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【獣医師監修】犬が水を飲まない、飲みすぎるときは病気の可能性が?

愛犬の飲水量に極端な変化が見られた場合は、病気のサインかもしれません。今回は「水と病気の関係」を探り、犬が水を飲まない場合のリスクや、飲みすぎるときに考えられる病気をご紹介します。犬に水を飲ませる工夫も解説するので、参考にしてみてください。

愛犬の飲水量が変わったら?

外で遊ぶ犬
getty
愛犬の飲水量の変化に気づいても、そのまま様子を見てしまう飼い主さんも少なくありません。

しかし、愛犬が急に水を大量に飲むようになったなど、1日に飲む水の量が大きく変わった場合は、病気の疑いがあるため注意が必要です。早めの受診で病気を早期発見できることもあるため、飲水量が急激に変化した場合は、迷わず動物病院を受診しましょう。

なお、1日に必要な飲水量の目安は、犬の体重によって異なります。たとえば、体重3kgの犬であれば250ml、4kgであれば300ml、5kgであれば350ml程度が目安です(※)。ただし、体質や運動量、季節、食事の種類などによっても飲水量の目安は変わってくるので、心配であればかかりつけの獣医師に相談してみてください。

※監修者が独自に算出した目安です。
※いずれもドライフードを主食とした場合。

水が足りないと熱中症のリスクも

横たわる犬
getty
水は体のあらゆる機能を動かしている大事な存在です。もし脱水を引き起こすほど飲水量が少ない場合は、体温調節がうまくできなくなり、命にかかわるおそれも。

また、高温時に水分が足りず犬が熱中症になると、体内の臓器などの働きが鈍くなり、元気がない、食欲がない、呼吸が荒い、よだれが大量に出る、吐く、下痢をするなどの症状が見られます。
さらに症状が悪化すると、40度以上の高体温が出るほか、ふらつきやけいれん、意識障害を起こすなど、深刻な体調不良を引き起こし、最悪の場合は死亡してしまうケースもあるため注意が必要です。

飲水量がやや少ない程度であれば、食事量が減ったり活動性が低下したりしますが、ただちに体に悪影響を及ぼすことはないでしょう。ただし、長期間少ない状態が続くと、尿路結石症などのリスク増加につながる場合もあります。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「【獣医師監修】犬の熱中症~原因と症状、対策、予防法、治療法について解説|いぬのきもち」

犬が水を飲みすぎるのは病気のサイン?

獣医師と犬
getty
高度の脱水時などに犬が大量に水を飲むと、体液が一気に薄まり「水中毒」になる場合が。
ただし、通常の環境下で犬が「水中毒」になることは考えにくく、飲水量が多すぎて病気が引き起こされることは、ほぼないといえるでしょう。

しかし、以下のような病気の症状として、飲水量の増加が見られる場合があります。暑い夏や運動の直後などは一時的に飲水量が増えることもありますが、ふだんと比べて極端に飲水量が増えたときは注意してください。

慢性腎臓病(まんせいじんぞうびょう)

腎臓の機能に支障をきたす「慢性腎臓病」は、犬の死因で上位を占める病気です。高齢による腎臓の機能低下が主な原因で、完治させるのは難しいでしょう。
慢性腎臓病を早期発見するためには、愛犬の飲水量に変化が見られた段階で、動物病院を受診することが大切です。血液検査で発見されることが多いですが、この場合、病状が進行しているケースが多いので注意しましょう。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「犬の慢性腎臓病とフード選び~症状と対策・食事療法」

糖尿病

「糖尿病」は、膵臓(すいぞう)で作られるインスリンが不足するなどして、血糖値が高くなる病気です。
血糖値が高くなると、余分な糖がオシッコとともに排出され、必要なエネルギーが体に取り込まれなくなることもあります。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「【獣医師監修】犬の糖尿病~原因、症状、治療法、予防のポイントを解説~」

ほかにもこんな病気のおそれが

ほかにも、子宮内に膿がたまる「子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)」や、副腎皮質からのホルモン分泌が異常になる「クッシング症候群」などにかかると、飲水量が増えることがあります。
詳しい症状などを知りたいかたは、以下の記事も参考にしてください。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「いぬのきもち【獣医師監修】犬の子宮蓄膿症~症状・原因・手術費用・術後のケアまで」

いぬのきもち WEB MAGAZINE「【獣医が教える】犬のクッシング症候群〜原因から治療のすべて〜」

愛犬に水を飲ませるためにできること

ボウルをなめる犬
getty
水は犬の体にとって欠かせないもの。健康のためにも、愛犬には水分をしっかりと摂らせるようにしましょう。愛犬があまり水を飲まない場合は、以下のように工夫してあげることも大切です。

ドライフードをウェットフードに切り替える

主食にドライフードを与えている場合は、水分量の多いウェットフードに切り替えることで、飲水量をカバーできます。とくにシニア犬には、水を無理に飲ませると誤嚥性(ごえんせい)の肺炎になるおそれもあるため、おすすめの方法です。

水を置く場所を増やす

家の中に水を置く場所を増やすことで、犬の目につきやすくなり、水を飲む量が増えることがあります。

水を入れる容器を変える

水を入れる容器の大きさや深さが愛犬の好みに合っていないと、水を飲む量が減ってしまうことも。愛犬が飲みやすいものを探してみましょう。

循環式の自動給水器を使う

循環式の自動給水器を使うことで、犬が流れる水に興味を示し、飲む量が増えることもあります。次の章で自動給水器のランキングをご紹介するので、参考にしてみてくださいね。

飲み水においしいニオイをつける

水に犬が好むニオイをつけると、よく飲んでくれることもあります。ささみのゆで汁、ペースト状のおやつ、犬用ミルクなど、愛犬の好きなものを少量溶かしてみてください。

いぬのきもちユーザーに聞いた!自動給水器ランキング

ひまわりの花と犬
getty
最後に、「いぬのきもちアプリ」ユーザーが選ぶ自動給水器ランキングをご紹介します。愛犬に水を与える際の参考にしてくださいね。
自動給水器ランキング
1位ジェックス
ピュアクリスタル ホワイト
ポンプで水を循環させながら、抗菌活性炭を使用したフィルターで汚れをろ過することで、きれいでおいしい水をつくる自動給水器。犬用は犬が飲みやすいボウル型になっており、犬種・飼育数・用途などに合わせて10種類から選べます。

>公式サイトはこちら
2位アイリスオーヤマ
ペット用自動給水機 PWF-200
活性炭入りフィルター付きの循環式自動給水器。アタッチメントを取り外しすることで、2通りの水流に切り替えることができます。

>公式サイトはこちら
3位ペティオ(Petio)
ディッシュ 給水器付き
ボトル型の給水器がついたウォーターディッシュ。水が少なくなると自動的に給水されます。

>公式サイトはこちら
ご紹介してきたように、水と病気にはさまざまな関係があることがわかりました。もし愛犬に極端な飲水量の変化があった場合は、動物病院を受診して病気の早期発見につなげましょう。愛犬を病気から守るためにも、きれいで適切な量の水を毎日与えてくださいね。
ランキング/2020年1月「いぬのきもちアプリ」内調査(回答者数 212人)
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監修/徳本一義(獣医師)
ペット栄養学会理事。日本獣医大学非常勤講師。大学卒業後、小動物臨床を経て、ペットフード会社で学術部門を担当。現在は、複数の獣医科大学の非常勤講師を兼任。ペットフード協会新資格認定制度実行委員会委員長。
徳本先生
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