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【いぬのきもち獣医師監修】犬の目ヤニでわかる病気やチェックポイント
愛犬の目に目ヤニが! 人のように愛犬自身で器用に目ヤニを取れるわけでもないので、飼い主さんがよく見てあげたいですよね。単なる目ヤニと思っていたら病気のサインの場合も。ここでは、犬の目ヤニの色や状態から考えられる病気や早期発見のコツをご紹介します。
この記事の監修

石田 陽子 先生
石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長
麻布大学獣医学部獣医学科卒業
●経歴:ぬのかわ犬猫病院本院副院長/ぬのかわ犬猫病院中田分院院長 など
●資格:獣医師
●所属:日本小動物歯科研究会/比較歯科学研究会/日本獣医動物行動研究会
犬の目ヤニってどんなもの?
目ヤニとは、目の表面についたホコリや皮脂腺の分泌物や粘膜などのかたまり。人もそうですが、犬も少量であれば健康に影響はありません。ですが、状態や色によっては心配なものも。目の炎症や眼球の傷が原因で、目ヤニが出ることもあります。

目ヤニの色・状態でわかる異常って?
角膜や結膜に異常があると、目ヤニの色や状態が変化します。目全体をおおうようについている、いくら拭いても出続けるといった量の多さも異常のサインになります。目ヤニの色や状態から、心配ない目ヤニなのか、角膜や結膜の異常を知らせる危険な目ヤニなのかをチェックすることができます。
こんな目ヤニは心配ありません
・黒っぽい乾燥した目ヤニ
部屋がホコリっぽかったり、砂っぽい道を散歩すると、愛犬の目についたゴミやホコリが固まって黒い乾燥した目ヤニになります。
・薄い茶色や灰色の水っぽい目ヤニ
茶色っぽい目ヤニの正体は、目の細胞の分泌物や老廃物のかたまり。寝ているときはまばたきをしないため、目頭にたまりやすく、起床時に見られることが多いです。
・かたまって出る白い目ヤニ
目頭にたまった、白くトロッとした目ヤニは、皮脂腺の分泌物や目の粘膜のかたまりです。2、3日に1回出る程度なら病気の心配はありませんが、放置しないで拭き取りましょう。

こんな目ヤニは病気の疑いがあります
・白っぽく水っぽい目ヤニ
角膜炎や結膜炎の初期段階で見られる目ヤニです。この段階で治療が始められれば、治りも早くなります。放置すると、目のまわりが常に湿った状態になり、眼瞼炎(がんけんえん)などが起こることもあるので、やさしく拭き取り、病院を受診しましょう。
→疑われる病気 結膜炎、角膜炎など
・黄色い水っぽい目ヤニ
結膜炎の可能性が高く、白っぽい目ヤニよりも症状が進んだ場合に出やすいのが、黄色く水っぽい目ヤニです。また、ドライアイの初期段階でも見られることがあります。これ以上悪化する前に、できるだけ早く病院を受診しましょう。
→疑われる病気 結膜炎、ドライアイなど
・黄色いドロドロの目ヤニ
なんらかの原因で涙の量が減ったり、涙の成分の質が悪くなったりすると、目の表面が乾いて結膜と角膜に炎症を起こします(ドライアイ)。放置すると黄色く膿のようなドロドロした目ヤニが目の表面をおおい、角膜炎や角膜潰瘍という病気に進行しかねません。早めに処置を。
→疑われる病気 ドライアイ、結膜炎など
目ヤニだけじゃない! 涙も異常のサインに
目の異常を知らせるのは、目ヤニだけではありません。涙も目の異常を知らせるサインになります。とくに異常事態なのは、いくら拭いても出続ける涙。角膜に傷がついた時や涙の通り道がふさがれて涙があふれ出ている時(流涙症)などに涙が多くなります。放置すると、結膜炎などを併発しかねないため、動物病院を受診しましょう。一方、一時的に流す透明な涙の場合は問題のないことが多いです。目にゴミやまつげ、異物が入ったため、それを取り除こうと涙が出るケースが大半で、風に当たって目が乾燥したときにも涙が出ることがあります。

お手入れ時に目元チェックを習慣に
・お手入れのついでに、下記をチェックして!
□目ヤニや涙が出ていないか
□眼球に傷が入っていないか
□逆さまつげや異物が入っていないか
・目ヤニは濡らしたコットンでやさしく拭き取って
乾いた目ヤニを飼い主さんが指で取ろうとすると、犬が痛がったり、目を傷つけてしまう恐れも。濡らしたコットンを目ヤニに当ててふやかすと、犬を嫌がらせず、きれいに拭き取れます。

目ヤニや涙の異常に早めに気づくには、日々の健康チェックが大切です。異常を見つけたら早めに動物病院を受診し、悪化させないよう気をつけてあげたいですね。
参考/「いぬのきもち」特別編集『愛犬のための健康長寿ガイド』(監修:南直秀先生)
「いぬのきもち」2017年12月号『毎日&たまに Wチェックで健康を守ろう!』(監修:石田陽子先生)
監修/石田陽子先生(石田ようこ犬と猫の歯科クリニック院長)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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