愛犬のしぐさや行動を観察していると、「今こんなふうに感じているのかな?」と想像しますよね。今回は「慰める」「優越感」「しらける」という3つの感情に注目し、犬にもこれらの感情があるかどうか、獣医師の増田宏司先生にジャッジしていただきました。
犬に慰める気持ちはあるの?
飼い主さんの体験談「私の元気がないとき、そばに来て寄り添ってきて手や顔をなめてくれます」
犬に慰める気持ちは「ある!」
犬の前で泣き真似をすると、たとえ見知らぬ人であっても犬が寄ってきて、慰めるような行動をとることがあるという研究結果があります。さらに近年では、行動だけでなく、犬に慰める気持ちがあるという研究結果をまとめた本も。そばに来て寄り添ってくれるのも、慰めの気持ちからしているといえるでしょう。
さらに……
群れて生活をしていた犬は、仲間の様子を気にして行動したり、空気を読んだりする習性があります。このため、体調悪い人がいると気づかって見守るような行動をとる犬もいます。
犬に優越感はあるの?
飼い主さんの体験談「夫に抱っこされていると、“ドヤ顔”でこちらを見てきたり、そっぽを向いたりします」
犬に優越感は「ない!」
犬は、相手が自分より優れているか劣っているかという意識は低いため、人のように優越感にひたることはないでしょう。ひょっとすると、飼い主さんがご家族のことを大好きで、そんなふうに見えたのかもしれませんね。
犬にしらけた気持ちはあるの?
飼い主さんの体験談「私が冗談を言うと、おもしろくないのか冷めた目で見てきてすぐに目を背けます」
犬にしらけた気持ちは「ない!」
犬は言葉をある程度理解できるとはいえ、しらけるまで言葉の意味を理解できませんし、そのような複雑な感情ももち合わせていません。このケースの場合、犬が自分にとって意味のない言葉として判断して無表情になっている様子が、ドン引きしているかのように見えたのかもしれません。
人の感情が犬にも当てはまるとは限りません。今回のジャッジを参考にして、愛犬とよりよい関係を築いてくださいね。
※犬の気持ちについては諸説あります。今回は増田先生の見解をもとに編集室で構成し、紹介しています。ジャッジは「ある」か「ない」のどちらの割合が多いかで決めています。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 博士(獣医学) 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2024年1月号『慰め、やきもち、羨望 etc. シーン別で人のように感じているのかをジャッジ! この気持ち、犬にもある?ない?』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。