犬は基本的によく眠る動物なので、睡眠不足についてはそこまで気にする必要はありません。しかし、ウトウトしている時間が増えたなど、愛犬の睡眠に変化がみられたときは要注意。睡眠を妨げているものはないか、原因を探ってみましょう。
犬の睡眠不足を引き起こす原因とは
犬の睡眠不足の原因はさまざまですが、睡眠環境に対してストレスを感じて眠りが浅くなり、その結果、睡眠不足になってしまうケースが多いようです。
例えば、家族構成の変化や引っ越し、模様替えなどによって環境が変わると、犬は安心して休める居場所がなくなることなどが挙げられます。また、日中連日にわたり工事をしている、飼い主さんの生活が不規則になるなどの変化で犬の睡眠を妨げる刺激が増え、睡眠時間が足りなくなることもあります。
そのほか、認知症や皮膚病などの病気が原因で、睡眠不足を引き起こすケースもあるでしょう。
犬が睡眠不足になるとどうなる?
睡眠不足の状態が1~2日続く程度なら、大きな問題はないでしょう。しかし、犬にとって睡眠は、日中の活動で使ったエネルギーの回復や、脳のメンテナンス、免疫力のアップなどの重要な役割があるため、睡眠不足が慢性化している場合は注意が必要です。
犬が睡眠不足になると、ちょっとしたことでもイライラするようになり、ストレスのたまりやすい状態になるほか、食欲不振や免疫力の低下などを引き起こし、あらゆる健康被害につながるおそれがあります。
犬が睡眠不足のときにみせるサイン
犬が睡眠不足になると、以下のようなサインがみられることがあるので、愛犬の様子をよく観察することも大切です。
小さい物音でも敏感に起きる
眠りが非常に浅い「傾眠(けいみん)」の傾向が強く、いつもウトウトしているような場合は要注意。長く続く場合は、病気の疑いもあります。
散歩をするとすぐに疲れる
病気でもないのに、散歩などで運動するとすぐ疲れたり、運動を嫌がるようになったりしたら、睡眠不足の疑いがあります。
常に緊張していて落ち着きがない
眠ってもすぐに起きてウロウロするなど、愛犬の睡眠に変化がみられたときは注意が必要です。環境変化などのストレスで、ぐっすり眠れていないのかもしれません。
夜に突然起きて吠えることがある
珍しいケースではありますが、呼吸器に何らかの問題があると寝苦しくなり、なかなか眠れなくなってしまうことがあります。
睡眠不足のサインがみられたら動物病院へ
犬が健康に暮らすためには、十分な睡眠が欠かせません。今回ご紹介したようなサインなど、何か異変を感じた場合には一度動物病院でしましょう。
参考/「いぬのきもち」2020年12月号『睡眠のしくみと快眠のコツを知ると愛犬が長生きに!?犬の睡眠と健康』(監修:獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授 増田宏司先生、SHIBUYAフレンズ動物病院院長 日本獣医皮膚科学会所属 滝田雄磨先生)
文/ハセベサチコ
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