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犬がかかりやすい病気「C.L.U.T.D.」とは 死に至ることも…

犬がかかりやすいといわれている「C.L.U.T.D.」という病気をご存じですか? C.L.U.T.D.とは英語の「Canine(犬の) Lower(下の) Urinary(尿の) Tract(道) Disease(病気)」のを略した言葉で、下部尿路疾患のこと。今回は下部尿路疾患についてくわしくご紹介します。

「下部尿路」とはどこのこと?

犬の尿は、血液から腎臓でつくられ、尿管、膀胱、尿道を通って排泄されます。この尿の通り道を「尿路」といいます。このうち、腎臓から尿管までを「上部尿路」、膀胱から尿道の出口までを「下部尿路」といいます。※イラスト参照

腎臓に運ばれた血液は、そこでろ過され、不要なものは尿となり膀胱へ、さらに尿道を通って体外へ排泄されます。一方、腎臓できれいになった血液を再び体へ戻されます。腎臓をはじめとする尿路は、体の中の浄化装置といえます。

「下部尿路疾患」とはどんな病気?

下部尿路疾患は、尿の中のミネラル成分が結晶化し、結石となる尿石症、結石や細菌がもとで炎症を起こす膀胱炎、結石が尿道をふさぐ尿道閉塞などの病気の総称です。結晶が小さければ、尿路を傷つけることなく排泄されるので、生活に支障はありませんが、石のように大きくなったり、結晶の量が増えると尿路に対する刺激や負担が増すため、血尿や頻尿が起こり、痛みをともなうケースも。また、尿道閉塞で尿が完全に排出されない状態になると、腎不全を引き起こし、命に関わるケースもあります。

「下部尿路疾患」のおもな3つの病気をご紹介します

「下部尿路疾患」と呼ばれる病気について症状をくわしくご紹介します。

1.膀胱炎

血液や尿道から侵入した細菌の感染や結石が膀胱の粘膜を傷つけることで、膀胱が炎症を起こす病気。膀胱炎が悪化し、細菌が腎臓にまで移動すると腎盂腎炎を起こすこともあります。また、膀胱炎の激しい炎症で膀胱の粘膜がはがれ落ちて固まり、プラーク(栓子)となって尿道閉塞の原因になることも。尿石症と膀胱炎を併発するケースは多いです。

2.尿道閉塞

膀胱内の結石のうち1個あるいは数個以上の結石が尿道に落ちて尿道をふさぎ、オシッコが出なくなってしまう病気。腎臓にも悪影響を及ぼします。尿道が結石で完全に閉鎖されて尿が出ない状態のまま放置すると急性腎不全にかかり、死に至ります。早急に尿道をふさいでいる結石を取り除く処置を施し、尿の排出を促します。

3.尿石症

尿に含まれるマグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分が固まって、結晶(結石のようなかたまりになる前の小さなもの)や結石ができる病気。腎臓や膀胱でつくられた結石は、尿管や尿道に落下し、これらのうち膀胱結石と尿道結石が下部尿路結石と呼ばれます。尿路の粘膜を傷つけたり、膀胱粘膜の肥厚が起こり、膀胱炎や尿道閉塞を招く原因にも。


下部尿路疾患はどんな犬にも起こりえる病気です。また寒くなる時期にも要注意と言われていますので、オシッコをする姿勢やオシッコの色などに異変があれば、迷わずにかかりつけ医に相談してくださいね。



参考/いぬのきもち19年1月号「寒さなどのストレスが原因になる⁉ あなたの犬は大丈夫? 犬がかかりやすい下部尿路疾患」(監修:埼玉県日高市・ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
イラスト/谷川彩子
文/melanie
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