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犬にまつわる事件簿 愛犬の腎臓病を悪化させたとして、かかりつけ医が訴えられた!

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ホントにあった、犬にまつわる事件簿を紹介!

過去に実際に起こった犬がらみのトラブルと、それに対して裁判所から下された判決について解説します。同じような事件が起こった場合の参考になります。

今回ご紹介するのは、東京地方裁判所で平成25年1月31日に判決が出た事例です。

※この記事の解説は、ひとつの例にすぎず、まったく同一の解決・判決を保証するものではありません。個々の事件の判決については裁判所に、解決策はその当事者に委ねられます。

お話してくれたのは……渋谷 寛先生

弁護士/渋谷総合法律事務所。ペット法学会事務局次長。動物の医療過誤訴訟を担当するなど、ペットと法律の問題に力を注ぐ。共著に『Q&A ペットのトラブル110番』(民事法研究会)など。

愛犬の腎臓病が手遅れの状態まで悪化した!

かかりつけ医のもと、約2年投薬と食餌療法を受けた

病名を診断されたときには、すでに回復不能な状態だった(イラスト/別府麻衣)
病名を診断されたときには、すでに回復不能な状態だった(イラスト/別府麻衣)

Aさんは、愛犬の食欲のムラが気になり、かかりつけの動物病院を受診しました。尿検査の結果、獣医師のBさんはAさんの愛犬に慢性の腎機能低下を疑い、まずは食餌(しょくじ)療法を、次に投薬治療を開始。しかし、2年ほどが経過しても、愛犬の病状は改善することがなく、Aさんは愛犬を大学付属の動物病院に診せることを決めました。そこで新しく疑われた病名は「糸球体腎炎(しきゅうたいじんえん)」。しかし、そのときには、愛犬の腎機能はすでに回復が難しい状態まで悪化していました。Aさんは、病気の特定と投薬治療の開始が遅れたのはかかりつけ医のBさんの医療ミスだったとして、裁判を起こしました。

治療には問題がなく、飼い主さんが敗訴した

Aさんは、裁判で、Bさんが自宅を訪問して謝罪したことにふれ、Bさんが「医療ミスを認めた」と主張しました。しかし、裁判所は、「糸球体腎炎」を強く疑わなかったこと自体は、獣医師の注意義務違反にはあたらないとしました。また、Bさんの治療法と大学付属の動物病院での治療法を詳細に検討し、Bさんがたとえ早期に「糸球体腎炎」を疑っていたとしても、できる治療法は変わらなかったと結論づけます。裁判所は、Bさんは食餌療法を開始する際、選択肢としてAさんに投薬治療も提案していた事実にも言及し、Aさんの550万円にも及ぶ損害賠償請求を全面的にしりぞけました。

判決は……飼い主さんの損害賠償はしりぞけられた!

かかりつけ医の治療は適切だったと認められた(イラスト/別府麻衣)
かかりつけ医の治療は適切だったと認められた(イラスト/別府麻衣)

大切な愛犬が病気になったときは、気持ちが動転してしまうこともありますが、そんなときこそ、愛犬の病状や治療法について、落ち着いて獣医師と話し合い、納得できる治療を受けられるようにすることが大切です。また、診療結果に疑問をいだいたり、心配な場合は、早い段階でセカンドオピニオンを求めるといいでしょう。

参考/『いぬのきもち』2015年6月号「ホントにあった犬の事件簿」
イラスト/別府麻衣

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