愛犬にバナナをあげていいの?便秘にも効くの?今回は、そんな飼い主さんの素朴な疑問にペット栄養管理士がお答えします!また、バナナの栄養素が犬にとってどのような健康効果をもたらすかなどについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
犬にバナナを食べさせても大丈夫?
甘くておいしいバナナ、食べているとその甘い匂いにつられて、愛犬におねだりされるという飼い主さんもいるでしょう。そんなときにふと「犬にバナナをあげても大丈夫なの?」と疑問に思うことはありませんか?
まず結論からお答えすると、バナナは犬に与えても問題のない果物です。むしろ、バナナには犬の体にとって良い働きをする栄養素がたくさん入っているので、犬におすすめの果物の一つと言えるでしょう。
それでは、バナナにはどのような栄養素が含まれているのか具体的に見ていきましょう!
バナナに含まれる犬に有益な栄養素
たんぱく質 | 犬の必栄養素の一つで、犬の筋肉や骨、内臓など犬の体そのものになる栄養素と言ってもいいほど重要な存在。成長期の犬には特に必要となります。 |
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カリウム | カリウムは体内に増えすぎたナトリウムの排泄を促す働きや、神経刺激を伝達したり心臓や筋肉の働きを調節したりする役割を担う、重要なミネラルの一つです。 |
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マグネシウム | マグネシウムは体内で補酵素として働くミネラルで、特にエネルギー代謝のときに重要な役割を果たします。また、神経伝達や筋肉収縮などに必須の成分で、心臓の健康維持に欠かせません。 |
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ビタミンB1 | 神経系の機能を正常に保つために欠かすことのできない栄養素で、不足すると疲れが取れにくくなったり、皮膚が荒れたり、毛ツヤが悪くなったりすることがあるので注意しましょう。 |
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ビタミンB2 | 犬の活動のエネルギー源である脂質は、ビタミンB2がないとエネルギーに変換されません。 |
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ビタミンB6 | ビタミンB6は水溶性のため不足しがち。不足すると疲れやすくなり、肌荒れや毛ツヤが悪くなる等の症状が現れることも。 |
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ナイアシン | ナイアシンは体内でセラミドの合成を促し、皮膚を乾燥から守る働きをするため、不足すると皮膚が荒れることがあります。 |
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葉酸 | 葉酸は神経組織の発達に関与し、貧血の予防にも効果的です。犬の場合、腸内細菌によって多少の葉酸が生成されますが、必ずしも必要量を満たすわけではないため、食事からの補給が必要です。 |
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食物繊維 | お腹の調子を整える効果が期待できます。 |
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ポリフェノール | ポリフェノールには抗酸化作用があるため、シニア犬に特におすすめの成分。また、歯周病の原因となる細菌の、成長抑制効果も期待できます。 |
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1回であげる量は、おやつの範囲を超えないよう注意して!
このように豊富な栄養素を含むバナナですが、与える際の注意点もあります。
普段、犬にドッグフードを与える際は、ドッグフードのパッケージに記載された目安量を参考にするのが基本と言われています。それは、犬が必要とする食事の量や栄養素が、性別や年齢、生活状態などライフステージによって異なるためです。
子犬の場合は成長期なので、たくさんの栄養素が必要になります。一方で、シニア犬の場合は代謝や運動量が落ちるため、肥満にならないように食事の量や栄養バランスには注意しなければなりません。
この時に役立つのが、「安静時エネルギー要求量(RER)」と「1日当たりエネルギー要求量(DER)」という2つの指標です。犬に必要な1日のエネルギー量を計算する方法はいくつかありますが、その中でもこの2つの数値は、さまざまなライフステージに対応できるため、優れた方法と考えられています。
RERとは、健康な動物が常温の環境で安静にしているときのエネルギー要求量のことです。人間でいうと「基礎代謝」にあたるもので、以下のような方法でRERを算出します。
動物の1日あたりの平均エネルギー消費量を知るために必要なのが、DERです。上記の方法で算出したRERに、ライフステージや活動によって異なった係数をかけて算出します。
以下の表はそれをまとめたものです。愛犬の体重とライフステージに重なる箇所に記載されている数字が、1日の平均エネルギー消費量、つまり犬の1日にの摂取カロリーの目安になります。
(例)4キロの避妊・去勢済みの成犬の場合、317カロリーが目安
バナナを与えるときは主食のドッグフードのカロリーを調整!
バナナを与えようと思ったら、まずは一度上記の方法で、愛犬の1日の必要カロリーを調べてみるのがおすすめです。なお、中くらいの大きさ(可食部分約84g~100g )のバナナ1の本あたりのカロリーは、約80~90カロリー。つまり、いつもの食事の量にバナナ1本を与えてしまうと、明らかなカロリーオーバーとなり、肥満の原因になってしまうので要注意です!
バナナを与えるときの目安は、1回あたり、1本の1/4(20g)程度をおやつとして与えるようにし、主食となるドッグフードの量を少し減らすなどして、カロリーを調整するようにしてくださいね。
バナナケーキ、バナナチップ、皮はあげていいの?
これまで述べてきたとおり、バナナは犬が食べられる食材ですが、バナナチップスやバナナケーキのような砂糖や油を大量に使ったバナナの加工品は与えてはいけません。バナナを与える際は、生のバナナのみを与えるようにしましょう。
バナナの皮を食べてしまっても落ち着いて対処して!
まれに犬が誤ってバナナの皮を食べてしまうこともありますが、バナナの皮は食べてしまっても、大きな問題はないと言われています。皮に付着した農薬が気になる飼い主さんも多いかもしれませんが、農薬による影響はバナナのみならず、すべての食べ物で出てくることです。
また、一般的にバナナの残留農薬量は非常に少なく、皮を食べてしまっても体に悪影響が出ることは考えにくいと言っていいでしょう。ただし丸のみしてしまった場合は、うまく消化できず腸閉塞を起こす可能性もあります。食べた皮の量やその後の様子をチェックして、もし嘔吐や下痢などの症状があれば動物病院を受診するようにしてくださいね!
バナナを食べてこんな症状が出たら中止しましょう!
バナナはアレルギーが起こりにくい果物ですが、たんぱく質が含まれている以上、それに対するアレルギー反応が絶対に起こらないとは言い切れません。下痢や嘔吐、蕁麻疹のようなアレルギーの症状が認められたら、すぐに与えるのを中止して獣医師に診察してもらうようにしましょう。
バナナを使ったおすすめ犬おやつレシピ
ここで、バナナを使った犬用の簡単おやつレシピをご紹介します!
バナナヨーグルト
【材料】
・プレーンヨーグルト(無糖)小さじ2
・バナナ 20g
【作り方】
① バナナを小さくカットします。
② カットしたバナナの上にプレーンヨーグルトをかけて完成!
人が食べても抜群の食べ合わせのバナナ&ヨーグルト!作り方はいたって簡単です。バナナだけでは食べないけど、ヨーグルトと一緒なら食べるなんて犬もいるそうですよ。ぜひ試してみてくださいね!
ただし、ヨーグルトは乳製品アレルギーなどが出やすい食材です。事前に愛犬ヨーグルトを少量食べさせて、アレルギー反応が出るかどうか確認してから与えるようにしてください。
50%の飼い主さんが愛犬はバナナが好きと回答!
犬とバナナの関係をさらに深掘りするべく、全国の愛犬家さんに、バナナについてアンケート(※)を取ってみたところ、以下のような回答になりました。
※「まいにちのいぬのきもち」アプリユーザーアンケート(回答者893名)
バナナを食べさせていいか、食べさせてダメか知っている?
<回答>
・食べさせていい85%
・食べさせてダメ9%
・分からない6%
一般的な飼い主さんの間でも、バナナが犬に与えてもいい食べ物だという認知度は、85%と高いことがわかりました。つづいて「バナナをあげたことがある?」という質問に対しては、53%の飼い主さんが「あげたことがある」と回答。半数以上の飼い主さんがバナナを与えた経験があることがわかったところで、今度はその時の愛犬の反応はどうだったのか、聞いてみました!
愛犬はバナナが好き?
<回答>
・好きでよく食べる50%
・好きかはわからないが食べる25%
・好きではないが食べる6%
・好きではないので食べない17%
【好き派の回答】
・りんごバナナはむき始めるだけで飛んで来ます。
・オペ前の絶食中に、バナナの皮を盗み食いしてオペ中止になった。
・愛犬に見つからないようコッソリとバナナを食べようとすると、匂いを嗅ぎ付けて必ず側に来て座ってもらえるのを待っている。
・バナナは皮をむいた時点でちょうだいアピールします。
・バナナを見ると好きすぎて震えます。
【好きではない派の回答】
・バナナはあまり食べたがらない食感がキライぽい
・バナナは絶対食べようとしない。
・バナナが大嫌いで、匂いを嗅ぐだけで逃げてゆきます。
・バナナは嫌いで、プイッとします。
・バナナを見せると逃げて行く!
半数の犬はバナナが好物のようですが、やはり犬にも好き嫌いがあることが明らかになりましたね。繰り返しになりますが、愛犬がバナナを好きではないなら、無理に与える必要はありません。「総合栄養食」のドッグフードを正しく与えてさえいれば、栄養バランスには大きな問題はありませんよ。
美味しいバナナで愛犬と楽しく健康に
バナナは栄養価も高く、犬の健康維持に有効な果物であることがわかりました。おやつやご褒美としてバナナを与えると、犬との絆もより深まるかもしれませんよ。カロリー調整やアレルギー対策をしたうえで、今回ご紹介したバナナのレシピなどを参考にぜひ取り入れてみてくださいね♪
バナナの他にもこんなにある!犬が食べられる果物
バナナ以外にも、犬の健康に役立つ果物はたくさんあります。バナナ同様、1回に与える量には注意してあげてくださいね。愛犬の喜ぶ顔も見られて、飼い主さんも犬も幸せ気分になれるかもしれませんよ◎
※犬の大きさにより、それぞれの果物に適切な量があります。いくらでも与えてよいということではありません。
犬が食べられる果物
- りんご
- いちご
- 柿
- 梨
- メロン
- アセロラ
- クランベリー
- アサイー
- カシス
- ブラックベリー
犬が食べると危険!犬の体に害になる果物
健康にいい果物がある反面、食べると犬にとって害になる可能性のある果物も数多くあります。人にとってはおいしい果物でも、犬にとっては命を脅かすほどの危険な果物の可能性も。与える前には、犬が食べられるのか確認してからにしましょう。
このほかにも、食べられないわけではありませんが、マンゴーはアレルギーが出やすい果物なので、与える際は注意が必要です。また、オレンジも少量なら問題はありませんが、与えすぎは下痢の原因になることも。さらにオレンジの皮は中毒性物質を含むので、しっかりと皮をむくように気をつけましょう!
監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。