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シニア犬に多い「甲状腺機能低下症」の多様な症状
「甲状腺機能低下症」は、甲状腺自体の炎症によって甲状腺ホルモンが作られなくなる、足りなくなる病気です。シニア犬に多くみられる、甲状腺機能低下症の症状について、いぬのきもち相談室の獣医師が解説します。
「甲状腺機能低下症」の症状はさまざま

甲状腺機能低下症でみられる症状や変化は、その犬によってさまざまで、発症すると、甲状腺から分泌されるホルモンが低下するため、元気や覇気がなくなります。
例えば、元気がなく寝てばかり/動作が鈍い/散歩に行きたがらない/代謝が下がってそれほど食べていないのに太りやすくなる/皮膚の状態が悪い/皮膚の黒ずみ/脱毛/膿皮症外耳炎/などの変化がみられます。
脱毛は尻尾の一部から全身に起こることもあり、1本1本の毛が細くすぐ切れてしまう子犬のような被毛になります。
他にも、心機能の低下による不整脈や徐脈、顔の筋肉が下がって悲しげな表情が特徴のムーンフェイスなどがみられることもあります。
甲状腺機能低下症の治療方法

甲状腺機能低下症の治療は、血液検査でホルモンの値を測定しながらホルモン製剤で補充を行い、適正な数値になるように調節していきます。
ホルモン製剤は、多すぎても過剰症になってしまうので、定期的な検査と投薬が一生涯必要です。ホルモン値が正常範囲に安定すれば、これまでのように元気に過ごすことができます。
老化と思っていると気が付きにくい病気

シニア犬になると「年のせいかな?」と思いがちの症状が増えてきます。甲状腺機能低下症は、老化による変化と同じような症状が多く出てくるため、見過ごしやすい病気です。
また、症状がなくてもホルモンの値が異常を示すこともあるため、定期的な健康診断を受けることが大事です。愛犬が7歳を過ぎたら、年に2回は健康診断を受けることをおすすめします。
甲状腺からは身体を元気にするホルモンが分泌されているので、愛犬の元気がなくなってきたなど体の変化を感じたら、加齢や性格だと判断せずにまずはかかりつけの先生に相談しましょう。
監修:いぬのきもち獣医師相談室
文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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