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犬の「番犬」しつけはもう時代遅れ! 最新科学にもとづいた「現代」のしつけと、その未来

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しつけは時代に合わせて「進歩」しています

はるか昔から、犬は人間のパートナーとして暮らしてきました。そして時代の変化に伴い、犬をとりまく環境もどんどん変化してきています。「犬といえば外飼い」がスタンダードだった時代から、室内犬が多数の時代へ移り変わり、飼い主さんの「家族」としての犬の存在意義もより大きくなってきました。少子高齢化も進み、単身世帯が増え、人の関係が薄れるなか、犬はあるときはきょうだい、または巣立った子ども、亡くなった親など、それぞれの人が家庭の中に求めるニーズに上手に適応してきたといえるでしょう。
15年ほど前には、犬を「家族同様の存在」と表現する人が多数派でしたが、現在では「家族」「それ以上」と答える人も増え、家庭内で犬の果たす役割がより重要視されてきているようです。

これに伴い、獣医療や動物行動学も進歩し、犬のしつけに対する考え方も変化してきました。昔のしつけと現代のしつけでは、何がどう変化したのか、見てみましょう。

「番犬」から「家庭犬」へ

昔は体罰を与え、恐怖で従わせていた

体罰で恐怖を与えることで、指示に従わせていた(撮影/佐藤正之)
体罰で恐怖を与えることで、指示に従わせていた(撮影/佐藤正之)

かつて犬は、玄関先や門のそばなどの犬小屋で、吠えて不審者を追い払うための番犬として飼われていました。スキンシップの機会も多くなく、夜は放し飼いにして犬だけで散歩をさせる飼い主も少なくありませんでした。

そんな環境下で重宝されていた犬が、飼い主に服従し、他人を警戒して吠える犬です。いわゆる「番犬」として育てるために、叩く、押さえつけるといった体罰を与え、ゴハンを食べる前に我慢をさせる「オアズケ」を教えるなど、不審者に餌付けられないようしつけられていました。

現代では、科学で効果が証明されている「ほめしつけ」へ

飼い主さんと愛犬の関係性を重視したしつけへ(撮影/佐藤正之)
飼い主さんと愛犬の関係性を重視したしつけへ(撮影/佐藤正之)

そんななか、2003年になると、室内飼いの数が外飼い犬の数を上回るようになります。家庭の中での愛犬の存在感が高まり、番犬としてではなく、いっしょに暮らし、いっしょに出かけ、楽しい時間を共有できる家族のような存在=コンパニオン・ドッグとして育てるための、現代の飼い方へと大きく変化を遂げたのです。

また、動物行動学などの研究も進み、家庭犬として育てる以上、叱ったり罰を与えてしつける「訓練」の方法よりも、より効果的な「ほめしつけ」のほうが効果的だとわかりました。たくさんほめることで、犬が飼い主さんのことを大好きになり、円満な関係を築きながら家庭犬として暮らしていくためのしつけにシフトしていったのです。

一生を通じて「犬と向き合う」社会へ?

犬も人も幸せな未来へ(撮影/佐藤正之)
犬も人も幸せな未来へ(撮影/佐藤正之)

現在は、飼い主さんが愛犬を孫のようにかわいがり、甘やかしてしまいがちな一面も指摘されていますが、さらに未来ではどうなっていくのでしょうか。

現代では、犬との暮らしが人にもたらすプラス効果が実証され、犬と入所できる老人ホームなども生まれてきています。今後、犬が人の健康面に与える医学的・社会的効果がさらに明らかになれば、犬はより「社会的な存在」と認められ、社会で受けられる権利や社会保障も充実するでしょう。
それに伴い、多くの人に子犬だけでなく成犬の魅力も伝わり、犬の終生飼養を求める意識が社会全体で高まっていくと考えられます。たとえば、ドイツなどのように、事情があって飼えなくなった犬を引き取り、お世話をしながら飼い主さんを探す公営のシェルターが増え、新たな犬をそこで探す人が増えるでしょう。
また、犬の保育士や精神科医など、犬のQOLを高める職業も人気が出るでしょう。

こうして、未来では、犬と「なんとなく共存」していた社会から、社会全体で犬の一生に責任をもち、「意識的に犬と向き合う」社会へ変わっていくでしょう。そこでは、飼い主さんたちにも「愛犬にしっかりしつけをし、社会で認められる犬になるよう育てたい」という責任感もきっと芽生えていることでしょう。

飼い主さんも変化していこう!

犬の総飼育頭数は年々減少してきています。この流れは今後も続きそうだといわれていますが、裏を返せば、「犬を飼うには手間と愛情が必要」という意識が定着した表れともいえます。
飼い主さんの意識も時代に合わせてどんどん変化していけば、犬も人も一生幸せでいられる、素敵な未来が待ち受けていることでしょう。

参考/『いぬのきもち』2017年6月号「過去・現在から見えてきた 犬との未来大予想」特集(監修:「Can ! Do ! Pet Dog School」代表 西川文二先生、ヤマザキ学園大学動物看護学部動物看護学科准教授 新島典子先生ほか)
写真/佐藤正之
文/影山エマ

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