牧羊犬として有名なボーダー・コリーは、日本でもファンの多い犬種です。その知能や運動能力もさることながら、毛色の豊富さも注目のポイント。今回はボーダー・コリーの毛色や柄、基本的な性格、そして毛色による性格の違いの有無などを解説していきます。
ボーダー・コリーのカラーはこんなにある!
現在公認されているボーダー・コリーのカラーは、35種類ほどあるといわれています。バイカラー系のものや、独特のぶち模様が混ざるマール系までさまざまな組み合わせがあり、中には同じ色の組み合わせで前後で色が入れ替わっているだけ、というものも。
ブラック&ホワイト
ブラックをベースに、首や胸、お腹、四肢などに白地が混ざる毛色のブラック&ホワイト。模様は一頭ずつ違いますが、たくさんある毛色の中でもポピュラーなカラーです。黒と白のくっきりとしたコントラストが印象的で、日本で多く見かける毛色でもあるため、ボーダー・コリーと聞いたらまずこの毛色を思い浮かべる方も多いでしょう。
レッド&ホワイト
日本でも古くから「赤犬」という言葉がありますが、その「赤」にあたるのがこの明るい茶色。赤みがかった茶色が優しい印象を与えるレッド&ホワイトは、比較的珍しい毛色だといわれています。
ブルーマール
グレーに黒いぶち模様が特徴のブルーマール。この場合の「ブルー」は、灰色に似た毛色をさしています。大理石のような美しさが魅力的なカラーですが、遺伝子に「マール因子」という特徴的な要素をもつため遺伝的な病気を抱えることもあり、繁殖は望ましくありません。
トライカラー
ブラック&ホワイトにタンが入り、三つの毛色をもつのがトライカラー。タンの出る割合は少なく、顔や足に出てくることが多いようです。ほかにもチョコレート&ホワイトや、ブルー&ホワイトといった毛色にタンが混ざったトライカラーも存在します。いずれもボーダー・コリーには珍しいカラーです。
知っておきたい!ボーダー・コリーの基本的な性格
ボーダー・コリーは19世紀ごろから、イギリスで牧羊犬として活躍してきました。牧羊犬の役割は、家畜である羊の群れを観察してまとめながら誘導したり、外敵から群れを守ったりといったものです。
その作業能力の高さからも分かるように、ボーダー・コリーは賢い犬として知られています。周囲の情報を目や耳でキャッチし、その場に合わせた適切な行動をとることができます。一方でその聡明さから、警戒心の強さが目立つという一面もあるようです。
高い身体能力
牧羊犬として活躍してきた犬種ということもあり、高い身体能力と並外れた体力もボーダー・コリーの特徴です。そのためボーダー・コリーを飼う場合は、この特性をよく理解して、充分な運動ができる環境を整えてあげる必要があります。
ボーダー・コリーの作業意欲を満たせるようなトレーニングやドッグスポーツなどもおすすめです。より楽しく過ごすことができ、絆も深まっていくでしょう。
カラーによって性格の違いはあるの?
ボーダー・コリーは、毛色による性格の違いはほとんどないといわれています。さまざまな説がありますが、毛色よりも被毛のタイプのほうが、性格に影響してくるといわれることもあるようです。
ロングコート
少しウェーブがかった、長い毛をもつのがロングコート。オーストラリア、ニュージーランド系のボーダーコリーで、日本で多く見られるのはこのタイプでしょう。人懐っこく、友好的な性格の犬が多いため、人に対して攻撃的な態度を向けることはあまりないといわれています。
スムースコート
ロングコートに比べて毛が短く、スリムな印象なのがスムースコート。イギリス系のボーダー・コリーです。
スムースコートはどちらかというとやや神経質な性格の犬が多いといわれています。ロングコートと比べて気性が荒く、よりきちんとしたしつけが必要となるようです。その反面、トレーニングに対して意欲的なので、飼い主の言うことをよく聞く犬になる可能性を秘めています。また、スムースコートはロングコートよりも高い運動能力をもつともいわれています。
※ボーダー・コリーに限らず、犬の性格や特徴には個体差があります。
毛色×柄で、多種多様なボーダー・コリーたち
ボーダー・コリーの柄を語るうえで、「理想の柄」というものが出てきます。こういった理想の柄は、どれだけその理想を実現しているかによって、ボーダー・コリーの値段が変わってくるポイントなのです。
しかしあくまで見た目だけの問題なので、性格や運動能力、体質に差が出るわけではありません。能力を期待して飼う場合は気にしないことのほうが多いですし、個性的な柄のほうがかわいいと感じる方も少なくないでしょう。
顔の柄
理想的とされるのは、真ん中に白いフレーズが入り、左右対称に黒い部分が広がっている柄だといわれています。
まれに片側の目の周りなど、片方に柄が偏った「片パンダ」なども見られます。
カラーの柄
首回り、いわゆるカラーの部分の柄は、幅広くかつ均一の幅で、左右対称にまわっているのが理想だといわれています。
多種多様な美しさは、ボーダー・コリーの魅力のひとつ
ボーダー・コリーにはさまざまなカラーがありますが、その毛色による性格の違いはほとんどないことが分かりました。
ボーダー・コリーに限らず、新しく犬を迎え入れる場合は、いかにその犬種を理解していくかが大切になってきます。ボーダー・コリーの特徴を理解し、彼らの魅力である生き生きとした美しさを引き出してあげてくださいね。
参考/「いぬのきもち」2018年3月号『犬種連載シリーズvol.33 I Loveボーダー・コリー』(監修:代官山動物病院獣医師 獣医行動診療科認定医 藤井仁美先生)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/kagio
※性格や気質などは個体差にもよりますのであくまで目安としてください。
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。