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寝たきりの愛犬をもう一度走らせたい…飼い主さんが下した決断とは?

この特集では、難病や障がいをもった愛犬とその飼い主さんの、闘病や暮らしの様子をレポートします。
今回ご紹介するのは、4才のときに「上腕二頭筋腱損傷」という大ケガを負ってしまった吹雪ちゃんと、そのご家族である伊東さんご夫妻。
走るために生まれてきたような吹雪ちゃんが、まさかの事故で「走るのは難しい」と宣告されてしまいます。
事故直後、寝たきりになってしまった吹雪ちゃんの様子と、ご家族が下した大きな決断についてご紹介します。

1回目の記事|アウトドアやドッグスポーツで活躍していた愛犬がまさかの大ケガ!「もう走れない」と宣告され……

走るために生まれてきた愛犬が、寝たきりの状態に……

由樹さんと吹雪ちゃん。家のなかではおとなしい吹雪ちゃんですが、ディスクドッグの練習にくると表情も雰囲気もガラリと変わり、“早く投げてほしい!走りたい!”というモードになるそう。
ケガ直後の吹雪ちゃんは、なんとか歩くことはできたものの、トイレ以外はほぼ寝たきりの状態でした。
表情は暗く、食欲もなく、動けないストレスからか、まとわりつく同居犬を噛んだこともあったそう。

「ふだんは絶対にそんなことをしないのに。
動きたいのを我慢していることが伝わってきて、つらくて……」と数子さん。

由樹さんが言葉を引き継ぎます。

「もう、ディスクドッグはできなくていい。
釣りに連れていけなくていい。
でも、なんとかしてもう一度、走らせてあげたいと思いました」。

手術を受けずにリハビリでの機能回復に挑戦

一度は引退を考えたものの、様子を見ながらディスクドッグを再開した吹雪ちゃん。以前は長い距離を速く走るスタイルでしたが、今は短い距離で多くキャッチするスタイルに変更したそうです。


じつは以前スポーツをしていた由樹さん自身、似たケガの経験がありました。
その際、手術は行わず、リハビリとトレーニングを行い、ほかの部分の筋肉を補うことで克服。
人のスポーツ界では珍しくないこの方法について、「犬でも同じことができるのでは」と考え、動物のリハビリを行っている名古屋動物医療センターを訪れました。

「院長の陰山先生は話を聞き、くわしい検査で“左上腕二頭筋の上腕横支帯の損傷”と診断をしたうえで、『手術は行わないで様子を見ましょう。ほかの部分の筋肉で補うことで、走れるようになるかもしれません』と、理解を示してくれました」(由樹さん)。

前代未聞のリハビリとトレーニングを開始

ウィペットとしては珍しく、泳ぐのも大好きな吹雪ちゃん。水中でのリハビリを兼ねて、由樹さんの釣りにも再び同行するように。「でも、もう絶対に無理はさせません」と由樹さん。


それから伊東さん夫妻は、吹雪ちゃんをもう一度走らせるという目標に向かって動き出すことになりました。

数子さんは正しい知識のもと吹雪ちゃんの回復をサポートしようと、しつけトレーニング、ペットマッサージ、犬のホリスティック医療などの講習を受けて資格を取得。
由樹さんは犬の体の構造を学び、さまざまな獣医師に相談に行きました。
そして、競走馬なども診察する整形外科専門獣医師のアドバイスを得て、左前足の可動域を制限する“バンテージ”を製作したといいます。


次回は、飼い主さんによる熱心なリハビリ&トレーニングの様子と、奇跡的な復活を遂げた吹雪ちゃんの現状についてご紹介します。

※各情報は2018年9月15日現在の情報です。

出典/「いぬのきもち」2018年11月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
写真/浜田一男
文/江本直美
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