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「もう走れない」と告げられた愛犬が…飼い主さんと起こした奇跡

この特集では、難病や障がいをもった愛犬とその飼い主さんの、闘病や暮らしの様子をレポートします。
今回ご紹介するのは、4才のときに「上腕二頭筋腱損傷」という大ケガを負ってしまった吹雪ちゃんと、そのご家族である伊東さんご夫妻。
走るために生まれてきたような吹雪ちゃんが、まさかの事故で「走るのは難しい」と宣告されてしまいます。
しかし、飼い主さんによる熱心で丁寧なリハビリ&トレーニングの結果、徐々に以前の生活を取り戻しつつある吹雪ちゃんの様子についてご紹介します。

1回目の記事|ドッグスポーツで活躍の愛犬が大ケガ!「もう走れない」と宣告された飼い主は

2回目の記事|寝たきりの愛犬をもう一度走らせたい…飼い主さんが下した決断とは?

獣医師と連携しつつ、熱心かつ慎重なリハビリを行う

階段を上るリハビリを続けてきた吹雪ちゃん。ただし、階段を“下る”のはタブーで、下りは必ず写真のように抱っこなのだそう。


ケガの2カ月後から、数子さんが吹雪ちゃんのリハビリを始めました。
最初の3カ月は、ゆっくりまっすぐ歩く。
次の3カ月は、少しスピードを速めて。
その次の3カ月は、少し左右の動きを取り入れて。

「とにかく無理なく行うよう、気をつけました」(数子さん)。

また、後ろ足の筋肉を鍛えるため、毎日、近所の長い階段をいっしょに上ったといいます。
由樹さんは、流れの穏やかな川の中で、まっすぐ泳がせるリハビリを行ったそう。

「すると、リハビリをするうちに吹雪の元気が戻ってきました」と由樹さん。

愛犬から感じた、ディスクドッグへの熱い想い

走れるようになった今でも、写真のように、毎日30~40分かけて全身をマッサージ。ケガをした左前足はもちろん、負担がかかるほかの3本の足も丁寧に行ないます。


吹雪ちゃんは3本の足でバランスをとり、左前足を大きく動かさなくても歩く方法を習得していきました。
でもこのころ、由樹さんも数子さんも、吹雪ちゃんをディスクドッグに復帰させることは考えていなかったといいます。

「親心として、かわいそうかな、という思いがありました」(由樹さん)。

ところがある日、吹雪ちゃんが同居犬のディスクをくわえて由樹さんのところに持ってきました。
それを見て由樹さんは、「またディスクを追いかけたい」、吹雪ちゃんがそう伝えにきたと感じたといいます。

ディスクドッグの大会で見事に返り咲いた!

数子さんが吹雪ちゃんに装着しているのは、伊東さん夫妻が“バンテージ”と呼んでいるもの。左前足の可動域を制限するギプスのようなもので、整形外科専門獣医師のアドバイスのもと、由樹さんが手作りしたのだとか。


それからは、ディスクを取り入れたリハビリも開始。
前足を大きく動かさない競技スタイルに変更し、吹雪ちゃんが体の右側でディスクをキャッチできるよう、由樹さんの投法も猛練習したそうです。

そして、ケガから丸1年以上が経過し、なんと吹雪ちゃんは以前とほぼ遜色なく走れるようになり、ディスクドッグの大会に通年で参戦。
見事、表彰台に返り咲きました。

「でも、私たちにとって重要なのは結果ではありません。
吹雪が再び走れるようになり、吹雪らしく生きてくれていること。
そして、私たちが吹雪と最高の時間を過ごせていることなんです」(由樹さん)

※各情報は2018年9月15日現在の情報です。
出典/「いぬのきもち」2018年11月号『困難と闘う!……その先のしあわせへ』
写真/浜田一男
文/江本直美
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