加齢や病気で愛犬にサポートが必要になったとき、やり方がわからずに苦労したり、がんばりすぎて疲れてしまうことも……。いずれくる介護に備えて知っておきたい飼い主さんが楽にできるサポートのコツを獣医師の石田陽子先生に伺いました。
飼い主さんの適度な手助けで、愛犬がイキイキと生活できる!
犬の平均寿命が長くなり、見た目も若々しい犬が増えていますが、年をとると体力や認知機能の衰えが進み、左に挙げたようなさまざまな変化が体にあらわれます。こうした変化が起こったときに飼い主さんが適切なサポートをすることで、愛犬の心と体の負担を軽くすることができます。
愛犬のサポートは、飼い主さんががんばりすぎないことが大切
「愛犬に対する愛情が強いほど、飼い主さんががんばりすぎて、体調を崩したり、心に余裕がなくなることが多いです。しかし、飼い主さんが元気でないと犬も不安になって健康によくありません」と石田先生。サポートを長く続けていくには、飼い主さんが楽な方法を見つけることが大切です。
確認しよう! がんばりすぎないサポートのコツ
家族や獣医師と協力してチームでサポートする
ひとりですべてやろうとすると、心身ともに疲弊してしまいます。家族と交代してお世話をしたり、サポートの方法をかかりつけ医に相談したりして、みんなで愛犬を支えましょう。
たまには休んで自分の時間をつくる
大好きな愛犬のサポートでも、根を詰めすぎると心に余裕がなくなり、愛犬につらく当たってしまうことも。たまには飼い主さんだけで出かけるなどして、リフレッシュすることが大切。
なんでもやってあげすぎないようにする
愛犬にすぐに手を貸してあげたくなりますが、飼い主さんがやってしまうと手間がかかりすぎるうえ、愛犬が達成感を得られる機会がなくなります。見守ることもサポートです。
便利なサポートグッズはどんどん活用する
最近では、シニア犬向けの高機能なサポートグッズが多く発売されています。出てきた悩みに応じて、そういった便利なグッズを使うことで、愛犬も飼い主さんもお互いが楽に。
お金の面でもがんばりすぎない
介護専用の高価なベッドを買うなど、お金をかければいいサポートができるとは限りません。身近なものや手作りのグッズなどで工夫しても充分なサポートが可能です。
話を聞いてくれる〝犬友〞をつくる
サポートがつらくなったときに話を聞いて共感してくれる〝犬友〞がいるだけで、心が落ち着くことも。またサポートグッズの貸し借りや、楽なサポート法など情報交換もできます。
いざというときの介護にそなえて、がんばりすぎないサポートのコツをご紹介しました。愛犬にサポートが必要になったとき、ぜひ実践してみてくださいね。
お話を伺った先生/「石田ようこ 犬と猫の歯科クリニック」院長。獣医師 石田陽子先生
参考/「いぬのきもち」2020年4月号『愛犬のサポートの手引き』
写真/殿村忠博
文/いぬのきもち編集室