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年末年始に要注意!家の中で気を付けたい「犬に毒なもの一覧」

犬目線で日常の暮らしを見渡すと、犬の体に害を及ぼす「毒」が案外身近なものだと気づきます。愛犬を守るためにも、犬にとって何が毒になるのかを知っておきたいですね。今回は「パーティシーンにひそむ毒」について獣医師の佐向敏紀先生に聞きました。
イラスト/あらいのりこ
イラスト/あらいのりこ

【カイロ】発熱していると内臓を傷つける

使用前や使用中の使い捨てカイロを食べてしまうと危険です。成分によって中毒を起こすというよりは、熱によって食道や胃腸の粘膜を傷つけます。

【チョコレート】カカオの苦み成分テオブロミンが中毒の原因に

カカオの苦み成分テオブロミンが分解されにくく、体内に長くとどまることから、中毒症状を起こすと考えられます。症状は、嘔吐や下痢、興奮状態、充血、発熱などです。小型犬は50g程度(板チョコ約1枚)で重度の中毒を起こすとされます。高カカオチョコレートはよりリスクがあるでしょう。犬のチョコレート中毒は、冬場はとくに増える傾向があるので気を引き締めて!

<テオブロミンを含む食品の一例>
・ココア 
・緑茶 
・コーラナッツを使った飲料 など

【アルコール】少量でも急性アルコール中毒に

犬の体は、アルコールの成分を急速に吸収するため、少量でも酩酊状態に。アルコールを分解できないため、成分が体内に長く残り、呼吸器や心臓、肝臓、腎臓に影響を及ぼすおそれも。

【セイヨウヒイラギ】実や葉にサポニンという毒が

 クリスマスオーナメントなどで使われるセイヨウヒイラギは、赤い実や葉に毒性があります。サポニンという毒成分により、吐き気や嘔吐、下痢などの症状を起こすことも。
Olga Ovcharenko /gettyimages
Olga Ovcharenko /gettyimages
Olga Ovcharenko /gettyimages

【マカダミアナッツ】毒の成分は不明なものの消化器や神経の症状が

中毒を起こす量には個体差がありますが、体重1kgあたり約3.5g(1粒約2g)といわれています。嘔吐や下痢などの消化器症状、後ろ足の麻痺といった神経症状、発熱があらわれます。

【ボタン電池】体内で放電すると化学やけどを起こすことも

食道や胃腸に触れた電池が放電すると、化学反応が起こり、消化管の壁が溶かされてしまいます。最悪の場合、死に至ることもあるのです。クリスマスの雑貨やキャンドルなどにも使われているので注意。

【人用ビーフジャーキー等】犬が一気食いしがち。多量に食べると食塩中毒に

塩分をとりすぎたことにより、高血圧や多飲、心臓・腎臓障害などが出ることがあります。ビーフジャーキーだけでなく、人用の加工肉は塩分が多いので与えないで。犬が届く位置に置くのもNG。

【生の甘えびやいか】チアミナーゼという酵素によりビタミンB1欠乏症に

ビタミンB1を破壊するチアミナーゼという酵素が含まれます。そのため、ビタミンB1欠乏症となり、脳の働きに影響が出て、うまく動けなくなることも。加熱するとチアミナーゼの働きは失われますが、消化しにくいことや甲殻アレルギーの問題もあるため、与えるのは控えて。また、加熱していないワラビやゼンマイなどを食べると、含まれるチアミナーゼによって、ビタミンB1欠乏症を起こすおそれがあります。

<チアミナーゼを多く含む魚介の一例>
・貝類(はまぐり、しじみ) 
・淡水魚(こい、ふな、金魚) 
・甲殻類(えび、かに) など
Itsanan Sampuntarat/gettyimages
Itsanan Sampuntarat/gettyimages
Itsanan Sampuntarat/gettyimages

【コーヒー】カフェインの代謝能力が低く中毒に

犬は、カフェインの代謝能力が低く、コーヒーを飲むと強く反応が出てしまうようです。頻脈、興奮、呼吸が荒くなる、震え、下痢、嘔吐などの症状があらわれます。緑茶や紅茶、ココア、栄養ドリンクといった身近な飲み物にもカフェインが含まれています。緑茶のティーバッグを食べた犬が、カフェイン中毒で亡くなったケースも。

【シクラメン】株全体に毒成分のサポニンが

花や茎も含めたすべての部位に毒成分が含まれ、とくに球根の部分の毒性が強いとされています。嘔吐や下痢といった消化器症状を起こす可能性があります。

【芳香剤】化学物質によって体調不良を起こすおそれも

芳香剤は、一般的に香りのついた化学物質を含んでいます。化学物質に反応して体調不良を引き起こす化学物質過敏症が人で知られていますが、犬にも起こるおそれがあります。
中毒症状は早いと数十分で、遅いと数日後に出ることも
人用の薬の誤飲では数十分後に、チョコレートでは摂取後4〜15時間で症状が出るなど、口にしたものや量によっても中毒症状があらわれる時間に差があります。毒の成分によって症状も異なりますが、消化器症状(嘔吐や下痢)、神経症状(興奮やふらつき)、発熱、元気がないなどが多いと考えられます。

パーティ中は、愛犬から目を離しがち。中毒を起こしかねない事故に気をつけて、パーティを楽しんでくださいね。
お話を伺った先生/獣医師。日本獣医生命科学大学名誉教授。日本ペット栄養学会会長。佐向俊紀先生
参考/「いぬのきもち」2024年12月号『暮らしにひそむ犬に「毒」なもの』
イラスト/あらいのりこ
文/伊藤亜希子
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