ニオイかぎや、周辺に異常がないかのパトロール、ほかの犬や人とのコミュニケーションなどなど、犬にとっての散歩とはただ歩くことだけが目的ではありません。犬本来の行動や反応が出やすい、散歩中の“フシギ行動”について、獣医師の増田宏司先生に伺いました。
植え込みの葉っぱなどにがぶっと噛みつく!
愛犬が突然葉っぱなどに噛みつくと、びっくりしてしまう飼い主さんもいるでしょう。これは、気になるものがあると口の中に入れて調べようとする、犬の習性からくる行動です。葉っぱの動きなどが気になって、口にしてしまうのでしょう。
食べてしまう犬なら、リードを短めに持って予防してください。
電車が通るとくるくると回って吠え、通り過ぎると静かになる
大きく音を立てながら近づいてくる得体の知れない電車は、犬にとっては脅威です。そのため、近づいてくるときは警戒心から吠えや興奮が激しくなります。人でいえば、「また来た! 何者だ!」という気持ちでしょう。
電車が去ると「追い返してやったぞ!」と思って静かになります。
地面のニオイをかいだと思ったら突然びっくりする!
地面についたほかの犬のニオイが、思いのほか自分より強そうな犬だったり、苦手な犬だったりして驚いているのでしょう。嗅覚が鋭く、ニオイからさまざまな情報を感じ取ることができる、犬ならではの行動といえますね。
草むらや土の上など汚れそうな場所で背中をスリスリ
犬は多くのニオイに包まれるのが好きです。草むらや土の上などはさまざまなニオイが混じっているので飼い主さんからしたら「そんな汚い場所で!?」と思うかもしれませんが、愛犬はそれらのニオイを体にまとわせようと、必死にスリスリします。
犬本来の行動が出やすい散歩。安全には十分注意したうえで、できるかぎり愛犬の本能を満たし、楽しい散歩の時間にしてあげたいですね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2022年4月号『散歩のときどんなことを考えているの? 愛犬のフシギ行動をアテレコしてみた!』
文/小林けい
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※特集の構成上、犬を擬人化した表現をしています。