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【獣医師監修】犬にとうもろこしを与えるときは注意が必要。与えるメリットとデメリットを解説

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とうもろこしには、犬の体に有害な成分は含まれていないので、おやつや食事のトッピングに取り入れても大丈夫です。ただし、糖質が多いので与える量には注意が必要。アレルギーの心配もあります。また、とうもろこしの芯は誤飲事故の多く注意が必要です。犬がとうもろこしを食べるメリットとデメリット、与える際の注意点を紹介します。

佐野 忠士 先生

犬にとうもろこしを与えるときは糖質量とアレルギーに要注意

とうもろこしを食べる犬
infinityyy/gettyimages

とうもろこしには、中毒を起こすような有害な成分は含まれていないので、犬に与えても大丈夫です。

実際に、とうもろこしは市販のドッグフードにもよく使われている食材のひとつです。主成分の炭水化物は犬が活動するエネルギー源となるもの。ほかにも、タンパク質、ビタミンB1、 B6、ナイアシン、葉酸、カリウム、食物繊維など、犬の体に役立つビタミンやミネラルが含まれています。

ただし、とうもろこしは糖質の多い食べ物なのでカロリーが高く、食べ過ぎは肥満や糖尿病の原因となります。主食のドッグフードにトッピングしたり、おやつに与えたりするときは、犬の体格と年齢に応じた1日の消費総カロリーを超えないようにしてください。
また、とうもろこしは食物アレルギーの原因になる食べ物でもあります。すでに何らかの食物アレルギーがある犬に与えるのは、注意が必要です。

とうもろこしのおもな栄養素|約7割が炭水化物、糖質が豊富

フローリングの床に立ち、少し首を傾げている胸元と鼻とつま先が白い茶色の小型犬(Mix)
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

とうもろこし(スイートコーン)に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分

エネルギー89kal
水分77.1g
タンパク質3.6g
脂質1.7g
炭水化物16.8g
灰分(無機質)0.8g

文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより参照

犬がとうもろこしを食べるメリット|豊富なビタミン、ミネラル、食物繊維で健康維持

シベリアンハスキーの横顔ドアップ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

とうもろこしに含まれる代表的な栄養素のうち、犬の体づくりや健康を維持するのに役立つものを紹介します。

ビタミンB群|エネルギーをつくる

とうもろこしには、ビタミンB1、B6、ナイアシン、葉酸といったビタミンB群が豊富に含まれています。
これらのビタミンB群は、炭水化物・タンパク質・糖の代謝によってエネルギーを生成するのに役立ちます。
さらに、ビタミンB1には、脳や心臓、肝臓、腎臓など大切な臓器の正常な働きを維持する働き、葉酸には、タンパク質や細胞の分裂、DNAの形成に重要な役割を担い、胎児の発育に役立つ働きがあります。

総合栄養食のドッグフードを主食にしていれば、犬に必要なビタミンB群が不足することはありませんが、フードを食べたがらないときや、妊娠中の母犬や成長期の子犬などはとうもろこしから栄養を補給してももよいかもしれません。

カリウム|不要な塩分の排出と高血圧の予防

カリウムは細胞を正常な状態に保ち、体液の浸透圧を調整する役割を果たすミネラルの一種。体内の余分な塩分を尿と一緒に排出し、血圧を下げる作用もあります。

食物繊維|腸内環境を整え、便秘を解消

とうもろこしには、水に溶ける性質の「水溶性食物繊維」と、水に溶けない性質の「不溶性食物繊維」の2種類が含まれています。
水溶性食物繊維には、糖質の吸収をゆるやかにして、血糖値の急上昇を抑える働きやコレステロールを体外に出す作用が。一方、不溶性食物繊維には、腸の中で水分を吸って大きく膨らみ、便の量を増やすことで排便を促す働きや、腸内の毒素やコレステロールを体外に排出する作用があります。

この2種類を比べると、不溶性食物繊維が水溶性食物繊維の10倍以上(可食部同量比)含まれているので、とくに便秘解消の効果が期待されます。

犬がとうもろこしを食べるデメリット|肥満、排便困難、アレルギーのリスクあり

鼻と目が真っ黒な純白のサモエド、顔アップ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

高カロリー|過剰摂取で肥満や糖尿病リスク

とうもろこしは脂質が多く、カロリーが高い食べ物です。エネルギー源となる一方で、摂取する量が多いとカロリーオーバーになりがちです。高カロリーの食べ物を過剰摂取すると、肥満につながりやすく、肥満は糖尿病などさまざまな病気の原因になります。甘いとうもろこしを好む犬は多いかもしれませんが、欲しがるままに与えるのはよくありません。とうもろこしを与える場合は、1日の必要カロリーをオーバーしないように気をつけましょう。

食物繊維|不溶性食物繊維の過剰摂取で排便困難に

とうもろこしに多い不溶性食物繊維。便秘の解消に役立つものですが、摂り過ぎると水を吸って膨らんだ便が大きくなり過ぎ、かえって排便が困難になってしまいます。過剰摂取にならないように気をつけましょう。

カリウム|腎臓病の犬は要注意!

高齢で腎臓機能が低くなっている犬や腎臓病を患っている場合は、カリウムの摂取量には注意が必要です。健康な犬であれば、余分なカリウムは尿で体外に排出されますが、過剰摂取は健康な犬の腎臓にも負担となります。さらに腎臓の機能が低下していると十分な排出がされず、血液中のカリウム濃度が高まる「高カリウム血症」になる可能性があるので注意しましょう。

食物アレルギー|タンパク質がアレルギー症状を引き起こすことも

食物アレルギーは、タンパク質に免疫機能が過剰反応する現象です。とうもろこしに含まれるタンパク質は、可食部100g中に8gと野菜のなかでも多いほうなので、アレルギーを起こしやすい食材のひとつといえます。とくに、でんぷんアレルギーと診断された犬の場合は、注意が必要です。

愛犬に初めてとうもろこしを与えるときは、まず少量から。食べたあとに皮膚の痒みや湿疹、目の充血、嘔吐、下痢などのアレルギー症状が起こらないことを確認してから、次を与えるようにしてください。もし、何らかの症状が見られたら、とうもろこしを与えるのは止め、獣医師の診察を受けてください。

犬にとうもろこしを与えるときの注意ポイント|必ず加熱してから、芯は絶対にNG

毛布の上に顔を載せてちょっと虚な表情の柴犬(目が茶色)の顔ドアップ
いぬのきもち投稿写真ギャラリー

犬にとうもろこしを与えるときは、以下のことに注意してください。

与えてよい部位

犬に与えてよいのは、実の部分だけです。とうもろこしの芯は、「誤飲しやすいもの」として上位に挙げられるほど危険なものです。食物繊維の塊ともいえる芯は大変固く、犬が丸飲みすると気道を塞ぎ、呼吸困難になる恐れがあります。

また、もし気道を通過して胃まで到達したとしても、うまく消化できずに消化不良を起こし、嘔吐したり、最悪の場合は腸閉塞を引き起こしたりする可能性も。そうなると犬が自力で排出するのは困難になり、全身麻酔下で開腹手術をして取り出さなければなならなくなります。

万が一、愛犬がとうもろこしの芯を食べてしまったら、早めに動物病院へ。症状がすぐに出るとは限らないので、注意が必要です。

与えるときの適量

犬にとうもろこしを与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量にとどめることが大切です。
また、犬の年齢や健康状態によっては、特定栄養素の過剰摂取につながることもあるので注意しましょう。

犬の体重目安1日あたりの接種可能目安
小型(2~5kg)21g~42g(1/10本~1/4本)
中型(6~15kg)48g~96g(1/4本~1/2本)
大型(20~50kg)119g~237g(2/3本~1・1/3本)

※中くらいの大きさのとうもろこし(茹で)の可食部で算出
※数値は、避妊・去勢済みの犬で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出

調理方法

最近は生で食べられる品種があるようですが、犬にとうもろこしを与えるときは、必ず加熱してください。
とうもろこしの実は生のままでは表皮が固く、犬の消化器官に負担を与えます。与える際には、必ず茹でる、蒸す、電子レンジで加熱するなどして、芯から実を外して与えます。
子犬や体の小さい犬には、ペースト状にしてあげると、より消化しやすいでしょう。

なお、味付けは不要です。茹でるときも、塩は加えないでください。

人用のポップコーンは与えないで

ポップコーンは、とうもろこしが原料です。一般に市販されているポップコーンは、人用に味付けされているので、犬に与えるのはやめましょう。
添加物を一切含まない犬用ポップコーンもあるので、おやつに与えたいときは犬用を選べば安心でしょう。

とうもろこしは犬が食べてもOK。ただし、肥満やアレルギーには注意して

とうもろこしは、犬の体に役立つ栄養が豊富な食べ物ですが、食べ過ぎると逆にデメリットになる可能性も。アレルギーの原因になりやすい食材でもあるので、愛犬の体質や体調に合わせて与えるかどうかを判断することが大切です。また、とうもろこしの芯は、犬がかじって遊んでいるうちに、誤飲してしまうことも。愛犬を危険から遠ざけ、健康で快適な生活を送れるようにするのは、飼い主の責任です。とうもろこしを食べたときは、芯が犬の手に届かないように注意しましょう。

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/村田典子
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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