犬との生活はピンチの連続。どんな危機が訪れても落ち着いて切り抜けられるよう、ピンチの度合いを下げるすべを知っておきましょう。今回は、犬の散歩中に飼い主さんが遭遇しやすい3つのピンチと、その対応方法について、獣医師の藤本聖香先生に伺いました。
愛犬が苦手な犬にはさまれる
散歩中、相性が悪い犬に出くわすとお互いに吠え合ったりして大変です。そんな愛犬の苦手な犬が、前からも後ろからも来てしまったら……。考えただけでも「どうしよう!」となりそうですよね。
愛犬が苦手な犬にはさまれたときの対応方法
愛犬が小型犬なら抱っこをして、飼い主さんは道路に背を向けて苦手な犬をやり過ごして。愛犬が中・大型犬なら道路の端にオスワリをさせ、その前に飼い主さんが立って「壁」となり、愛犬から相手の犬が見えないようにしてやり過ごしましょう。
「ノーリードの犬が近づいてくる」場合は要注意!
散歩中にノーリードの犬が近づいてきて危険を感じたら、愛犬を抱き上げるか、リードを短く持って静かにその場を離れてください。もし近くの民家に住人がいたら、事情を話してそのお宅の敷地に逃げ込ませてもらってもいいでしょう。
首輪やハーネス、リードがはずれて脱走
首輪などがはずれて愛犬が脱走というのは、絶対にあってはいけない類いのピンチですが、予期せぬことで脱走させてしまうこともあります。こんなピンチが起きないよう、予防としつけの練習をしっかり行いましょう。
愛犬が脱走してしまったときの対応方法
あわてると逃げられるので、落ち着いたトーンで冷静に愛犬を呼び戻しましょう。上から手を伸ばして捕まえようとせず、しゃがんで首の下側からつかむようにしてください。
また、首輪はゆるみなくつけるようにしましょう。ハーネスを使うときは首輪もつけて、その両方にリードをつなげるダブルリードにすれば、脱走予防になります。ただし、ダブルリードはリードの扱いが少し難しいので、最初はしつけトレーナーなどに相談すると安心です。
飼い主さんがトイレに行きたくなる
散歩時間が長かったり、寒い日だったりすると、途中で飼い主さんもトイレに行きたくなることも。
トイレに行きたくなったときの対応方法
どうしてもトイレを我慢できない! となったときは、ドッグカフェなど犬連れ可能な店舗に立ち寄り、そこのトイレを利用するといいでしょう。ドッグランに来ている飼い主さんや、散歩でよく会うかたに声をかけて事情を話し、愛犬のリードを託して公園などのトイレを借りるのもいいかもしれません。
なお、愛犬を犬OKの店舗で待たせたり、誰かに託したりするときは、必ず「マテ」の指示を行ってください。そうしないと犬が不安を感じて、トラブルにつながります。
愛犬との散歩中にピンチに遭遇したときは、愛犬を興奮させたり、不安を感じさせたりしないよう、あわてず落ち着いて対処することが大切です。愛犬との散歩を安全に楽しむためにも、今回ご紹介した内容を頭に入れておきましょう。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師)
参考/2024年5月号『犬との暮らしは「どうしよう」がいっぱい!飼い主さんのあるあるピンチ図録』
文/宮下早希
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