犬と暮らす
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あなたはひとりじゃない。みんなのペットロス体験談
CASE1 当時を思い出すと今も涙があふれてくる(東京都/Iさん)
「最期の日も、夕方に皮下注射をしていて、『今日はゆっくり寝られるね』って、居間でチロに語りかけていたんです。1mも離れていない場所でチロは眠っていたのですが、気づいたときには息を引き取っていました。こんなに近くにいたのに、抱きしめて送ってあげられなかったことが悔やまれました」
「その状況から抜け出すために、子犬を迎えることにしました。手のかかる子犬のお世話に、ペットロスは解消していきました。その子犬、ごんべえも12才になりました。限りある時間を有意義に過ごしていきたい。そしてお別れの日がくれば、必ずまたペットロスになるのでしょうね」
CASE2 ティンクと母、きっといっしょに遊んでいる(千葉県/M.W.さん)
「ティンクは14才のときに難病になり、動物病院で最期を迎えました。高校生のころには、私はバイトや交友関係を優先するようになっていました。ティンクが亡くなって初めて、そのことを強く後悔しました」
「いっしょに生活してくれている3頭には、毎日を悔いなく過ごしてもらいたい。お出かけしたりドッグランに行ったり、極力いっしょに行動する。ティンクを亡くした翌年、じつは母もこの世を去った。〝今こそが大事〞なのだと噛みしめ、日々過ごしています」
CASE3 いまだに立ち直れない激しい後悔を抱いた最期(神奈川県/Hさん)
早川深文さんはセカンドオピニオンの門をたたきます。そこで言われたのは、安楽死。
「『これからもっとつらくなる』と言われ、受け入れました。迷いはなく、むしろもっと早く転院していたら、これほど苦しませずにすんだかもしれないと思いました。自分の無知さと決断の遅さに、愕然となりました」
強い自責の念から、Hさんは以来長い間、真深ちゃんの話をすることも、写真を見ることすらもできませんでした。そうして20年が過ぎたころ、ひょんなことから犬がやってきます。
「絶対にあんなつらい目にはあわせないという決意を胸に、今はそのコと暮らしています」
参考/「いぬのきもち」2023年2月号『ペットロスを考える』
写真提供/読者の皆さま
文/川本央子
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