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椎間板ヘルニアだけじゃない⁉ 実はいろいろある「犬のヘルニア」を深堀り

ヘルニア、と聞くと「椎間板ヘルニア」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? しかし、犬のヘルニアには椎間板ヘルニア以外にも種類があります。
今回は椎間板ヘルニア以外の犬のヘルニアについて深堀りしながら紹介します。

そもそも「ヘルニア」ってどういう状態のこと?

「ヘルニア」とは、体内に裂け目や隙間ができることにより、臓器が正しい位置からずれ、飛び出した状態をいいます。そのずれが起こった部位を頭につけて「〇〇ヘルニア」と呼ぶのが一般的。
椎間板ヘルニア以外で、犬に多いヘルニアは
「会陰へルニア」「横隔膜ヘルニア」「そけいヘルニア」「臍ヘルニア」
今回はこの4つについて、詳しくご紹介します。

お尻まわりから臓器が飛び出す「会陰ヘルニア」

ウンチを出しにくそうにするなどの症状がみられます
会陰部(肛門の周囲)の筋肉が薄くなり、あいた隙間に膀胱や腸、脂肪などが飛び出してしまう状態を「会陰ヘルニア」といいます。

先天性のケースや、高齢になって筋力が低下することで起こる後天性のケースがあります。
「吠えておなかに力が入る」、「便秘で排便時に踏ん張る」など、過度に圧力がかかることが発症の可能性を高めるといわれているため、吠えグセのある犬や排便の際に力まざるをえない便秘の犬などは注意が必要です!

おなかの臓器が胸のほうに飛び出す「横隔膜ヘルニア」

運動するとすぐに疲れてしまうなどの症状が出ます
胸腔と腹腔の間にある横隔膜の一部が裂け、おなかの臓器が胸腔側に飛び出してしまう病気です。
交通事故による外傷性が約85%と原因の大半を占めていますが、先天的に横隔膜に異常のある犬も5~10%います。また、外傷性にもすぐに症状の出る急性型と、少しずつ裂け目が広がっていく慢性型があり、多くは受傷後、数週間たって発見されます。

先天性の多くは無症状で、エックス線やCTなど、ほかの病気の検査で偶然見つかることが多いです。

後ろ足の付け根から臓器が飛び出す「そけいヘルニア」

後ろ足のつけ根がふくらむ、食欲不振などの症状が出ます
後ろ足のつけ根部分にある鼠径管(そけいかん)の穴が広がり、そこから腸などの臓器が飛び出すのが「そけいヘルニア」です。
生まれつき鼠径管に異常があるケースや、事故などによる外傷がきっかけで発症することが多いですが、まだ原因がはっきりしていない病気でもあります。初期段階では痛みがないことが多いため、日ごろからそけい部がふくらんでいないか、まめに確認することで早期発見に努めましょう。
嘔吐や食欲不振などの消化器症状が出るほどの状態になると、手術が必要になることもあります。

おへそ部分の腹壁から内臓が飛び出す「臍ヘルニア」

おへそ付近がふくらんで、でべそのように見えるのが特徴です
おへその部分の腹壁が閉じきらずに穴が残り、おなかの脂肪や臓器が飛び出すのが 「臍ヘルニア」 です。
おへそは胎児のときに血管などで母体とつながっていますが、生まれたあとに穴が閉じるのが普通です。この穴があいたままになると、そこから内臓が飛び出します。ほとんどの場合が先天性で、外傷によって起こった場合も先天性の臍ヘルニアが悪化したものである可能性が高いです。また、 遺伝性の病気と考えられています。
いかがでしたか? ヘルニアは、愛犬がなんらかの症状を訴えたときには進行している可能性が高い病気です。早期発見のために定期的な健康診断をして、愛犬を守りましょう!
参考/いぬのきもち2020年11月号「犬のヘルニアってどんな病気?」(監修:エルムス動物医療センター・センター長 高瀬雄行先生)
イラスト/上垣厚子
文/melanie
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