愛犬が体調を崩したとき、すぐに動物病院を受診した方がいいのか、あるいは少し様子を見ても大丈夫なのか、なかなか判断ができませんよね。そこで今回は、「倒れる」「うずくまる」といった行動のなかでとくに危険だと思われる症状を、獣医師の重本仁先生に伺いました。
倒れ込んで、触ったりなでたりしても反応しない
心臓弁膜症などが悪化して失神しているほか、脳炎などの脳疾患やその他臓器の疾患が悪化して意識が薄れているのかもしれません。暑い時期だと、熱中症のおそれもあります。
触れたりなでたりしているにもかかわらず反応が鈍いなら、至急動物病院で診察を受けましょう。
けいれんが5分以上続く
急に倒れて、足や体をビクッビクッと引きつらせる場合は、てんかんや肝性脳症(かんせいのんしょう)などの脳疾患、あるいは中毒症状などによってけいれんが起きていると考えられます。
5分以上けいれんの状態が続くと、脳にダメージが蓄積されてしまうため、愛犬の様子を観察してけいれんがおさまらないようなら、速やかに動物病院に行きましょう。
背中を丸めてうずくまり、呼んだり撫でたりしても動かない
犬がうずくまってじっとしているときは、膵臓(すいぞう)や腎臓などの臓器が炎症を起こしてお腹がとても痛かったり、異物を誤食して詰まり、苦しんでいたりするおそれがあります。
この状態を「寝ているだけ」と思いこまず、すぐに動物病院に連絡して指示を仰いでください。
「倒れる・うずくまる」症状、緊急度の見極めポイントは?
愛犬が倒れたりうずくまったりすると、飼い主さんはかなり驚くと思います。ただ、呼んだりなでたりしたらちゃんと応じ、脈拍も問題なく感じることができて、なおかつ呼吸も安定しているのなら、おそらく急を要する状態ではないでしょう。しかし逆に、意識が遠のいている・鼓動が弱い・呼吸がおかしいと感じたら、それは危険なサインです。至急、受診しましょう。
愛犬のピンチに気付けるのは、飼い主さんだけです。愛犬が倒れたりうずくまったりしたときは、しっかりと愛犬に寄り添って様子を確認し、動物病院の指示をあおいでください。
お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「いぬのきもち」2022年7月号『愛犬のピンチに待ったなし! 今すぐ受診すべき救急症状』
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。