「防災用品を備えたいけど保管場所もないし期限切れなどのムダも多くて……」。そんな皆さんに提案したいのが、“災害のためだけに備えない防災”。防災士で「ペット防災せたがやネットワーク」代表の浜田あゆりさんも「備えない」防災をおすすめしています。犬と暮らす浜田さんが実践しているテクニックも公開してくれました!
〝ふだん使っている〞ものが災害時にも必要になると考えましょう
「いざというときの備えといっても、ペット専用の防災グッズを買いそろえて保管場所を確保するのはなかなか大変。そこでおすすめしたいのは〝日々の生活で使うものを災害時にも活用できるようにする〞という方法です。また、災害時は自宅以外で避難生活を送ったり、物流が途絶えて物が手に入らなくなることも考えられます。ふだんとは異なる場所でも眠れるようにする、フードの好き嫌いをなくすなど、非常時に〝初めて〞がないように慣れさせておくことも欠かせません」
実践している「備えない」防災のテクニックを公開しましょう
部屋のクレートは いざというときの避難シェルターに
「避難所に犬を持ち運ぶだけではなく、家の中で被災したときのシェルターにもなるクレートは頑丈さを優先。さらに、棚とクレートの間にトイレシーツなどを詰めて、揺れや衝撃で動いてしまわないように工夫しています」
犬も自分も飲める水を持ち歩く
「散歩時の水は、犬用の飲み水や〝マナー水〞としてだけではなく、人の水分補給になるものを携帯して。犬も水を飲みやすい、コップつきの水筒が重宝しています」
トイレシーツは〝 超吸収 タイプ を多めにストック
「トイレシーツを選ぶなら吸収性と防臭・抗菌効果にすぐれた大判タイプがおすすめ。少ない枚数で排泄物を吸収できるのはもちろん、便器にポリ袋をかぶせてトイレシーツを敷けば、水洗トイレが使えなくなったときの人用簡易トイレとして使うこともできます」
パニックになった犬の安全を確保するため首輪は常に装着する
「災害時、急な揺れや大きな音に驚いて逃げたり暴れたりする犬を捕まえたり、行動を制御するためには首輪がついているほうが簡単です。そのままリードをつけてすみやかに避難するためにも、自宅にいるときや眠るときでも首輪ははずしません。また、万が一出先ではぐれてしまったときでも、脱落の心配のないマイクロチップを装着していれば、身元を確実に特定することができます」
いかがでしたか? プロのテクニックをぜひ参考にしてくださいね!
お話しを伺った先生/防災士、愛玩動物飼養管理士。
「ペット防災せたがやネットワーク」代表 「Sweet Dog」主宰 浜田あゆりさん
参考/「いぬのきもち」2023年9月号『備えない防災のススメ』
イラスト/ naohiga
写真提供/ 浜田あゆりさん
文/いぬのきもち編集室