犬と暮らす
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犬の正常な血糖値はどれくらい? 糖尿病、低血糖のように「血糖値に異常がみられる犬」の傾向を獣医師が解説
犬の正常な血糖値は?
「空腹時の犬の血糖値は60~100mg/dlです。愛犬の血糖値を知りたいと思ったときには、血液検査で測定できます」
犬の血糖値が異常なときに考えられる原因は?
「血糖値が高い場合と低い場合で、それぞれ原因を見ていきましょう」
犬の血糖値が高い原因
「血糖値が高いときには、糖尿病の可能性が考えられます。糖尿病は、膵臓から分泌されるホルモンであるインスリンが不足することで起こります。インスリンは血糖値を下げる働きがあり、不足すると糖尿病になり高血糖の状態が続き、さまざまな症状を呈するようになります。
また、副腎皮質機能亢進症などの内分泌疾患に伴い、高血糖になることもあります。
糖尿病だけを発症しているのか、他の病気を併発しているのか、しっかりと検査で鑑別して治療をすすめなければ、病態を改善することはできません。
糖尿病の場合は血糖値をはかり、血糖値を下げる働きのあるインスリン製剤を注射します」
犬の血糖値が低い原因
「低血糖は、生後3カ月ぐらいまでの子犬に起こることが多いです。原因は、食欲不振、ストレス、下痢、寒さ、先天性の病気などで、十分な栄養(糖分)がとれないことで血糖値が下がると起こります。
低血糖は命に関わるため、一刻を争います。症状がみられたら、直ちに糖分の補給を行います」
糖尿病の犬にみられる症状は?
「たとえば…
- 肥満、また削痩(糖尿病の初期は肥満、末期は削痩します)
- 多飲多尿がみられる
- 食欲旺盛なのに痩せてくる
- シニア期に入って、なんとなく元気がない
▼犬の糖尿病に関するくわしい解説はこちら
愛犬の血糖値を正常なものにするために意識したいことは?
「シニアになったら、定期的に血液検査や尿検査などの健康診断を受けましょう。
また、肥満または痩せてくる、食欲旺盛または食欲不振、多飲多尿など、『シニアになったからかな?』と思うような症状に、病気が隠れていることがありますので、注意が必要です。
気になることがあれば、かかりつけ医に相談し、適切な検査を受けるように心がけましょう」
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/sorami
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