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犬にエビは食べさせてはいけない? えびの危険性や注意点についてご紹介

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お刺身などの和食からパエリアなどの洋食まで、様々な料理で活躍するエビ。飼い主さんの食べているものに、何かと興味を示してしまうワンちゃんもいるのではないでしょうか。お肉などを使った犬用の手作りごはんを与えることはあっても、エビなどを与えるイメージはあまりありません。「エビくらい問題ないんじゃない?」と思われる方もいるかもしれませんが、エビは生のままでは決して与えてはいけない食べ物です。生のエビには、犬にとって有毒になる成分が含まれています。そのため生のまま与えることによりアレルギーなどの症状が起きる可能性があり、最悪の場合命を落としてしまうこともあります。そんなエビの有毒な成分は加熱することで、ある程度無くすことができますが、アレルギーのリスクがゼロになるわけではないので注意が必要です。今回は犬にエビを与える際の注意点などについて、詳しくご紹介していきます。


監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )

エビの栄養素

黒皿に生の新鮮な海老
Tetiana_Chudovska/gettyimages

エビには犬にとって危険な成分が含まれていますが、健康の元になる成分も含まれています。エビに含まれる栄養素の代表的なものは、ビタミンE、ビタミンB12、タウリンです。ビタミンEは抗酸化作用があり、活性酸素などの有害なものから細胞膜を守ってくれます。細胞膜が傷つけられてしまうと皮膚病やがんになるリスクがあるため、ビタミンEは大切な栄養素の一つです。
ビタミンB12には、神経の働きや睡眠の調子などを整える効果があります。さらに貧血を予防する効果もあるため、元気に活動するために重要な栄養素です。
タウリンには、視力の低下や動脈硬化を抑える効果があります。犬はもともとタウリンを体内で生成することができますが、年齢を重ねると自分で十分な量を生成することが難しくなってくるため、食べ物やサプリメントで補ってあげる必要があります。

えびせんなどのエビの入ったおやつは大丈夫?

えびせんなどのおやつに入っているエビは加熱、乾燥されているものがほとんどのため、基本的には与えても問題は少ないはずです。しかし加熱、乾燥されていても大量に与えるとアレルギー症状を引き起こす可能性があるので、与える際は細心の注意が必要になります。犬にえびせんなどのおやつを与える場合は、少ない量から与えるようにしましょう。食べても問題ない量は、犬によってそれぞれ個体差があります。一度に多く与えてしまうとアレルギー症状が重いものになる可能性があるので、少ない量から与えて様子を見るようにすることが大切です。また、えびせんといっても人間用のおやつの場合、塩分などが高すぎるため、犬用のものを与えるようにしましょう。

生のエビは絶対にNG!犬にとってのエビの危険性とは

ライトルームの床の上のボウルから食べる黒と白のコーギーの肖像
KristinaKibler/gettyimages

冒頭でも触れた通り、犬に生のエビを与えることは絶対にしてはいけません。エビを食べたことで起こる症状は犬の健康状態に大きく影響し、命の危険にまで晒される場合があります。では具体的に、犬がエビを食べることによってどのような症状やアレルギーを引き起こしてしまうのでしょうか。ここではエビを食べることによる危険性や、誤って食べてしまった際の対処法についてご紹介します。

生のエビを食べるとビタミンB1欠乏症に

生のエビを犬に与えてはいけない一番の理由は、生のエビには「チアミナーゼ」という成分が含まれているからです。このチアミナーゼはビタミンB1を分解、破壊してしまうという効果があります。ビタミンB1は、身体の活動に必要なエネルギーの生成や神経伝達の働きに欠かせない栄養素です。そのビタミンB1が破壊されることにより、ビタミンB1が不足する「ビタミンB1欠乏症」という病気になってしまいます。この病気になってしまうと神経伝達機能の低下により、ふらつき、痙攣、筋力や視力の低下などが起き、生命の維持に支障をきたしてしまいます。そのため最悪の場合には生命の維持が困難になり、命を落としてしまうことになるでしょう。
また、生のエビでは、人でも心配される細菌感染(サルモネラ、リステリア)の心配もあります。

消化不良を引き起こす

エビを含むイカやカニなどの甲殻類は、犬にとってはとても消化に悪い食べ物です。犬は人間に比べ胃や腸のサイズが小さいため、もともと消化が得意な動物とは言えません。そのため消化の悪いエビなどを犬が食べてしまうと、消化不良を起こす可能性が高いです。
消化不良を起こすと、嘔吐や下痢を起こしてしまい食欲が低下してしまいます。たとえ加熱や乾燥してあるエビだとしても、大量に食べてしまうことで消化不良になってしまう可能性が高いため十分な注意が必要です。消化機能が発達しきっていない子犬や機能が衰えたシニア犬には、大事を取って与えない方が得策でしょう。
また、エビは実は脂肪分が多いため、これも子犬やシニア犬、基礎疾患を有する犬にはリスクとなるので注意が必要です。

アレルギーには要注意

人間にもエビアレルギーの人が多くいるように、犬にもエビアレルギーが存在します。エビには「トロポミオシン」というタンパク質が含まれており、この成分がアレルギーを引き起こす原因になります。トロポミオシンは加熱することで少しは減らすことができますが、完全には壊れにくい成分です。そのため、加熱したからと言って安心はできません。犬がエビによるアレルギーを起こすと、嘔吐、下痢、身体のかゆみ、脱毛、体温の低下や元気が無くなるなどの症状が現れます。アレルギーが起こるアレルゲンの量は犬により個体差があるので、注意しましょう。チワワなどの小型犬の場合だと、少ない量でもアレルギーを起こしてしまう可能性があります。

誤ってエビを食べてしまった場合の対処法

愛犬がエビを誤って食べてしまった場合は、犬の体調に変化がないかしっかりと様子を見てから対応しましょう。何らかの症状が出たときや生のエビを大量に食べてしまったというときは、健康に悪影響を及ぼす可能性が高いので早急に獣医師の元へ行き、診断を受ける必要があります。獣医師さんが治療に必要な情報を正確に伝えるために「いつ食べたのか」「どのくらいの量を食べたのか」をメモしておくなどして覚えておくことが大切です。乾燥されたエビを食べてしまった場合や少量のエビで留まったときは、犬の体調の変化を見逃さないように注意しておきましょう。ある程度時間が経っても症状が現れないという場合は身体への心配は少ないと判断していいかもしれませんが、少しでも心配な様子が見られた場合は躊躇せず病院に連れて行ってください。

エビの殻や尾は犬が喜んで食べることも多いですが、食べさせるつもりがなかったのに、犬が食べてしまった場合(口にした場合)、飼い主様は、どうにか出させようと慌ててしまうかもしれません。これに対して愛犬は「取らせないぞ」という気持ちからか、慌ててしまうのか、ゴクッと丸呑みしてしまうことも少なくありません。
こういった場合、硬い殻や尾が消化管に詰まってしまい腸閉塞を起こす危険性があることも合わせて理解し、冷静に対応してください

犬にエビを与える際の注意点

子犬のお食事
AVAVA/gettyimages

エビは基本的に犬にとって危険なものなので、なるべく与えないことが得策ではあります。しかしきちんとした処理や対処をしてあげることで、犬へのリスクを大きく抑えて、与えることができます。ここでは犬にどうしてもエビを与えたい場合の、安全な与え方について詳しくご紹介していきます。ここでご紹介する処理を怠ってエビを与えてしまうと、犬の健康に大きく関わってくるのでしっかりと覚えるようにしましょう。

エビの殻などは取り除きしっかりと加熱しよう

エビの固い殻や頭の部分を犬に与えてしまうと、消化不良をとても起こしやすくなってしまします。そのため調理する前にエビの殻と頭は必ず取り除くように心がけましょう。またエビの尻尾も消化しにくい部位なので、取り除くのを忘れないよう注意してください。
エビは、しっかりと加熱するようにしましょう。体調を壊す原因となるチアミナーゼは加熱することで、ほとんど減少させることができます。命の危険があるビタミンB1欠乏症にならないための、とても重要な処理です。しかし加熱したとしてもアレルギーの危険性が残っているので、与える量には細心の注意が必要になってきます。

犬にエビを与える時に生は厳禁、必ず加工加熱をしてから

今回は犬がエビを食べた際に起こる症状や、与える際の注意点についてご紹介しました。エビは犬にとって大きな危険を伴う食材です。しかし犬にとって危険な食べ物は、エビだけではなく他にもたくさん存在します。何も考えず、むやみに食べ物を与えることで愛犬の体調に悪影響が起きてしまう可能性や、生命の危機に陥る可能性があるということを理解しましょう。犬が欲しがったとしてもすぐに与えないで、健康に影響が出るのかどうかを調べてから対処することが犬の身体のためです。犬の身体に気を使い、健康的な日々を愛犬と過ごせるよう心がけましょう。

監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )



監修/獣医師 ペット栄養管理士 佐野忠士先生(酪農学園大学 准教授 )
博士(獣医学)東京大学。
所属学協会:日本獣医麻酔外科学会、日本獣医救急集中治療学会、日本麻酔科学会、日本獣医学会、日本獣医師会 / 北海道獣医師会、動物臨床医学会、日本動物病院福祉協会、日本動物リハビリテーション学会
著書:「犬と猫のリハビリテーション実践テクニック―ひと目でわかる理学療法の必修ポイント!!」(インターズー)、「動物医療チームのための痛みのケア超入門(as BOOKS)」(インターズー)など多数。

文/BE
※一部写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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