歯の健康は愛犬の健康長寿に欠かせません。歯みがきはもちろんのこと、すぐにできる「いい歯」のためにできることを「アニマルケアサロンFLORA」院長の中桐由貴先生に教えていただきました。今回は、基本の歯みがきと指サックの活用法をご紹介します。
歯ブラシで毎日歯みがきしよう!
歯周病の予防には毎日の歯みがきが欠かせません。愛犬が嫌がるのを理由に歯みがきをしなければ、人の約5倍も速く3~5日で歯垢が歯石になり、歯周病に一直線です。根気よく慣れさせていきましょう。
【歯ブラシの持ち方】鉛筆を持つように握るのが基本
基本は、親指、人さし指、中指の3本で鉛筆を持つように握ると◎。小刻みに動かしやすく、ほどよい力加減になりやすいです。
【歯ブラシの当て方】歯と歯ぐきの境目に45度で当てる
歯石がたまりやすいのは歯と歯ぐきの境目(歯肉縁)にある溝「歯周ポケット」。歯に対して歯ブラシを45度に傾けて、歯肉縁に当てるようにするといいでしょう。
【歯ブラシの動かし方】1本ずつ小刻みに軽く動かしてみがく
大きく動かすと歯の出っ張ったところしかみがけません。1本ずつ小刻みに振動させながら動かしていくと歯周ポケットはもちろん、細かな汚れが取れやすくなります。
1.みがきやすい犬歯→切歯(前歯)をみがく
比較的みがきやすい、長くて大きな上下各2本の犬歯からスタート。歯ブラシを持っていないほうの指で唇を持ち上げ、犬歯を左右上下と動かしてみがきましょう。上下各6本の切歯(前歯)は小さいので左右の横方向だけでもOKです。
2.歯ブラシを滑りこませて、上の臼歯(奥歯)をみがく
口角から臼歯 (奥歯)に歯ブラシを滑りこませてみがきます。歯ブラシを持っていないほうの指で口角を持ち上げるようにするとみがきやすくなります。とくに、いちばん大きな歯2本は左右の横方向に上下の縦方向も加えてみがきましょう。
3.口を少し開いて、下の臼歯(奥歯)をみがく
歯ブラシを持っていないほうの指を口角から口の中に入れ、口を少し開きながら下の臼歯(奥歯)をみがきます。いちばん大きな歯2本は上の臼歯と同様に、左右上下に動かしてみがきましょう。
指サックを活用しよう!
指サックは、歯に触れられることに慣れさせるために活用するのはもちろん、歯みがきの仕上げに効果的です。歯ブラシの〝相棒〞にしましょう。
【歯みがき前に!】負担を減らすために大きな汚れを取ろう
歯みがき前に、あらかじめ指サックで全部の歯を拭いて大きな汚れを取っておくと、歯ブラシが苦手な犬の負担が減ります。指の腹を使って歯の表面を横に滑らせるように汚れを拭き取りましょう。
【歯みがき後に!】仕上げとして歯の表面のぬめりを取ろう
歯みがきをしっかりしたつもりでも、歯の表面の「ぬめり=細菌を含む歯垢」が取りきれていないことが。仕上げとして指サックで歯を拭くとパーフェクトな仕上がりに。
いかがでしたか? 歯みがきが苦手なコは多いですが、愛犬の健康長寿のためにも根気よくトライしてくださいね。
お話を伺った先生/アニマルケアサロンFLORA院長 中桐由貴先生
参考/「いぬのきもち」2023年7月号『いい歯のためにできること』
写真/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室