愛犬が前足をなめ続けていたり、体に原因不明の脱毛があったり…。 じつは、そんな皮膚トラブル、身近なことが原因となっているかもしれません。今回は、皮膚トラブルが治りにくくなる意外な原因についてご紹介します。
ストレスで皮膚病が治りにくくなる⁉
犬の皮膚トラブルには、細菌性の皮膚炎や寄生虫などさまざまな原因があります。しかし、そんな皮膚トラブルをしっかり治療しても、皮膚をなめる・噛む・かくなどの行為がやめられず、ただれや脱毛を引き起こす場合があります。じつは、その原因のひとつはストレスだと考えられています。「心因性皮膚炎」という病気で、人と犬が密接な生活をするようになってからよく見られるようになりました。
どんなことが愛犬のストレスになるの?
なめる頻度が高くなると毛が赤茶色に変色するので、毛の色の変化も気をつけて見ましょう
ストレスになる原因は犬のよってさまざま。多いのは、散歩不足や不適切な居場所(ハウス)がストレスの原因になるケースです。具体的には、長時間の散歩が必要な犬種にもかかわらず散歩の時間が短い、小型犬だからと散歩に行かない、夜遅くまで明るいリビングにハウスを置いていて愛犬が眠れない、犬専用の居場所(ハウス)がない、などです。
ほかにも、飼い主さん家族のケンカ、引っ越しによる環境の変化、分離不安症によるものなどがあります。
こういったストレスにさらされ続けると、皮膚病などをきっかけになめたりかいたりする行為が、ストレスを紛らわす行為となってやめられなくなるのです。
ストレスを減らすためには?
ニオイかぎさせてもいい場所を選んでさせてあげても。愛犬はリフレッシュできます
犬にとっての楽しみは、ゴハンや散歩です。食べすぎにならない程度にフードにトッピングをしたり、おやつを与えたりして愛犬の満足感をアップさせましょう。
散歩も気分転換になるのでとても大切。散歩中のニオイかぎがストレス発散になる犬もいるので、かいでもいい場所を決めて、ニオイかぎを楽しませてもいいですね。
また、犬は囲まれた場所だと安らぎを感じやすいため、愛犬の居場所となるハウスやケージの上から布をかけるだけで、1頭で落ち着ける快適な空間になります。
ぜひ愛犬の立場に立って楽しみや安心を与え、ストレスを減らしてあげましょう。
参考/いぬのきもち5月号「犬の現代病ファイル Vol.12 心因性皮膚炎」(監修:斉藤動物病院院長 齊藤邦史先生)
イラスト/フジマツミキ
文/melanie