飼い主さんがよかれと思ってしたことや、愛犬が好きすぎるあまりしていたことが、じつは愛犬のストレスのきっかけになっていたとしたら……。飼い主さんが「愛犬のため」と信じて行いがちな、よくあるNG行動をご紹介します。
1.しつけの練習を兼ねてゴハン前に1分以上マッテをさせる
ただ食べ物をガマンしているだけの状態。将来、食べ物に執着する犬になるかも(撮影/佐藤正之)
ゴハンを目の前にやたら長時間待たせるのは、じつは典型的なDOGハラスメント。愛犬にとってつらい状況が続くので、ストレスもたまります。練習の仕方によっては将来ゴハンに執着する犬になり、ボウルを触ろうとしただけで怒る犬になる可能性が。ゴハン時は興奮を抑えるためにオスワリをさせて。愛犬の前にボウルを置いて名前を呼び、意識がこちらに向いてアイコンタクトができたら、待たせたりしないで与えてOKです。
2.苦手なお手入れは一気にすませる
嫌なことが延々続く状況は、まさにハラスメント(撮影/佐藤正之)
一気に終えたほうがいいだろうと気づかってしていることが、愛犬からしたら嫌なお手入れがずっと続くのでストレスフルな状態。続けているとお手入れをもっと嫌がり、一切できなくなるかもしれません。苦手なお手入れは、むしろ小分けにして行いましょう。1日で終わらなければ、何日間かに分けてやってもOKです。
3.排泄のたびに陰部やお尻をゴシゴシ拭く
デリケートな部分なので、傷ついたり痛がったりしがち(撮影/佐藤正之)
愛犬をきれいにしたい一心で、陰部やお尻を強く拭いているケースを見受けますが、じつはこれもハラスメント。敏感な部位だけに、強く拭けばヒリヒリして痛がったり、皮膚を傷つけたりすることがあります。汚れが体についていないなら拭かなくてもOK。拭く必要があるときは、汚れた部分にウエットシートを静かに2~3回あてがい、押さえ拭きしましょう。
4.散歩中、ほかの犬に会うたびにあいさつさせる
ほかの犬が苦手だとしたら、愛犬にとってはハラスメントに……(撮影/佐藤正之)
ほかの犬と仲よくなってほしくて、散歩中ほかの犬に会うたびふれあわせたり、ドッグランへ連れていくのは考えもの。もし愛犬がほかの犬が苦手だとしたら、ストレスを感じてハラスメントに。犬好きな性格でない限り、無理にほかの犬と接触させなくてもOK。犬友達がいなくても、飼い主さんと良好な関係なら愛犬は幸せです。
いかがでしたか。DOGハラスメントは、受けたその場で愛犬を不快に思わせてしまうものが多いですが、のちのち影響が出るケースも。うっかり「ドグハラ」をしてしまっていないか、ときどき振り返ってみましょう。
参考/「いぬのきもち」2020年2月号『かわいがっているつもりのアノ行動が……じつはストレスになっていた! NO MORE! DOGハラスメント』(監修:戸田美由紀先生 日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター)
撮影/佐藤正之
文/サトウ