シニア期を迎えた犬の変化を老化と決めつけないで!「老犬だからしょうがない」と思っていたら病気を見過ごしてしまうかもしれません。相談室の獣医師がシニア犬に多い病気について解説します。
老犬に多い変化と症状
元気がない/散歩に行きたがらない/寝てばかり/毛が薄い/皮膚の異常・黒ずみ/繰り返す外耳炎/肥満/お腹の膨らみ/食欲旺盛/脱毛(左右対称性、尻尾の付け根)/毛艶が悪い/目が白い(白内障、核硬化症)などは老犬に多くみられる変化です。
しかし、これらの症状は、重大な病気のサインでもあります。どれも免疫力の低下やホルモンバランスの乱れよる体の不調からはじまると考えられていて、全身にゆっくり症状が現れるため、どの病気による異常なのかは、さまざまな検査から総合的に判断する必要があります。
次に、老犬に多い3つの病気をご紹介します。
老犬に多い病気①甲状腺機能低下症
甲状腺自体の炎症によって甲状腺ホルモンが作られなくなる、足りなくなることで甲状腺機能低下症が起こります。
7歳を過ぎた頃から、寝てばかり、皮膚の異常、脱毛などがみられることが多く、最近ではシニア犬に増加の傾向があります。
老犬に多い病気②クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
クッシング症候群は、何らかの原因で副腎皮質の機能が亢進しホルモンが過剰に分泌されること、ステロイド剤の不適切な過剰摂取によってステロイドホルモンが体内に蓄積してしまうことで起こります。多飲多尿、お腹が膨れる、左右対称性の脱毛などの症状が多いようです。
老犬に多い病気③糖尿病
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリン不足や分泌されていても受容する細胞の異常などでインスリンが働かないことで、血液中のブドウ糖が分解されずに血糖値が上昇する病気です。肥満やクッシング症候群から併発したり、遺伝的な原因があるとも考えられています。
これらの病気は複数の病気が同時に起こるケースもあるため、各種検査から総合的に判断する必要があります。
シニア犬の変化を見落とさないこと
愛犬がシニア期を迎えたら、老化だからと決めつけずに日頃からよく観察してください。半年に一回程度の間隔で定期的な健康診断や検査を行い、異変に気づいたら速やかに獣医師に相談しましょう。
監修:いぬのきもち獣医師相談室
文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿いただいたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください