犬と暮らす
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わざと「オコ顔」をさせるのはリスクが!オコ顔をしている犬をからかってはダメな理由
鼻の上にシワを寄せた犬の表情のことで、SNS上などでは、愛犬に「オコ顔」をさせて、その様子を投稿していようなケースを見かけることも。
でもちょっと待って!
見ていておもしろいからと、愛犬をわざと「オコ顔」にするのは、じつはさまざまなリスクがあり、あまりおすすめできません。
その理由について、犬の気持ちも含めてご紹介します。
わざと「オコ顔」をさせるのは、実はハイリスク!
これは、「それ以上やったら本気で怒るよ」という忠告を兼ねた表情。
無駄な争いを避けるために、一生懸命相手に「怒っているからもうやめて」「イラついているから近づかないで」などと思いを伝えているのです。
この顔を見せると同時に、うなり声を出す犬も多いです。
「オコ顔」は愛犬の“イラつき”を知らせる表情
●鼻上が引きつって、シワが寄る
●耳は少し前に傾くことが多い
●目が鋭くなり、眉間(目と目の間)が寄る
●しっぽの先を低い位置で振ることもある
といった点が見られます。
「オコ顔」を何度もさせ続けると……
ですから、「あらあら、そんな怖い顔をしたらダメじゃない」と、その犬に注意する人がいたとすれば、それは人のほうが間違い。
「おもしろい顔をするな~」とからかうのも、犬の気持ちを踏みにじっているような状態です。
犬は自分の感情を素直に伝えているだけで、ダメなこと、間違ったことは何ひとつしていないのです。
怒る犬の気持ちをくまずに、「オコ顔」をせざるを得ない状況が続けば、犬は人に対して攻撃行動に出るおそれもあります。
「こちらが怒っていると言っているのに、それだけでは伝わらないみたいだ」と判断して、噛んできたりするのです。
こうなると、噛まれるだけでなく、お互いの関係性も悪化しかねません。
もし愛犬が飼い主さんに対してこの顔を見せたのなら、すみやかにその場から離れることも、攻撃行動につなげないひとつの方法です。
虚勢を張った怒りを見せることも
耳を倒して、腰をひきぎみに怒っている場合には、根底に不安や恐怖があるにもかかわらず、虚勢を張って怒っているような状態です。
愛犬がこんな表情を浮かべるような機会を増やそう!
「安心する♡」「落ち着くな~」と思っているのです。
安全な状況と分かっているので、目は閉じぎみに、耳は倒れがちになります。
口元は緩んで、舌を出していることも。
愛犬には、こんな表情を浮かべる機会が増えるよう接したほうが、お互いの関係性向上にも役立ちます。
愛犬の気持ちをくみ取ろう
犬は人と同じように、感情豊かな動物です。
愛犬の気持ちを正しくくみ取れるよう、日ごろから愛犬の表情や行動、前後の状況などをよく観察するように心がけるとよいですね。
参考/「いぬのきもち」2019年5月号『その顔は、どんなきもち?』(監修:Canine Relationz主宰 藤本聖香先生)
イラスト/くるみ るか
文/h.taco
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