災害現場に出動経験があり、現在は引退したシエラちゃん。「シエラはお姉さん気質。自分をシエラ、妻、子どもの3姉妹の長女だと思っているふしがあります。今は家でのんびり過ごしてほしいですね」と話すOさん。シエラちゃんはキャンプが大好き。キャンプではお肉を焼いてもらうことも。
生後6カ月のOさん家の赤ちゃん。常に赤ちゃんを気にかけ、やさしく見守るシエラちゃん
誕生日には犬用のケーキを。写真は大好きなさつまいもとフルーツのケーキ
いかがでしたか? 災害救助犬といえども、オフタイムは普通の犬たちと変わらないのがかわいらしいですね。全国で活躍する災害救助犬への感謝を込めて、お届けしました!
取材・写真協力/NPO法人 災害救助犬ネットワーク、Iさん、Oさん
参考/「いぬのきもち」2022年4月号『わたしたちの暮らしを支える犬たちのONとOFF』
写真/尾﨑たまき(Iさん・ロデムくん)
文/横田悦子