犬と暮らす
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犬の「気づきにくい病気」に気づくための4つのヒント
愛犬に忍び寄る病魔に、どう気づく?
しかし、野生で活動していたころの本能の名残により、自分が弱っていると敵に気づかれないように、犬自身がガマンして症状を隠してしまったり、肝臓や膵臓など、そもそも痛みや症状があらわれにくい臓器もあります。
さらには、たとえ愛犬に異変が起こっても「年を取って落ち着きが出てきたからかも」「このコはもともとウンチがやわらかいから」「食欲はあるから大丈夫だろう」など、飼い主さんが病気の症状を老化やクセと勘違いしてしまうこともあるのです。
手遅れにならないためにも、気づきにくい病気に気づくためのヒントをご紹介しますので、思い当たるものがないかチェックしましょう。
うちのコはちょっと頭が大きい?
子犬期に見つかることが多い、ほぼ先天性の病気です。脳内(脳室)に脳脊髄液という液体が過剰にたまり、脳が圧迫されるので、けいれん発作や視覚障害などの症状が出ます。先天性の病気のため症状が出るまで気づきにくいですが、きょうだい犬より頭が大きかったり、成長が遅かったりする場合もあります。
<ここをチェック!>
・おでこが大きく出っぱっている
・ものによくぶつかる
・両目がそれぞれ外側を向いている
・回るしぐさをする
・なでられるのを嫌がる
……など
ちょっと頻尿ぎみかも…
膀胱はオシッコをためておき、排出するための器官ですが、この内部にできもの(ポリープ)が発生すると、オシッコするときに詰まったり、粘膜が炎症を起こすことも。重症化すると命にかかわる場合もあります。とくに尿道付近のポリープは見つけにくく、「愛犬のオシッコはいつもこうだから」と見誤ると、気づくのが遅れがちになってしまいます。
<ここをチェック!>
・頻繁にトイレに行く
・オシッコを出しづらそうにする
・オシッコに血が混じる
・トイレが長い
……など
おとなしい性格になってきた…
<ここをチェック!>
・元気がない
・以前よりおとなしくなった
・寒がりになる
・散歩を嫌がる
・顔つきが寂しそうになる
……など
よく下痢をする
これは、大腸菌などの細菌がさまざまな経路から侵入し、子宮の中で増殖して炎症を起こす、メス特有の病気です。若い犬でも見られますが、とくにシニア犬期で避妊手術を受けていない犬で多く見られ、発症すると子宮にたまった膿(うみ)が外陰部からもれることがあります。これを下痢と勘違いしてしまい、発見が遅れるケースが多いようです。
<ここをチェック!>
・水をたくさん飲む
・元気や食欲がない
・生理が長い
・オシッコ量が多い
・下痢をする
・よく吐く
……など
小さな異変を見逃さないで
参考/『いぬのきもち』2019年2月号「飼い主さんが気づきにくい犬の病気」(監修:東京動物医療センター副院長 南 直秀先生)
症例写真提供/東京動物医療センター
イラスト/ササキサキコ
文/影山エマ
※この記事では、少しでも多くの犬に当てはまるよう、監修の先生の経験や見解をもとに、とくに気をつけたい病気や症例をまとめています。犬によっては当てはまらないケースもありますので、迷ったときは必ず動物病院で受診しましょう。
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