室内飼育が多い小型犬は、家の中で上手に排泄できるのがベストです。今回は、小型犬のトイレトレーニング方法やトイレトレーの選び方、平均的な排泄回数について解説します。小型犬に多い失敗例とともに対策法もご紹介しているので、参考にしてくださいね。
小型犬のトイレのしつけの重要性とは?
犬と暮らす中で、トイレのしつけは重要事項のひとつでしょう。特に、小型犬の場合は室内飼いをすることが多いので、トイレのしつけができていないと好きな場所で排泄するようになり、お部屋のニオイや汚れの原因になります。また、キレイに掃除してもなかなかニオイが取れず、繰り返し同じ場所で排泄するようになることもあるので、しっかりとしつける必要があります。
最近では、犬といっしょに出掛けられる施設もたくさん増えてきました。このような施設に入るための条件は、ほとんどの場合が「トイレのしつけができていること」です。愛犬と楽しい時間を過ごすためにも、トイレのしつけはやはり欠かせませんね。
しつけの前に!小型犬のトイレの回数やトイレの種類を知ろう
小型犬のトイレの回数や間隔とは
トイレのしつけでは、愛犬のトイレの間隔を知ることもポイントになります。個体差はありますが、生後6ヵ月未満の子犬は成犬に比べるとトイレの回数が多く、「月齢+1時間」が平均的な間隔だといわれています。つまり、生後3ヵ月の子犬なら、4時間に1回の頻度で排泄することになります。
一方、成犬のトイレの回数は1日に2~3回程度で、8時間程度の間隔があくのが一般的だとされています。ちなみに、小型犬は大型犬よりもトイレの回数が多いということではないようですが、室内で排泄できる犬はトイレの回数が多くなる傾向にあるようです。
小型犬に合ったトイレトレーの選び方
小型犬の場合、どうしても小さいサイズのトイレトレーを買ってしまいがちですが、成長後を見越して大き目のものを選ぶのがポイントです。トイレトレーの大きさの目安としては、犬が入ってひと回りでき、そのまわりに余裕があるくらいのものがベストです。
小型犬のトイレトレーニング【その1】
ではここで、トイレトーニング方法をご紹介します。まずはどこで排泄すべきか、トイレの場所を覚えさせましょう。
①タイミングを見計らってトイレへ
まずは、愛犬の排泄の時間をメモし、上記の「平均的なトイレの間隔」なども参考に、愛犬が何時間おきに排泄するか目安をつけます。最初のうちは、ゴハン・散歩・遊びの時間以外はなるべくクレートで休ませ、時間になったらトイレサークルへ連れて行くようにするのがおすすめです。
②できなければ30分後に再チャレンジ
クレートから愛犬を出したら、すぐにトイレサークルの中に愛犬を抱き入れます。愛犬が排泄しないようであれば、再度クレートに入れ、30分~1時間後にまたトイレサークル内に入れましょう。
③上手にできたらごほうびを!
上手に排泄できたら、ごほうびとしておやつやフードを与えます。これを繰り返すことで「いいことが起こるからここでトイレをしよう」と愛犬が覚えやすくなります。
※ここでのポイント
最初のトイレトレーニングでは、サークルの中にトイレシーツを一面に敷いて行う「トイレサークル」を作るのがおすすめです。トイレトレーを使うのは、自分でトイレに行けるようになってからで大丈夫です。
小型犬のトイレトレーニング【その2】
上記のトレーニングが終わったら、今度は自分でトイレサークルに行けるように練習しましょう!
①フードでトイレサークルに誘導
クレートとトイレサークルを隣り合わせに置き、愛犬の睡眠時間が終わったら、クレートの扉を開けます。愛犬が出てきたら、フードを握り込んだ手でトイレサークルまで誘導します。
②慣れてきたらフードは使わずに誘導してみる
慣れてきたら、フードを使わずに誘導しましょう。手の動きでトイレのほうを指し示せば、トイレサークルに向かうにようになります。
③トイレサークルとクレートの距離を広げよう
隣り合わせに置いていたトイレとクレートの位置を徐々に離します。部屋のどこにクレートを置いても、犬がトイレに歩いていけるように練習しましょう。
これで室内でのトイレトレーニングの基本は完了です。迎えたその日からトレーニングを開始することで、上達スピードもあがりますよ。
よくあるトイレの失敗例と対策方法
あとちょっとのところでトイレを失敗してしまうケースもよくあります。ここでは、小型犬に多いトイレの失敗とその対策方法についてご紹介します。
「はみ出し」による失敗
胴体が長いミニチュア・ダックスフンドなどに多いこのトイレの失敗。「しっかりとトイレまで行ってしているのに…」と悩む飼い主さんも多いでしょう。
【対策】
今使っているものよりも大きめのトイレトレーに替えてみましょう。基本的に、トイレスペースは大きいほうが犬にとっては排泄しやすく、失敗も少なくなります。また、トイレをサークルで囲ってもう一度トレーニングをしてみるのも手です。端でしようとすると体がサークルに当たるので、自然とサークル内で排泄するようになりますよ。
「粗相」による失敗
犬は寝る場所のそばで排泄しない傾向があります。小型犬の場合、サークルの中にベッドとトイレをおいて飼育されることが多いのですが、ベッドとトイレの距離が近いとサークルの中で排泄しなくなることがあります。
【対策】
まずは環境を変えてみましょう。サークルを広く作るか、サークル内をトイレスペースにし、犬が休む場所は外に設置するクレートに変えるのがおすすめです。何度も粗相を繰り返す場合は、もう一度トイレトレーニングをやり直してみることも大切です。
「足上げ」による失敗
小型犬のみならず大型犬にもいえることですが、足上げによるはみ出しもよくある失敗例です。マーキングの可能性が高いので、未去勢のオス犬に多い例ともいえるでしょう。
【対策】
シーツで壁を作れるL字型トイレを使うのがおすすめです。ほかにも、トイレのまわりをトイレシーツで囲んだり、ペットボトルなどで柱を作ったりして防止対策を取りましょう。未去勢のオス犬の場合は、去勢手術によって改善されることもあります。
小型犬は家の中でトイレができるのがベスト
犬は排泄を我慢できる動物ですが、室内で飼育されることが多い小型犬は、家の中で上手に排泄できるようになることがベストです。上達のスピードには個体差があるので、すぐに覚える犬もいれば多少時間のかかる犬もいます。他の犬と比べず、マイペースにトイレトレーニングを続けましょう。
また、ご自身でしつけるのが難しいと感じる場合は、プロに相談するのもおすすめですよ。
参考/2018年3月号『12回で基本をすべてマスターできる!はじめてしつけ コンプリートドリルvol.1トイレ&ハウス』(監修:「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生)
2018年3月号『2号連続トイレ企画第2弾「失敗した」「できない」ギモンにアレコレ答えます!トイレのお悩みまるごと解決!しつけ編』(監修:「SKYWAN! DOG SCHOOL」代表 家庭犬しつけインストラクター 井原亮先生)
監修/芝崎考次郎先生(相模大野プリモ動物病院副院長)
文/hasebe