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あなたはひとりじゃない。みんなのペットロス体験談

大切な”家族”として共に生きてきたかけがえのな存在であった愛犬がこの世を去ると、多くの人がペットロスになる傾向があります。愛犬を亡くし深い悲しみや絶望、後悔にさいなまれながらも再び前を向き、今を懸命に生きている。ペットロス体験談とそこからの再生について『いぬのきもち』読者のみなさんにお話をお聞きしました。

CASE1 当時を思い出すと今も涙があふれてくる(東京都/Iさん)

Iさんの愛犬チロくん(オス・享年15才/ミックス)。生後90日ほどしか生きられなかった先代のあとに譲り受けたのが、近所の家で生まれたチロくんでした
Iさんの愛犬チロくん(オス・享年15才/ミックス)。生後90日ほどしか生きられなかった先代のあとに譲り受けたのが、近所の家で生まれたチロくんでした
チロくんは肝臓と腎臓が悪く、亡くなる半年くらい前からは投薬の日々。飼い主であるIさんは、献身的にチロくんを支えていました。
「最期の日も、夕方に皮下注射をしていて、『今日はゆっくり寝られるね』って、居間でチロに語りかけていたんです。1mも離れていない場所でチロは眠っていたのですが、気づいたときには息を引き取っていました。こんなに近くにいたのに、抱きしめて送ってあげられなかったことが悔やまれました」
「いぬ友達も増えました。チロの死を報告しながら、涙が止まらなくなったことを覚えています」
「いぬ友達も増えました。チロの死を報告しながら、涙が止まらなくなったことを覚えています」
チロくんが亡くなったことを皆に知らせるためにドッグランへ行く道中、涙が止まらなかったというIさん。歩く道も目に入る景色も、すべてがチロくんとの思い出の場所でした。Iさんは、休日一歩も外へ出られなくなったといいます。
「その状況から抜け出すために、子犬を迎えることにしました。手のかかる子犬のお世話に、ペットロスは解消していきました。その子犬、ごんべえも12才になりました。限りある時間を有意義に過ごしていきたい。そしてお別れの日がくれば、必ずまたペットロスになるのでしょうね」

CASE2 ティンクと母、きっといっしょに遊んでいる(千葉県/M.W.さん)

M.W.さんの愛犬ティンクちゃん(メス・享年14才/ミニチュア・ダックスフンド)
M.W.さんの愛犬ティンクちゃん(メス・享年14才/ミニチュア・ダックスフンド)
M.W.さんは小学生のころ、どうしても犬を飼いたいと母を説得し、友人の家で生まれたティンクちゃんを迎えました。
「ティンクは14才のときに難病になり、動物病院で最期を迎えました。高校生のころには、私はバイトや交友関係を優先するようになっていました。ティンクが亡くなって初めて、そのことを強く後悔しました」
桜の花をバックに
桜の花をバックに
M.W.さんには今、3頭の愛犬がいます。ティンクちゃんのことがあったからこそ、今のコたちを育てられていると話します。
「いっしょに生活してくれている3頭には、毎日を悔いなく過ごしてもらいたい。お出かけしたりドッグランに行ったり、極力いっしょに行動する。ティンクを亡くした翌年、じつは母もこの世を去った。〝今こそが大事〞なのだと噛みしめ、日々過ごしています」

CASE3 いまだに立ち直れない激しい後悔を抱いた最期(神奈川県/Hさん)

Hさんの愛犬真深ちゃん(メス・享年13才/ヨークシャー・テリア)
Hさんの愛犬真深ちゃん(メス・享年13才/ヨークシャー・テリア)
「真深は子宮蓄膿症になり、動物病院に毎日のように通うも、病状はどんどん悪化していきました。最後は一日で舌が壊死、尿も出せなくなって……」
 
早川深文さんはセカンドオピニオンの門をたたきます。そこで言われたのは、安楽死。
「『これからもっとつらくなる』と言われ、受け入れました。迷いはなく、むしろもっと早く転院していたら、これほど苦しませずにすんだかもしれないと思いました。自分の無知さと決断の遅さに、愕然となりました」
 
強い自責の念から、Hさんは以来長い間、真深ちゃんの話をすることも、写真を見ることすらもできませんでした。そうして20年が過ぎたころ、ひょんなことから犬がやってきます。
「絶対にあんなつらい目にはあわせないという決意を胸に、今はそのコと暮らしています」
真深ちゃんの羊毛フェルトは宝物の一つ。「犬の一生は飼い主によって決まる」ということを、Hさんは真深ちゃんを通して学び、今はその経験をブログなどでも発信
真深ちゃんの羊毛フェルトは宝物の一つ。「犬の一生は飼い主によって決まる」ということを、Hさんは真深ちゃんを通して学び、今はその経験をブログなどでも発信
来てほしくはないけれど、別れはいずれ訪れてしまうものです。今回ご紹介した読者の皆さまの貴重な体験談が、少しでも参考になりますように。

参考/「いぬのきもち」2023年2月号『ペットロスを考える』
写真提供/読者の皆さま
文/川本央子
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