愛犬との暮らしのなかで出てくる犬用語。その用語の意味を正しく理解しておくと、犬育ての手助けになってくれるんです。今回は、愛犬が1才になるまでに覚えておきたい犬用語を、しつけインストラクターの戸田美由紀先生と、獣医師の石田陽子先生に教えていただきました。
アイコンタクト:愛犬を飼い主さんに 「注目」させること
犬の名前を呼んだときに飼い主さんと犬が見つめ合うこと。ただ見つめ合うのではなく、犬が飼い主さんに「注目し聞く耳をもつようにする」ことが重要。これができると、オスワリなどの指示が通りやすくなったり、散歩中ほかの犬に吠えずにすれ違えるなどたくさんのメリットが!
【同意語】ミテ、注目
あま噛み:「噛みつきたい」という子犬の本能
1才未満の犬がじゃれたり遊んだりして物や人の手などを噛むことをあま噛みといいます。犬の本能なので無理にやめさせることはできません。カミカミおもちゃなど、噛んでいいものを積極的に与え、噛みたい欲求を満たしてあげて。人の手などをおもちゃにして遊ぶと「人を噛む習慣」がつくのでやめましょう。
カーミングシグナル:ほかの犬や自分を落ち着かせるためのサイン
犬がほかの犬や人に対して「敵意はないですよ」「落ち着いてね」などと伝えるときに見せるしぐさや行動のこと。同時に自身の不安をやわらげる効果があります。鼻先をなめる、体をブルブルと振る、床のニオイをかぐ、あくびをする、体をかくなどその数はおよそ30種あります。
【類似語】ストレスサイン
社会化:人間社会のあらゆる刺激に慣れさせること
犬がストレスなく人間社会で暮らしていくためには、チャイム音、車、バイク、知らない犬、知らない人など多くの刺激に慣れさせる必要があります。こういったあらゆる刺激に犬を慣れさせることをいいます。
【類似語】社会化期…好奇心旺盛で慣れさせるのにもっとも適した時期。生後2〜5カ月までを指す。
分離不安:飼い主さんがいないと強い不安を感じる心の病気
飼い主さんの姿が見えなくなると強い不安を感じ、吠え続けたり、物を破壊したり、トイレのしつけができているにもかかわらずそそうをするなどの問題行動が出る、犬の心の病気。飼い主さんがトイレに入るだけで激しく吠えたり、留守番中に前述の行動が見られたら、分離不安の疑いが。獣医師や専門家に相談を。
ご紹介した犬用語の意味、正しく理解できていましたか? 愛犬との暮らしがもっと楽しく、幸せになるように、ぜひ覚えておきたいですね。
お話を伺った先生/日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター、DOG IN TOTAL主宰 戸田美由紀先生、獣医師、「石田ようこ 犬と猫の歯科クリニック」院長 石田陽子先生
参考/はじめて版「いぬのきもち」2019年8月号『新米飼い主さんのための犬用語24』
写真/佐藤正之、殿村忠博、尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室