夏は犬の皮膚トラブルが増える要因が多くなります。だからこそ、丁寧なスキンケアで皮膚を守ることが大切です。今回は獣医師の後藤慎史先生に、皮膚トラブルを防ぐためにできるシャンプー・ドライについて、教えていただきました。
全身を濡らさずに、こまめに足先だけの部分洗い
足先は指の間がムレやすく、汚れが溜まりやすいため皮膚トラブルが出やすい部位。しかし、毎回全身洗いをするのはやりすぎとなり、飼い主さんも大変です。
夏の散歩が終わった後は、たらいや手軽に洗えるジッパーつきの保存袋を使用しての部分洗いがおすすめ。
足先はたらい洗いでOK
たらいに足先がつかるくらいの水を張り、愛犬の足先を入れたら指の間を開きながら水をかけて洗いましょう。最後はしっかりとタオルドライをしてからドライヤーで乾かすことを忘れずに。
袋をつかうことで手軽に
袋の半分くらいまで水を入れ、愛犬の足先を入れてもみながら洗いましょう。指の間にも水が通るようにすると、汚れが落ちやすくなりますよ。こちらの場合もしっかりとドライをしてくださいね。
自然乾燥ではなく、冷風仕上げで!
シャンプー後のドライはドライヤーで根元まで乾かし、最後は冷風を当てます。ドライヤーの熱で温まった被毛の間の空気層を冷風で冷ましてあげることで、皮膚がムレにくくなりますよ。とくに、わきや内股はムレやすいので重点的に行ってください。
ドライのときは、ドライヤーを30cm以上離し、温風と冷風を交互に当てて熱くなり過ぎないように注意しましょう。
仕上げの冷風を当てるときは、手で被毛をかき分けながら行うと熱が逃げやすいです。
シャンプーはモコモコ泡で
シャンプー剤は泡立ちにくく、そのままでは皮膚の汚れも取れにくくなります。犬の皮膚上でごしごしと泡立てるのもNG。シャンプーをする際は、泡立てネットを使用してたっぷりの泡を作り、被毛にのせてやさしく洗うと皮膚の汚れが浮き上がるため、スッキリと汚れを落とすことができます。
なお、シャンプーをするときは爪を立てずに指の腹で洗ってあげましょう。わきや内股、耳まわりや足先など汚れやすい部位はていねいに洗ってください。
スペシャルケアもおすすめ
対応しているサロンや病院が限られるので、気になる方は事前に確認してみてくださいね。
ハーブパック
シャンプーで落としきれない汚れが取れて、気になるニオイやべたつきを改善してくれます。うるおいも与えてくれるので、インナードライが気になる犬にもおすすめです。
高濃度炭酸泉
細かい炭酸の泡を含んだ高濃度炭酸泉は、皮膚の血管を広げて血流をよくし、代謝を上げてくれます。夏のダメージを受けた肌におすすめのケアです。
夏場はこまめにていねいなケアを行い、愛犬を皮膚トラブルから守りましょう。
お話を伺った先生/後藤慎史先生(北川犬猫病院院長 ヒフカフェ動物病院獣医師)
参考/「いぬのきもち」2022年7月号『夏はスキンケアで皮膚トラブルから愛犬を守る!』
文/山村晴美
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。