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じつは波乱万丈な歴史があった!? モフモフかわいい「ビション・フリーゼ」に隠されたヒミツ

犬種によって、そのルーツや歴史、見た目や性格はさまざまです。今回はモフモフの被毛がチャーミングな「ビション・フリーゼ」をフィーチャーして、動物ジャーナリストの藤原尚太郎先生にお話を伺いました。性格やチャームポイントなど、その魅力をたっぷりと紹介します。
じつは波乱万丈な歴史があった!?
じつは波乱万丈な歴史があった!?

ヨーロッパで波瀾万丈な歴史を歩む

ビション・フリーゼは愛くるしい外見に加えて、社交的でいつも明るい性格が魅力の犬種です。ルネサンス期にはヨーロッパの歴代の王や貴族の間で寵愛を受け、一時は隆盛を極めていました。

しかし、フランス革命が起こると貴族の没落とともに人気も急落。その後は、大道芸人とともにパフォーマンスをしたり、サーカス犬として働いたりしていたようです。一時は絶滅の危機に瀕していましたが、20世紀初頭にフランス、ベルギーのブリーダーにより再構築されました。

犬種の特徴としては賢く、トレーニングがしやすい犬といえます。被毛のケアなどは大変な面もありますが、いっしょに暮らすうえでのしつけは教えやすい犬種です。

【DATA】
●原産国 : フランス/ベルギー 
●性格 : 感受性豊か、社交的
●体高 : 25~29㎝
●運動量 : 少なめ(朝夕各20分の散歩)

カールした被毛の水猟犬が犬種のベースになっている

アフリカ大陸沖のカナリア諸島の水猟犬(フレンチ・ウォーター・ドッグ)が基礎になっている、と考えられています。諸説ありますが、イタリアに輸入されヨーロッパに広がる過程で、地中海の犬「マルチーズ」と交配して生まれました。
フレンチ・ウォーター・ドッグ
フレンチ・ウォーター・ドッグ
マルチーズ
マルチーズ

“ビション”の特徴

じつは筋肉質!
じつは筋肉質!
●カールした被毛
長毛のオーバーコートは、コシがあるゆるい螺旋状の巻き毛。アンダーコートはやわらかい毛が密集しています。

●毛色は白のみ
ビション・フリーゼの毛色は純白だけです。しかし、子犬のころはベージュが混じっていることがあります。

●つぶらなアーモンドアイ
真っ黒でつぶらな瞳は生き生きとしており表情豊か。わかりやすい感情表現をします。

●じつは筋肉質な体つき
綿毛のような被毛に隠れていますが、じつは骨太で引き締まった体をしています。歩様は軽快で機敏に動きます。

“ビション”の雑学

●「パウダーパフ」カットが絶滅の危機から救った!?

アフロのようなカットスタイル(パウダーパフ)は今でこそ一般的ですが、1950年代にアメリカへ渡ったあとに考案されたもので、もともとは犬種のスタンダードではありませんでした。“ビション”は2つの世界大戦を経て数が減っていましたが、この独特なヘアスタイルの人気が広まったことで、飼い主さんの数も増えて定着したのです。

飼い主さんに聞いた“ビション”のコト

写真提供/飼い主さん
写真提供/飼い主さん
●純白の被毛はすぐ汚れてしまうので散歩後は足を洗う
(静岡県の飼い主さん)

「〝ビション〞は毛がからみやすく、さらに汚れが目立ちやすいです。なので、毎日のブラッシングとウエットシートで体を拭くことは欠かせず、散歩帰りにもシャンプー液を溶かしたぬるま湯で足を洗っています。誰彼かまわずしっぽをフリフリして、いつも笑顔な愛犬も、このときばかりは真顔になります(笑)」
●ドッグランなどで走っている姿は軽快。意外と運動神経がいい!
(長野県 Uさん)

「愛犬たちのいつも楽しそうにしている明るい性格や、物覚えがよく空気を読んで行動している人間っぽいところが好きです。ほかにも2頭に共通していえる特徴はいくつかありますが、暮らし始めて意外だったのは小型犬のわりに運動神経がいいこと。軽快に走っている姿に、今でもビックリします」
写真提供/Uさん
写真提供/Uさん
いかがでしたか? 意外にも波瀾万丈だった“ビション”の歩み。絶滅の危機を乗り越え、現在も多くの人に愛される犬種になってよかったですね。
お話を伺った先生/動物ジャーナリスト 藤原尚太郎先生
参考/「いぬのきもち」2021年7月号『犬種のこともっと知りたい! ビション・フリーゼ』
撮影/尾﨑たまき、佐藤正之、藤原尚太郎
文/いぬのきもち編集室
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