犬の「クッシング症候群」という病気を知っていますか?
副腎皮質機能亢進症とも呼ばれ、腎臓のそばにある副腎という臓器から、コルチゾールと呼ばれるホルモンが過剰に分泌されることによって起こる病気です。
今回はクッシング症候群について、よく見られる症状をご紹介します。早期発見できるよう、出やすい症状を覚えておきましょう!
クッシング症候群の症状はさまざま とくによく見られる症状は?
クッシング症候群になると、皮膚のトラブルや飲水量の変化、食欲の変化などさまざまな症状が出てきます。愛犬に当てはまるものがないか、チェックしてみましょう!
症状1)多飲多尿
クッシング症候群の犬の95%以上でみられる症状です。飲水量が増えて、色の薄いオシッコが大量に出ます。徐々に飲む量が増えていきますが、がぶ飲みするようになって気づくことも。
症状2)皮膚トラブル
皮膚トラブルが出る犬も多く、クッシング症候群の犬の80%以上で見られます。具体的には皮膚が薄くなり血管が透けて見える、脱毛して地肌が見えるなどの症状が出ます。また、皮膚全体が全体的に黒ずんだ感じになる、皮膚に白くてかたいできもの(皮膚の石灰沈着)ができるなどの症状が出る犬もいます。
症状3)大食いになる
ゴハンを食べたばかりなのに「まだもらっていない!」といわんばかりにしつこくねだるなど、異常な食欲を見せる犬も。与えた分だけどんどん食べます。
症状4)筋肉がやせてくる
後ろ足の太ももの筋肉が落ちて厚みがなくなりやせてくる犬も。また、内臓を支えるおなかの筋肉がやせてくることで、内臓全体が下がり気味に。その結果、おなかが“ビール腹”のように出てしまい、体が樽のように見えることもあります。
また、筋肉量が落ちることで疲れやすくなる、活動量が減るなどの症状が出る犬もいます。
どんな犬種でも7才以上の犬は要注意!
クッシング症候群は、犬種にかかわらず加齢とともに発症しやすくなる病気です。
血糖値が上がりやすくなるため、犬によっては糖尿病を併発したり、感染症にかかりやすくなるなどの二次的な弊害が出ることもあります。
愛犬に上記のような症状が見られたら、早めに動物病院で検査してもらいましょう。
参考/いぬのきもち2021年5月号「犬の現代病ファイル Vol.24クッシング症候群」(監修:石田ようこ 犬の猫の歯科クリニック院長 石田陽子先生)
撮影/佐藤正之
イラスト/フジマツミキ
文/melanie