愛犬の目の異変は、近くにいる飼い主さんが早めに気づいて対処してあげないと、病気が進行してしまうこともあります。
今回は犬がかかりやすい目の病気のひとつである「角膜炎」について、症状や予防法などをご紹介します。病気の特徴を知って、早期発見に役立てましょう。
※記事内では目の病気のリアルな症例写真を掲載しています。閲覧にはご注意ください。
角膜炎ってどんな病気?
目の表面をおおう透明の膜「角膜」に炎症が起こる病気です。角膜炎は種類が多く、原因も多岐にわたります。代表的な症状としては、涙や目ヤニの量が増えて目のまわりが汚れたり、充血や目の表面に濁りが見られることも!
角膜炎の種類をいくつかご紹介します。
※ここで紹介するのは、角膜炎の種類の一部です。
角膜に傷ができる「角膜損傷」
散歩中などに枝や草が目に入るなどして目が傷つき、炎症を起こすのが角膜損傷です。とくに充血やかゆみの症状が出やすく、犬種に関わらず犬全般にかかりやすい病気なので、注意が必要です。
弱い刺激で角膜が変色する「色素性角膜炎」
ドライアイなどで、角膜に慢性的な弱い刺激が続くことで角膜に黒ずみが出る病気。とくに6才以上のパグ、シー・ズー、フレンチ・ブルドッグなどの短頭種がかかりやすい傾向にあります。
角膜の表面がはがれる「特発性慢性角膜上皮欠損症」
角膜上皮層と呼ばれる角膜の表面の層がはがれやすくなり、本来数日程度で完治する角膜の炎症が直りにくくなる病気。6才以上の柴やウェルシュ・コーギー・ペンブロークなどがかかりやすいといわれています。
角膜内に血管が伸びる「慢性表在性角膜炎」
自己免疫や紫外線などが原因で、角膜に血管が伸びたり、肉芽ができる病気。目が白く濁るなどの症状が出ることもあります。ジャーマン・シェパード・ドッグ、グレーハウンドがかかりやすいといわれています。
角膜炎の早期発見や予防法は?
角膜炎は目への刺激が原因となることが多いため、散歩中の草や枝が目に入らないように注意して歩きましょう。また、角膜炎になると目の違和感から、前足で目をかくしぐさやまばたきが増えることも。目の充血や涙や目ヤニが増えることもサインになりますから、そのような異変が見られたら早めに受診しましょう。
いかがでしたか? 角膜炎はさまざまな原因で起こるので、原因を特定するため、異変が見られたら動物病院で診てもらうようにしましょう!
参考/いぬのきもち2021年3月号「病気の特徴を知って目の健康をキープしよう! 目の病気プチ事典」(監修 杉並区浜田山・マスナガ動物病院院長 増永朗先生)
写真提供/マスナガ動物病院
文/melanie