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獣医師監修|ボーダー・コリーの体重推移や標準体重、体重管理のコツ
賢いことでも知られ、人気の犬種ともいえるボーダー・コリー。今回は、ボーダー・コリーの体重について詳しくご紹介します。1才までの体重推移や成犬時標準体重のほか、肥満度のチェック法や体重管理法についても解説するので、参考にしてみてくださいね。
- 目次
ボーダー・コリーとは?- ボーダー・コリーの体重推移・成犬時の標準体重
- ボーダー・コリーの肥満度チェック法
- ボーダー・コリーの体重管理《食事編》
- ボーダー・コリーの体重管理《運動編》
- 適正体重を維持してしっかりと健康管理しよう!
ボーダー・コリーとは?

どんな犬種?
8世紀後半~11世紀、バイキングが北欧スカンジナビア半島からイギリスへ連れて行ったトナカイ用の牧畜犬が起源とされています。その後、イギリスの羊毛生産を支える牧羊犬として、重要な役割を果たすようになりました。
賢く人に対して従順な性格の犬が多いとされていますが、自転車や走る子供など動くものに対して反応し、追いかけてしまう一面も。また、個体差はありますが、警戒心から吠えてしまう犬もいるので、しつけには十分注意しましょう。
見た目の特徴
一般的に、ボーダー・コリーは「中型犬」に分類される犬種です。
毛色はトライカラーやブルーマールなどさまざまなカラーが認められ、被毛の長さも短毛や長毛など犬によって異なります。基本的に目の色はブラウンですが、毛色によっては両目や片目、目の一部がブルーになることも。
また、耳の形は直立タイプや半直立タイプがいるなど、外見の統一性が低い犬種ともいえるでしょう。
いぬのきもち WEB MAGAZINE「ボーダー・コリーの特徴と性格・価格相場|犬図鑑」
ボーダー・コリーの体重推移・成犬時の標準体重

犬の成長スピードや大きさには個体差がありますが、ボーダー・コリーの1才までの体重推移や標準体重・体高は以下の通りです。
1才までの体重推移(一例)
- 生後2ヶ月……3kg前後
- 生後3ヶ月……6kg前後
- 生後4ヶ月……7kg ~ 12kg前後
- 生後5ヶ月……13kg ~ 14kg前後
- 生後6 ~ 7ヶ月……14kg ~ 15kg前後
- 生後8 ~ 11ヶ月……15kg ~ 16kg前後
成犬時の標準体重・体高
- 体重:14~22kg
- 体高:53cm前後
オス・メスともに標準体重・体高はほとんど変わりませんが、メスの方が比較的小さめに成長するケースが多いようです。
ボーダー・コリーの肥満度チェック法

前述通り、犬の体の大きさには個体差があるため、標準体重より重い=肥満とは限りません。そこで取り入れたいのが、「ボディコンディションスコア(BCS)」という肥満度チェック方法です。
「ボディコンディションスコア(BCS)」とは?
犬の体を見たり触ったりして肥満度をチェックする方法です。以下の表を見て、愛犬がどれに当てはまるのか、チェックしてみましょう。
BCS | 【BCS1】 やせすぎ | 【BCS2】 やせ気味 | 【BCS3】 理想体重 | 【BCS4】 太り気味 | 【BCS5】 太りすぎ |
---|---|---|---|---|---|
肋骨 | 脂肪に覆われておらず、簡単に触ることができる | わずかな脂肪に覆われているが、簡単に触ることができる | 少しの皮下脂肪を通して、触ることができる | 皮下脂肪に覆われ、触ることが難しい | 厚い脂肪に覆われ、触ることができない |
腰部 | 脂肪がなく、骨格構造が浮き出ている | わずかな脂肪はあるが、骨格は浮き出ている | 薄い皮下脂肪に覆われ、骨格の隆起に触ることができる | 皮下脂肪に覆われ、骨格の隆起はかろうじて触ることができる | 厚い脂肪に覆われ、骨格に触ることができない |
体型 | 横から見ると腹部は深くへこみ、上から見ると極端な砂時計型をしている | 横から見ると腹部にへこみがあり、上から見ると砂時計型をしている | 横から見ると腹部にへこみがあり、上から見ると腰回りの適度なくびれがある | 腹部のへこみや腰のくびれはほとんどなく、背面は少し横に広がっている | 横から見た腹部は垂れ下がり、上から見ると箱型~樽型に見える |
愛犬がBSC4・BSC5に当てはまる場合は、ダイエットの必要性があるといえます。犬も人と同じように太り過ぎると、さまざまな病気にかかるリスクが高まるので注意しましょう。
もちろん、痩せ過ぎも健康上よくありませんので、飼い主さんがしっかりと体重管理をして、理想体重をキープしてあげることが大切です。
ここからは、ボーダー・コリーの体重管理方法について見ていきましょう。
いぬのきもち WEB MAGAZINE「【体型チェックイラストつき】食事と運動を見直して正しくダイエット」
ボーダー・コリーの体重管理《食事編》

ボーダー・コリーに限らず、犬の主食となる「総合栄養食」のフードは、ライフステージ(年齢や肥満などの生活状態、妊娠などの生理状態)にあったものを選び、適切な量を与える必要があります。
きちんと計量せずにフードを与えていたり、子犬のころからずっと同じ種類のフードを与えていたりすると、カロリーオーバーとなり肥満につながるおそれがあるので注意してください。
愛犬に合ったフードの種類がわからない場合は、かかりつけの獣医師に相談してみるとよいでしょう。
ではここで、正しいフードの計量法をご紹介します。
フードの計量法
愛犬に合ったフードの量を知る方法として、パッケージを見るという手があります。「総合栄養食」のフードの場合、1日に与える量や回数などの給与方法が年齢や月齢、愛犬の“理想体重”に応じて記載されているので、確認してみるとよいでしょう。
ただし、パッケージに記載されたフードの量はあくまでも目安です。以下の方法で算出すると、より正確に愛犬に最適なフードの量がわかるので、ぜひやってみてください。
①まずは「安静時エネルギー必要量(RER)」を計算!
まずは、愛犬の「安静時エネルギー必要量(RER)」という数字を計算します。
【計算式】70×(体重kg)の0.75乗
計算するのが難しい場合は、以下に一般的な中型犬(10kg~24kg)に該当するRER早見表をご用意しましたので、参考にしてみてください。
中型犬のRER早見表 | ||
---|---|---|
10kg :394 11kg :423 12kg:451 13kg:479 14kg:507 | 15kg:534 16kg:560 17kg:586 18kg:612 19kg:637 | 20kg:662 21kg:687 22kg:711 23kg:735 24kg:759 |
②RERがわかったら、次は「1日の必要エネルギー量(DER)」を計算!
愛犬のRERがわかったら、続いては「1日の必要エネルギー量(DER)」を計算しましょう。ここでは、「活動係数」という数字が必要になるので、下記の表から愛犬に当てはまるものを選んで計算してください。
【計算式】RER × 活動係数 (※下記参照)=DER
成犬・高齢犬 | 妊娠中・授乳中の成犬 | 子犬 |
---|---|---|
未避妊・未去勢の成犬(1.8) | 妊娠1~4週の犬(2.0) | 4ヶ月未満の犬(3.0) |
避妊・去勢済みの成犬(1.6) | 妊娠5~6週の犬(2.5) | 生後4~9ヶ月の犬(2.5) |
肥満傾向の犬(1.4) | 妊娠7~8週の犬(3.0) | 生後10~12ヶ月の犬(2.0) |
7才以上のシニア犬(1.4) | 授乳中の犬(4.0~8.0) |
③DERがわかったら、最後に1日に必要なフード量を計算!
最後は1日必要なフードの量の計算です。与えているフードの100gあたりのカロリーは、ほとんどの場合パッケージに記載されているので、それを見ながら以下の方法で計算しましょう。
【計算式】DER ÷(与えているフードの100gあたりのカロリー)× 100 = 1日のフード量(g)
このように計算しても、フードの量に不安が残るような場合は、かかりつけの獣医師に相談してみてくださいね。
肥満傾向ならカロリーコントロール食を取り入れるのも手
愛犬が肥満気味の場合は、カロリーコントロール食などを取り入れるのも1つの方法です。ただし、長期的な健康維持には不向きなものもあるので、種類や与える期間などは獣医師に指示を仰ぐようにしましょう。
また、せっかく適量のフードを与えていても、おやつを与え過ぎていては意味がありません。おやつは1日の必要エネルギー量の10~20%を目安に与え、おやつを与えた分だけその日のフードの量を減らしましょう。
いぬのきもち WEB MAGAZINE「獣医師監修!小型犬~大型犬の正しいフード(餌)の量 計算方法や与え方について」
ボーダー・コリーの体重管理《運動編》

犬の体重管理には、運動も欠かせません。とくにボーダー・コリーは運動神経抜群で活発な犬種といわれているので、積極的に運動の機会を設けるようにしましょう。
散歩量の目安
散歩は1日2回、1回1時間程度を目安に行いましょう。その際、早足でウォーキングするように歩くのがポイント。そのほか、ドッグランなどを利用して、自由に走り回れる運動を取り入れることも大切です。
おすすめの運動法
ボーダー・コリーにおすすめの運動法の1つに、「フリスビー」があげられます。牧羊犬であるボーダー・コリーにとって、フリスビーを追いかけて捕まえるという行動は、最適な運動といえるでしょう。
また、悪天候で屋外での運動が難しい場合は、おもちゃやボールを投げて持ってこさせる「モッテコイ」や、ロープのおもちゃを引っ張り合う「引っ張りっこ」などがおすすめですよ。
適正体重を維持してしっかりと健康管理しよう!

愛犬の適正体重を知って、それを維持するよう心がけることは、健康のためにとても大切なことです。ダイエットが必要な場合は、1週間につき体重の1%程度を上限とするのが理想とされているので、目標を設定するときの参考にしてみてくださいね。
愛犬の適正体重を維持し、健康で楽しく暮らしましょう!
参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『ボーダー・コリーの特徴と性格・価格相場|犬図鑑』(監修:ヤマザキ動物看護大学講師 危機管理学修士 認定動物看護師 ペットグルーミングスペシャリスト 福山貴昭先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『獣医師監修!小型犬~大型犬の正しいフード(餌)の量 計算方法や与え方について』(監修:いぬのきもち相談室獣医師)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【体型チェックイラストつき】食事と運動を見直して正しくダイエット』(いぬのきもち相談室獣医師)
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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