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かかりやすいから知っておきたい 犬の「腸閉塞」について獣医師が解説

愛犬の健康長寿のためにも、犬がかかりやすい病気について理解することは大切です。そこで今回は、近年犬がかかりやすいといわれている病気のなかから、「腸閉塞(ちょうへいそく)」を取り上げ、その症状や予防法について、獣医師の林幸太郎先生に教えていただきました。

腸閉塞には2タイプある

トイ・プードルのモカちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
腸はぜんどう運動によって、食べ物や水分を運ぶ働きをしています。腸閉塞とは、何らかの原因によってぜんどう運動が機能しなくなった状態のこと。腸の働きが機能しなくなる原因によって、腸閉塞は以下の2つのタイプに分けられます。

(1)機械的な閉塞

腸管の中がふさがり、腸のぜんどう運動が止まってしまうことで起こる腸閉塞。異物の誤飲が原因となることが多いですが、腫瘍や炎症による腫れ、腸重積などが原因になることも。

(2)麻痺性の閉塞

腸自体の機能低下によって引き起こされる腸閉塞。腸管をふさぐ物理的な原因はなく、膵炎(すいえん)や腸炎などの炎症の影響のほか、開腹手術後の後遺症が原因になるケースもあります。

腸閉塞になったときの症状

トイ・プードルのブルーノくん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
腸閉塞になったときの主な症状は以下のとおりです。

主な症状

  • 吐き気や嘔吐(水を飲んでも吐く)
  • 食欲不振
  • 腹部痛(背中を丸める、からだにさわるとうなったり、キャンと鳴いたりする)
  • 脱水(口の中が渇く、背中の皮膚をつまむと戻りが悪い、目が落ちてくぼんでくる)など

腸が閉塞した瞬間に症状があらわれる

腸管が異物などでふさがれて腸閉塞が起こると、その瞬間に腸の働きが止まるため、胃や腸内の消化物を肛門側へ送れなくなります。その結果、せき止められた消化物を急激に強く吐く様子が見られることが多いです。

腫瘍が原因の場合は、腫瘍の成長度合いによって症状がだんだんと強くなることもあります。また、唾液や胃液、腸液などの消化液も腸で吸収できなくなり、脱水が進みやすい傾向も。

腸閉塞は予防できる?

パピヨンのポロンくん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
異物の誤飲による腸閉塞は、環境を整えることで防ぐことができます。

犬が届かない場所や扉が閉まる棚にしまう、フタつきのゴミ箱に変えるなどの工夫をしましょう。また、子犬期のおもちゃを成犬になった犬が誤飲することもあるため、成長とともにおもちゃを見直すことも大切です。

なお、誤飲は成長とともに減りますが、クセとして残る犬もいるため、年齢を問わず気をつけましょう。
愛犬に異変が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
お話を伺った先生/林幸太郎先生(京浜どうぶつ医療センター院長 博士(獣医学) JAHA認定医(内科・総合臨床) 動物臨床医学会獣医総合臨床認定医)
参考/「いぬのきもち」2024年5月号『愛犬といつまでも楽しく過ごすために知っておきたい!犬の現代病ファイル Vol.60 腸閉塞』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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