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認知症の犬にあらわれる3つの症状 特徴と犬の感じ方を解説

犬が認知症になると、生活に影響が出る症状が多々あらわれるようになります。そこで今回は、認知症の症状のなかから「指示しつけに従わなくなる」「そそう」「徘徊」の3つについて取り上げ、その特徴とそのとき犬がどう感じているかを、獣医学博士の小澤真希子先生に伺いました。

指示しつけに従わなくなる

じっと見つめてくるボーダー・コリー
Photography by Adri/gettyimages
犬が認知症になると、それまではできていたオスワリやフセ、マッテなどの指示に従わなくなることがあります。なかには、オテをしなくなる犬もいます。

犬がそれまでできていた指示に従わなくなるのは、認知症で聴覚機能が低下して従わなくなるケースもありますが、多くの場合、指示されている言葉の意味が理解できなくなるためです。

また、指示の意味だけでなく、飼い主さんの意図をくんだり、その場の雰囲気を読んだりすることも難しくなるので、今までなんとなくシチュエーションに合わせて指示に従えていた犬も、それすらできなくなってしまいます。

できるだけわかりやすい指示に変えるか、しつけを教え直すなどのフォローをしてあげましょう。

そそうが増える

床にぴったりと伏せる犬
stonena7/gettyimages
認知症になると室内トイレから少しはみ出すようになったり、まったく違う場所で排泄するようになったりと、そそうが増えることも。これはトイレの場所を忘れるというより、部屋の中のどこからどこまでがトイレなのか、「境界」や「空間」が認識できなくなるためです。

そんなときに、たまたまベッドやラグなどでそそうをしてしまうと、「ここでもオシッコができた」と経験から覚えてしまい、それ以降、トイレ以外の場所でも排泄するようになっていきます。トイレに囲いをつけるなど、犬が場所を認識しやすくする工夫を取り入れるのがおすすめです。

あちこち歩き続ける・同じところをぐるぐる歩く

毛布の上に伏せるラブラドール・レトリーバー
Stasys Kudarauskas/gettyimages
犬は認知症になると徘徊行動が見られるようになり、あてもなくただ歩き回ったり、同じ場所で円を描くように歩き続けたりすることがあります。

人の認知症の徘徊とは異なり、犬の徘徊はとくに目的があって歩いているわけではありません。認知機能の低下から焦燥感や不安を感じている可能性があり、その気持ちを紛らわせるために歩いていると考えられています。

なお、ぐるぐる回り続けるときも状況は同じですが、神経異常が原因で体のバランスが狂い、一方向に回ると考えられます。

無理に止めると、落ち着かなさがつのって犬はいらだつだけなので、部屋の安全を確保したうえで、ある程度自由に歩かせてあげてください。
愛犬が認知症になっても、ストレスやケガなどのトラブルがなく穏やかに暮らせるよう、飼い主さんができる限りサポートしてあげましょう。ふだんから愛犬の様子を観察して、ちょっとした変化に気づいてあげることも大切ですよ。
※犬の認知症(高齢性認知機能不全)は、その症状や状態が病気なのか老化によるものなのか、現段階ではまだはっきり解明されていない部分もあります。

お話を伺った先生/小澤真希子先生(獣医学博士 獣医行動診療科認定医)
参考/「いぬのきもち」2022年9月号『シニア犬の半数近くが発症する!? 理由がわかれば「夜鳴き」「徘徊」「そそう」も正しくフォローできる! 認知症の犬はどう感じてる?』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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