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お世話をしようとしたら愛犬に噛まれた! 意外な理由をプロが解説

愛犬が吠えたり、噛んだりするとき、「ダメ!」と叱ってもやまない場合は、逆に、吠えや噛みを強化することになりかねません。解決の第一歩は、吠えや噛みの理由を知ること。飼い主さんのカンちがいポイントを知って、困りごとを解決しましょう! 今回は「噛み」について、しつけトレーナーの荒井隆嘉先生に解説していただきました。
撮影/佐藤正之
撮影/佐藤正之

ブラッシングのとき噛む犬のアタマの中は……

飼い主さん「ブラッシングしようか?」
愛犬「そのキミョーなモノはなんですか?」
撮影/佐藤正之
撮影/佐藤正之
飼い主さん「イタイ! もう、何するの~!」
愛犬「噛んだらキミョーなモノがどいた!」

●カンちがいポイント!
噛むと、不安を感じるものが遠ざかるので、「噛むとよいことが起こる」と思ってしまいます。
撮影/佐藤正之
撮影/佐藤正之

嫌なことから早く逃れたい

愛犬が噛んだり、噛むようなしぐさをするのは、嫌なものから逃れたい気持ちが原因のことが多いです。一見、攻撃的に見えますが、そこから早く逃れようとする逃避的行動です。ブラッシングや爪切りなどを嫌がる犬に無理にしようとすると噛むのはその典型です。これを繰り返していると、噛むことが習慣化してしまいます。噛みグセがつかないうちに、ブラッシングや爪切りに徐々に慣らして。

おやつでよい思いをさせながらブラッシングに慣らす

ブラッシングのときに噛む犬は、慣れていない証拠。おやつを与えながらブラッシングをし、「ブラッシング=楽しいこと」と覚えさせます。最初はブラシを見せるだけでもOK。慣れてきたら、触りやすいところからブラッシングし、徐々にブラッシングできる箇所を増やしていくとよいでしょう。
おやつを与えながら、触りやすいところから、ブラッシングを
おやつを与えながら、触りやすいところから、ブラッシングを
おやつを与えることで、「ブラッシング=楽しいこと」と覚えていきます
おやつを与えることで、「ブラッシング=楽しいこと」と覚えていきます

トイレシーツを交換するとき噛む犬のアタマの中は……

撮影/佐藤正之
撮影/佐藤正之
飼い主さん「キレイなものと交換するよ」
愛犬「取り上げようとしていますね! そうはさせませんよ!」
撮影/佐藤正之
撮影/佐藤正之
飼い主さん「イタイ! どういうつもりなの?」
愛犬「取り上げようとするなら噛みますよ!」

●カンちがいポイント!
人は汚れたトイレシーツを交換しているだけですが、犬は宝物を取られると感じ、取り戻そうとします。

大切なコレクションを取り戻したい

おもちゃのボールなどをあたかも宝物のように部屋の隅に隠す、いわゆるコレクターの性質をもつ犬がいます。そのコレクションの対象はさまざま。たまたま床に落ちていた紙くずや洗濯物、そして今回の例のようなトイレシーツも対象になることが……。ただの日用品も、その犬にとっては大切な宝物。それを取り上げようというのですから、犬も必死に抵抗して噛んでしまうのです。

犬に気づかれないよう処理し、トイレシーツの取り合いを避ける

トイレシーツを犬が勝手にコレクションの対象にすることを止めることはできません。無理に交換しようとすると、犬の執着心をより強めることに。こういうときは、トイレシーツの取り合いが起こらないよう、別室やハウスなどに犬を入れて、犬に気づかれないようにトイレシーツの交換を。
ハウスに入れ、犬に気づかれないようトイレシーツを交換します
ハウスに入れ、犬に気づかれないようトイレシーツを交換します
いかがでしたか? 正しいと思っていた飼い主さんの行動に、じつはカン違いポイントがあるのかも。ふだんの接し方を見直してみてくださいね。
お話を伺った先生/犬のしつけ教室DOGLY代表 荒井隆嘉先生
参考/「いぬのきもち」2023年11月号「犬のアタマの中をのぞいたら吠え・噛みの理由がわかった」
写真/佐藤正之
文/いぬのきもち編集室
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