一般的に、犬は7才からがシニア期といわれています。そこで今回は、老化に伴って現れる犬の体の変化について、動物看護師の清水佐知子先生にお話を伺いました。この記事では、「目」「口」「被毛」「皮膚」「体全体」の体のパーツ別に、老化のサインについて解説します。
「目」の老化サイン
目が白っぽくなる・目ヤニが増える
加齢で水晶体が硬くなる「核硬化症」という症状が出ると、目が白っぽく見えます。また、似た症状で視力に影響する「白内障」の可能性もありますので、目が白く見えたら動物病院を受診しましょう。
ほかにも、まばたきが減って目が乾燥し、目ヤニが増えることもあります。
「口」の老化サイン
歯の表面が黄ばむ・口臭が出る
加齢に伴い、色素が歯の表面に沈着して黄ばむことがあります。また、口内でばい菌が増殖し口臭につながることも。歯周病が口臭の原因になっている可能性も高いので、口のニオイが気になったら必ず受診しましょう。
「被毛」の老化サイン
白い毛が増える・色が薄くなる
年をとると毛の色をつくる細胞が衰え、色のない毛が生えてくるようになります。初めのうちは顔まわりの毛が白っぽくなり、徐々に全身に白い毛や色の薄い毛が増えてきます。
毛づやが悪くなる・毛が薄くなる
消化吸収機能が衰えて毛まで栄養が行き届かなくなると、毛づやが悪くなったり、毛が薄くなったりすることがあります。また、ホルモンの病気が原因で、毛が薄くなったり脱毛したりするケースもあります。
「皮膚」の老化サイン
イボやシミができる
加齢に伴い代謝が鈍ると、不要な色素が排出されずに皮膚に沈着してシミになります。また、体や顔などにイボができやすくなることも。大きくなるイボやしこり、シミはがんの可能性もありますので、見つけたら動物病院を受診しましょう。
肉球や鼻の表面がガサガサになる
体内の保水力が落ちるため、シニア犬は皮膚、とくに肉球や鼻の表面が乾燥しガサガサになる傾向があります。肉球クリームやワセリンなどを使い、こまめにお手入れするとよいでしょう。
「体全体」の老化サイン
太ってくる・やせてくる
加齢により消化吸収機能や新陳代謝が衰えて、若いころと同じ量を食べていてもやせてきたり、反対に太ってきたりすることがあります。やせてくる場合は病気が原因の場合も考えられますので、獣医師に相談しましょう。
体臭が強くなる
年をとると飲水量が減りやすく、デトックスの機能も衰えがちになります。そのため、体内に毒素や老廃物がたまってしまい、体臭として出てくることがあります。
まだまだ若いと思っていても、シニア期前後の犬たちの体には老化のサインが出始めます。当てはまる項目があると思ったら、いち早くお世話を見直して、愛犬の健康寿命を延ばしましょう。
お話を伺った先生/清水佐知子先生(犬の訪問ケア「ドッグケア スマイル」主催 動物看護師 ペットケアマネージャー)
参考/「いぬのきもち」2023年5月号『老いのサインに気づいたときが見直しどき 先手を打つ!シニア犬のお世話術』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※ここで挙げている症状などはあくまで目安で、個体差があります。気になる症状があれば、かかりつけ医に相談しましょう。