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【獣医師が解説】ダックスフンドの理想体重を維持する健康管理法とは

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今回は、ダックスフンドの体重について解説します。体格別の種類や理想体重の目安、体重推移から、肥満チェック法やダイエット、食事管理のポイントまで詳しくご紹介します。肥満はさまざまな病気や怪我の原因になるので、注意してくださいね。

体格から見るダックスフンドの種類

子犬

プードル、チワワに次いで、国内のJKC(ジャパンケネルクラブ)登録頭数ランキングで3番目に多いダックスフンド。ダックスフンドは体格から3種類に分類されており、JKCではその基準を以下のように定めています。

  • スタンダード…胸囲35cm以上
  • ミニチュア…胸囲30~35cm程度
  • カニーンヘン…胸囲30cm以下

ドイツ原産のダックスフンドは、ドイツ語で「アナグマ犬」という意味を持ちます。狩猟でアナグマを狩るために、巣穴の中に入れるよう四肢が短く品種改良され、その後より小さい動物も狩猟するために、身体の小さいサイズのダックスフンドが品種改良されました。
そこで品種改良した犬種の名前を、「ミニチュア(小さい)」と、「カニーンヘン(うさぎ)」と名付けたのです。

いぬのきもちWEBMAGAZINE「ダックスフンドってどんな犬?【カラーなどの種類・性格・特徴】」

ダックスフンドのベスト体重とは?年齢・性別から見る平均体重の違い

体重計に乗るダックスフンド

ダックスフンドの種類別平均体重

大きさで3種類に分けられているダックスフンド。その種類ごとのおおよその平均体重は以下の通りです。

  • スタンダード…約9 kg
  • ミニチュア…5 kg以下(上限4.8kg)
  • カニーンヘン…約3.2~3.5 kg

上記はあくまでも平均体重です。体の大きさや筋肉のつき方には個体差があり、最近では平均体重を上回る大柄なダックスフンドも増えています。平均体重は参考程度に覚えておき、愛犬の体格に合った適正体重を維持することを意識するようにしましょう。

年齢から見る平均体重の推移

次に、子犬期から成犬期にかけてのミニチュア・ダックスフンドを例に挙げて、体重推移(目安)を見ていきましょう。

  • 生後3カ月ごろ…2.5~3㎏
  • 生後4カ月ごろ…3~3.5㎏
  • 生後6カ月ごろ…4~4.5㎏
  • 生後12カ月ごろ…4.5㎏~5㎏

一般的に、犬は生後3カ月を過ぎたころから体が成長し始め、6カ月ごろまでに急成長するといわれています。その後は、緩やかに成長し、1才ごろには成長が落ち着くことが多いようです。

性別で平均体重は変わるのか?

ミニチュア・ダックスフンドの場合、成犬の平均体重が約4.5~5kgとされ、オスの方が、体重が重くなる傾向があるといわれています。しかし、性別による体重の違いというよりは、大きさに個体差が見られるケースの方が多いようです。

肥満じゃないか確認しよう!ダックスフンドの体重測定と体格のチェック方法

ダックスフンド
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

自宅でできる体重測定方法

まずは、愛犬の適正体重をかかりつけの動物病院で、確認してもらいましょう。愛犬の適正体重が確認できたら、太らせないためにも、自宅で定期的に体重測定を行うことをおすすめします。自宅で体重を量る方法は、愛犬を抱っこして量った体重から、飼い主の体重を引くだけです。おとなしくてあまり動かない犬であれば、体重計の上で「マテ(マッテ)」をさせて体重を量ってもOKです。

体重以外でのタックスフンドの肥満の確認方法

前述したように体格や骨格は個体でバラつきがあるため、よほど大きく平均体重から外れていなければ、体重だけで肥満度の評価はできません。そこで肥満度の評価をする指標として役立つのが「BCS(ボディ・コンディション・スコア)」です。BCSは、動物の肋骨や腰などの皮下脂肪の量を触ったり、見たりすることで、肥満度を評価する方法です。その脂肪の量から以下の5段階に分けられます。

BCS

理想のスコアは「BCS3」ですが、動物病院でみかける犬猫たちは、大抵やや高めのBCS 3~4です。そして、多くの飼い主は、体重過剰という意識がありません。その大きな理由として、犬猫の肥満は、なかなか顔に現れないということがあげられます。うらやましい話ですが、だいぶ肥満が進行しても、顔は昔と変わらずスッとしたかわいいお顔という犬猫が多いのです。顔ではなく、肋骨や腰骨あたりを触って評価することが大切です。

もちろん神経質になるまで気にする必要はありませんし、多少の体重過剰であれば健康に与える影響もほとんどありません。ただ、「BCS5」へと進行しないように、いま愛犬がどのくらいのBCSレベルなのか、理想体重はどれくらいなのかは意識しておいたほうがよいでしょう。(※近年、9段階のBCSによる評価方法も導入されてきています。)

ダックスフンドが肥満になってしまったときに起こり得る健康被害

車いすのダックスフンド

適正体重を超過して肥満になってしまうと、さまざまな病気やケガを引き起こす恐れがあります。ダックスフンドの肥満で特に気を付けたいのが、以下の病気です。

椎間板ヘルニア

ダックスフンドに多く見られ、肥満リスクの筆頭にもあがるのが、椎間板ヘルニアです。椎間板ヘルニアとは、脊椎と脊椎の間にあるクッションである椎間板物質が、脊髄側にはみ出し、脊髄を圧迫することで神経症状を引き起こす病気です。体を丸めて震えている、段差でとどまっている、後ろ足を引きずっているなどの症状が出ている場合は、まずこの病気を疑った方がよいでしょう。
椎間板ヘルニアは、遺伝的な原因によるものもありますが、肥満によって背骨や関節に大きな負担をかけることが、発症のリスクを高めてしまうことも。また、椎間板ヘルニアの悪化を防ぐためにも、肥満は避けたほうがよいでしょう。

心臓病

肥満による心拍数量の増加などに伴い、心臓への負担が大きくなります。高齢だったり、元々心臓が弱かったりする犬だと、重症化して心臓病を患う危険性があります。心臓を悪くしてしまった場合、ダイエットのための運動にも気を遣う必要があります。

糖尿病

肥満によって、糖尿病を発症する場合もあります。糖尿病はインスリン注射や食事の制限・見直しなど、愛犬・飼い主双方に負担がかかってしまうかかる病気です。また、一度発症してしまうと、治療に長く向き合わなければいけないので注意が必要です。

そのほかにも、肥満によって皮膚の抵抗力が落ちることで、外耳炎や皮膚病にかかるおそれもあります。愛犬を苦しませないためにも、肥満は避けたいですね。

肥満になってしまった場合の対処法とは?

ドッグフードとダックスフンド

愛犬が肥満になったときにダイエットの方法を知っておくことで、病気の予防に繋がります。肥満の原因は摂取カロリーの増加と消費カロリーの減少にあります。それぞれの観点から対処法とコツを考えてみましょう。

1.低カロリーで満腹感を得る

ダックスフンドは、どちらかといえば食欲旺盛な犬種です。そのため、飼い主が多めにご飯をあげれば、彼らはそれを喜んで完食します。食欲旺盛な犬種のため、単純にご飯の量を減らすと、満腹感を得られず、納得しない場合が多いでしょう。そこで、いかに低カロリーで満腹感を得るかがポイントになります。

減量用フード


満腹感を得つつ、低カロリーであるフードは多く開発されています。いわゆる減量用フードです。食欲旺盛な犬の場合、この減量用のフードでも好き嫌いせずに食べてくれるでしょう。与える際は、パッケージに書いてある体重の目安量より、やや少なめの量にしてください。フードによっては、痩せすぎることを防ぐために、現在の体重ではなく、ダイエットに成功した理想体重を目安に1日の必要量を記載しているためです。理想体重は、1才の頃の体重をひとつの目安とします。
理想体重をめざし、少しずつフードを減らしていきましょう。理想体重までダイエットを達成したら、最後に与えていたフード量の+10%の量を与えてみてください。リバウンドせず体重を維持するコツです。その後は体重の変化に気をつけながら、フードの量を調節しましょう。

野菜


減量用フードを使っても満腹感が足らない場合は、野菜を少量使ってみましょう。栄養学的にみると、犬にとって野菜は日常的に必須な食物ではありません。しかし、健康によい面が多く、食物繊維が豊富で、低カロリー、さらに嗜好性も高いという強力なダイエットフードにもなります。キャベツ、キュウリ、ブロッコリー、リンゴなどがオススメです。
ただし、タマネギ、ネギ、ニラ、アボカドなどの犬にとって危険な野菜は与えないように注意してください。タマネギの煮汁を舐めただけでタマネギ中毒になったという報告もあります。

2.体重を意識する

犬のダイエットは危険意識をもつかどうかで結果は大きく左右されます。そんなときに試してみたい方法は、こまめに体重を計ることです。努力の結果をこまめに評価することで、早めに方法を修正し、無駄な努力を防ぎます。毎日~数日に一回の体重測定をしてみましょう。
また、面倒かもしれませんが、体重の変化を折れ線グラフにしてみるのも大切です。最近ではスマートフォンのアプリでも簡単にグラフを作ることができます。体重の変化を評価し、適切なダイエット方法を組んでみてください。

3.運動量を増やす

消費カロリーを増やすには、運動量を増やすぐらいしか方法がありません。しかし、減量に活かすレベルまで消費カロリーを増やすのは難しく、摂取カロリーを減らす方法に比べると非効率です。また、過度の運動は、肥満体型の犬でなくても脊椎や関節に負担をかけることがあるので注意してください。
しかし、運動をすることによって、運動欲を満たし、過剰な食欲を抑える効果を期待できます。積極的に散歩をしたり、室内でも運動をさせたりして、運動量を増やしましょう。嗅覚にすぐれていて体高が低いダックスフンドなら、以下のような運動や遊びがおすすめです。

  • ドッグランで追いかけっこやかくれんぼ
  • おやつの入ったおもちゃを探す宝探しゲーム
  • 段ボールの中をくぐるトンネル遊び
  • 健康チェックもできるバーンでゴロン遊び

ここで注意をしてほしいのが、肥満になってしまった犬の急な運動の危険性についてです。肥満気味の犬は、運動時の関節や骨にかかる負担がとても大きくなります。特に久しぶりの運動であった場合、怪我をするおそれもあります。少しずつ慣らすように運動量を増やしていきましょう。
また、滑りやすいフローリングで怪我をするケースを多くみかけます。滑りにくいマットを敷いたり、足裏にバリカンをかけ、毛で滑らないようにしたりと対策を立てましょう。

やせすぎたときの対処法とは?

肥満に比べると、ほとんどみかけませんが、たまにやせ過ぎてしまった犬をみかけます。それがダイエットのやりすぎであった場合は、徐々に摂取カロリーを増やしていきます。また、肉や野菜などの手作りフードのみで管理している犬の場合は、栄養バランスがうまくとれていないことが多いので、総合栄養食のフードへ切り替えましょう。
摂取しているカロリー量が充分であるのにもかかわらず、体重が減少し続けている場合は、糖尿病や腫瘍などの疾患が隠れていることがあります。動物病院で検査してください。

理想体重を維持するために日々できる健康管理方法

スムースヘア

前章では肥満になってしまった場合の対処法を挙げましたが、そもそも肥満にさせないことこそが大切です。適正体重を維持するために日々できる、健康管理方法をご紹介します。

月齢別の適正食事量

やはり太らせないためには、食事量のコントロールは重要です。愛犬を迎えたばかりのころは、前にいた場所(ペットショップやブリーダーなど)と同じ量やペースで与えるのが良いですが、慣れてきたら年齢や体調に合わせて与える量を調整しましょう。
生後4カ月ごろまでは1日3~4回、生後6カ月ごろまでは1日3回が適正食事回数です。生後7カ月以降は成犬とほぼ変わらない体格になっていますので、成犬と同じように1日2回に分けて食事を与えましょう。体調不良や高齢などが原因で消化量にムラがある場合は、ドックフードをふやかしたり量や回数を調整したりしてあげてください。

ダックスフンドの散歩量の目安

活発でアクティブなダックスフンドは、毎日の散歩が欠かせません。1日の散歩量は1回30分、1日2回が目安となります。毎日散歩ルートを変えてみたり、ダッシュ→スローで歩く速度を変えてみたりとメリハリをつけてあげると、遊び気分も味わえて愛犬の満足度もアップしますよ。

肥満は万病のもと

ダックスフンドに限らず、「肥満は万病のもと」です。肥満と診断された犬は、そうでない犬と比べて、約2年寿命が短かったというデータがあります。また、ある飼い主アンケートによると、約3人に1人が犬の肥満を気にしているが、ダイエットを実践できていません。これはかなり高い確率です。

そんなときは動物病院で相談してみてください。あまり知られていないかもしれませんが、多くの動物病院では、その犬に合ったダイエットプランを作ってくれます。肥満の悩み相談なんてと少し億劫になってしまうかもしれませんが、健康に長生きするため、些細なことでも動物病院に相談できるよう、心がけましょう。

可愛らしいフォルムのダックスフンドですが、可愛いからと食事やおやつを与えすぎるのは愛犬のためになりません。肥満にさせてしまって愛犬が苦しい思いをしないためにも、日ごろから体重管理をしっかり行うようにしましょう。

参考/「いぬのきもち」特別編集『ダックスの飼い主さん10万人の体験から作った!ダックスとの暮らしがもっと楽しくなる本』(監修:しつけスクール Can!Do!代表 西川文二先生、フジタ動物病院院長 藤田桂一先生)
「いぬのきもち」WEBMAGAZINE『ダックスフンドってどんな犬?【カラーなどの種類・性格・特徴】』
監修/滝田雄磨(SHIBUYAフレンズ動物病院 院長)
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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