大規模災害が発生すると、電気、水道、ガスといったライフラインが停止し、利用できなくなるケースも少なくありません。そこで今回は、災害時にライフラインが停止してしまった際に、犬と暮らすご家庭で取るべき対策などについて解説します。
「水道が止まってしまった」とき、愛犬のウンチはどう処理する?
断水時に愛犬のウンチを処理するときは、防臭性の高いビニール袋などに入れ、生活環境から遠ざけて保管しておくのがベストです。また、避難所のマンホールトイレは下水処理施設につながっているため、まとめて流しに行くのもいいでしょう。
自宅に庭がある場合は 、隅に穴を掘って埋めるのもひとつの手です。
なお、断水時に非常用の水を使うなどして水洗トイレに愛犬のウンチを流してしまうと、破損箇所から噴き出るなどのトラブルが起こり、復旧が遅れる原因となります。復旧の案内があるまでは、水洗トイレの使用は避けるようにしてください。
「電気が止まってしまった」とき、愛犬の暑さ対策はどうすればいい?
犬は人よりも暑さに弱い動物です。大規模災害で停電するとエアコンは使用できなくなるため、暑い時期であれば、愛犬の体温を下げる工夫を徹底的に行いましょう。
こまめにブラッシングをする
こまめなブラッシングで愛犬の体に残った不要な毛を取り除くことで、体温を下げる効果が期待できます。毛を短くカットする方法もありますが、過度なカットは紫外線による影響を受けやすく、皮膚炎を起こすおそれもあるので十分注意してください。
散歩や運動は早朝に行い、水分補給を徹底する
夏場であれば、愛犬の散歩や運動は日が昇る前のいちばん涼しい時間帯に行いましょう。また、こまめに新鮮な水や経口補水液などを与え、きちんと水分補給させるのも重要です。日中は打ち水なども効果的。
暑そうにしているときはわきの下などを冷やす
呼吸が荒い・舌が真っ赤になっているなどの様子が見られるときは、わきの下など、太い血管が通っている場所を冷やしてあげましょう。冷やすときは水が入ったペットボトルなどがあると便利です。
ライフラインがストップしたときを想定して準備を
ライフラインがストップしたときを想定して、水を備蓄しておくことも大切です。
ちなみに、犬に必要な1日の飲水量は体重1kgあたり90ml程度とされていますが、これはあくまで必要最低限の量。体を拭くなどの生活用水や、人用を含めると1日にかなりの量が必要になるため、水はできるだけ多く確保しておきましょう。
ウォーターサーバーがあると、緊急時はタンクの中の水がそのまま備蓄水になるので◎
災害時に水道などのライフラインが止まってしまったときは、寄生虫や感染症の蔓延を避けるため、いつも以上に公衆衛生を守ることが求められます。愛犬の安全のためにも、飼い主さんができることをしてあげましょう。
参考/「いぬのきもち」2020年9月号『地震、台風、ウイルスに備え、ドリル形式でおさらいしよう!防災ドリル’20>>>’21』(監修:防災士 動物福祉活動家 成田司先生)
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。