愛犬の食事の基本となるドッグフード。一口にドッグフードといっても、与える目的や形状など、さまざまな種類があります。そこで今回は、ドッグフードの種類について獣医師の徳本一義先生にお話を伺いました。この機会に、ぜひ正しい知識をおさらいしましょう。
「総合栄養食」とは
「総合栄養食」とは、犬に与える「主食」として認められたフードです。この総合栄養食と水さえ与えれば、犬が成長していくうえで必要な栄養素が摂取できるよう、世界的な栄養基準に基づき作られています。
また、総合栄養食のパッケージには、「子犬用」「成犬用」「シニア犬用」など、そのフードが適応している犬の成長段階が記載されています。
「療法食」とは
「療法食」は獣医師の指導のもと、治療を補助する目的で与えるフードです。治療の内容に合わせてフード中の栄養成分が調整されており、臓器の機能をサポートするものや、皮膚疾患のケアのためにアレルギーに配慮されたものなど、さまざまな種類があります。
「間食」とは
「間食」は「おやつ」や「ごほうび」として、限られた量を与えることを前提に作られたフードです。主食のフードで適切な栄養量を維持できるよう、間食は1日あたりに与えてよい限度量が定められています。
「その他の目的食」とは
「その他の目的食」とは、前述の3種類に当てはまらないフードです。パッケージには「副食」「一般食」「栄養補助食」などさまざまな形で表記されます。サプリメントもこのカテゴリーに分類されます。これらは総合栄養食ではないため、与える食事の内容や量などを明記することが定められています。
フードの形状は4種類
ドッグフードの「形状」には、犬が食べやすいように4つの種類が存在します。
ドライ
微生物の繁殖を防ぐため、安全性に配慮して水分量が10%以下になっているフードです。加熱発泡処理された固形状のものがほとんどです。
ソフトドライ
水分量が25~35%程度で、加熱発泡処理されたフードです。しっとりした食感を保つため湿潤調整剤が使用されています。
セミモイスト
水分量が25~35%で、加熱発泡処理を行わず、押し出し機などで製造されるフードです。こちらも湿潤調整剤が使用されています。
ウエット
水分量が75%程度のフードです。殺菌工程を経て缶などに充填されています。厳重な殺菌処理が施されており、長期保存が可能です。
「食」は愛犬の健康を支える重要な要因です。与えるフードに悩んだら、動物病院で相談してみてくださいね。
お話を伺った先生/徳本一義先生(獣医師 ヘリックス株式会社代表取締役社長 日本ペット栄養学会理事 ペットフード協会新資格認定制度実行委員会委員長)
参考/「いぬのきもち」2022年10月号『食べていた意外なもの、最新の栄養学までわかる! 犬たちのゴハン史』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。